EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)は、世界150以上の国と地域に約26万人を擁する総合プロフェッショナルファームであるEYの日本におけるメンバーファームです。クライアントの抱えるさまざまな経営課題を解決するためにEYのナレッジやメソドロジー、そしてワールドワイドに拡がるネットワークを駆使して、最先端かつ高品質のアドバイザリーサービスを提供しています。 今回は、同社のTSDチームリーダーであるパートナーの梶浦英亮様より、同チームの魅力をアクシスコンサルティングの祝がお聞きしました。この記事は2018年10月時点のものです。
TSDチームインタビューと合わせてお読みください。
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/EYTSDteam
現在グローバルで進む2つの大きな変革
祝
まず、貴社に入社されるまでの梶浦様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。
梶浦様
大阪大学・大学院を卒業後、新卒で監査法人系のコンサルティングファームに入社。東京および上海に拠点を持つ複数のコンサルティングファームで業務とテクノロジーのコンサルティングを数多く経験しました。専門領域は、テクノロジー・グローバルビジネス・コンシューマビジネス業界です。その後、2017年6月にEYSCに参画し、テクノロジーコンサルティングチームのTSD(Technical Solution Delivery)管掌、およびSAPビジネス、ブロックチェーンビジネスの責任者を担っております。
祝
続いて、改めて貴社について簡単にご紹介いただけますでしょうか。
梶浦様
BIG4系総合ファームであるEYは、日本市場でのコンサルティングビジネスの成長にむけて2017年1月に組織統合を行い、新たにEYSCを設立しました。EYSCは、世界150以上の国と地域に約26万人を擁する総合プロフェッショナルファームであるEYの日本におけるメンバーファームです。EYSCの強みは、クライアントの抱えるさまざまな経営課題を解決するためにEYのナレッジやメソドロジー、そしてワールドワイドに拡がるネットワークを駆使できること。最先端かつ高品質のアドバイザリーサービスを提供しています。
祝
ありがとうございます、では本題に入らせていただきます。
まず昨今の市場環境の変化についてお伺いしたいのですが、どのようにご覧になっておられますか?
梶浦様
現在グローバルでは2つの大きな変革が進んでいます。この2つは密に影響しあうため、区別がつきにくいのですが、厳密にそれぞれを理解することが重要です。1つはすべての業界においてディスラプションが起きていることです。これは2つ目の変革であるデジタルテクノロジーによる影響が大きいのですが、それ以外にもグローバル経済の成熟化などマクロ経済の方向性にも大きく影響を受けています。
2つめは、デジタルテクノロジーの大きな発展が商用化段階に至り、企業・消費者の行動に大きく影響を与えていることです。
この大きな2つの変革をきっかけに、各企業はどのように経営の舵取りをしていくべきか、具体的には自身のサービスモデルの再構築や、経営管理体制の刷新などに迫られています。
独自の特徴を持ったポジションを確立することが基本的な戦略
祝
特に、TSDチームに関連付けて考えた際、同領域での変化はいかがですか?
梶浦様
私どもEYSCのTSDチームが担当する「企業の経営管理・会計・生産・サプライチェーンなどの基幹業務領域」においては、新たなデジタル時代に対応した基幹業務システムへの刷新という流れが強まっています。特に日本においては、好況の中基幹システム刷新の体力がついた企業が多いことも追い風になり他国に比べて強い流れができているように思えます。
このような市場環境の変化の中でTSDチームとしては、グローバルファームであるEYの資産を活用。日本のコンサルティング市場では私どもしか提供できないサービスを、クライアント企業に展開することを通し、規模を追求するのではなく、独自の特徴を持ったポジションを確立することを基本的な戦略としています。
祝
より具体的には、どういった内容でしょうか。
梶浦様
アジャイルビジネスの推進、デジタルコアとデジタルエッジの融合、そしてグローバル深化、この3つです。
日本国内においても、デジタル化対応となるプロジェクトが多くありますが、そのほとんどは包括的なドキュメント作成やウォーターフォールアプローチなど旧態依然の方法論で行われているのが実態です。EYSCでは基幹業務システムに対しても、“Agile Business”というテーマを掲げ、デジタル時代に対応できる組織づくりを提案しておりますが、私たちの仕事の進め方もアジャイル・スクラムなどのメソドロジーを組み合わせた方法論となっています。
また、IoTやAI、ブロックチェーンといったデジタルビジネスは、デジタルコアとしてのERPと一体的な企画・実現化が必要にもかかわらず、コンサルティング会社やシステム構築会社側の組織が分断されていることが大きな課題です。EYSCではデジタルコアとなるERPとデジタルエッジを一体の組織として運営していることが、展開するサービスや提供するソリューションの質の高さにつながっています。
EYはグローバルの視点でみても最も優れた連携を持つファームとして、他ファームと異なる特徴・強みを有していると考えます。
例えば、クライアントが日本で入手できないソリューションを必要とした場合、数分で海外にあるソリューションへアクセスし、担当者とコネクトすることが可能です。各組織は互いにグローバルレベルで連携していることに加え、私たちはEY Japanの監査、税務アドバイザリー、トランザクションの4つの全ビジネスユニットともグローバルレベルで連携しています。このサービスやエリアの境界線を越えた力は、私たちに極めて大きな優位性をもたらし、クライアントに価値のあるソリューションを提供できます。祝
ありがとうございます。
今までのお話の中でもうかがい知れる部分がありますが、梶浦様のリードされているTSDチームは、どのような役割を担っていらっしゃるのでしょうか。
梶浦様
TSDチームのプロジェクト内容は大きく分けると以下に分類されます。
- テクノロジーを活用した企業変革の企画・構想策定
- 新しい方法論・技術を用いた業務とテクノロジー変革
- グローバルプロジェクト
まず1つめの企業変革の企画・構想策定について、日本のテクノロジーコンサルティング市場で大規模な導入プロジェクトが多数進んでおり、既存のコンサルティング企業はその対応に追われています。また構想策定において、あるべき姿から企業の業務・システムを設計する新しいアプローチに対応できるコンサルティング企業が少なく、その結果TSDチームには多くの相談が持ちかけられている状況です。TSDチームには、戦略コンサルタント出身者や事業会社出身者もバランスよく所属しており、幅広くコンサルティングを実施しています。
2つめの新しい方法論・技術を用いたプロジェクトについて、TSDチームではデジタル技術、アジャイル/スクラムアプローチなど新しいタイプの仕事に注力しています。すでに、EYグループの中でも世界最初のデジタル技術の適応プロジェクトをはじめるなど特徴あるビジネスを展開しています。
最後のグローバルプロジェクトについては、日本企業がグローバル展開する際にEYのグローバル拠点や実行力は大きな魅力となります。またすでにお話ししたグローバル組織の特徴を活かし、日本以外で実施するプロジェクトに対して参画する機会も多くあります。
活躍するためにはEYの理念『Building a better working world』への貢献が求められる
祝
最後に、TSDチームにご関心をお持ちの読者の方へメッセージをお願いします。
梶浦様
我々が提供しているサービスの特徴は明確であり、これまでERPをはじめとするテクノロジーコンサルティングを経験してきた方々にとっても、私たちの組織は非常に魅力的な経験を提供できます。システム会社で勤務している人にとっては入社後にコンサルティングのスキルを獲得できる教育体制は整っています。コンサルティングサービスの内容も大きく変化しており、これまで我々のターゲットではなかった、業務コンサルタント、デザイン思考を用いたコンサルタント、アジャイル開発技術者などの人材にとっても活躍できるポジションを用意しています。またメンバーの3割は女性、2割は外国籍です。多様性に富むメンバーがお互いに良い方向性を与え、コンサルティング業界で最良のチームを創っていきたいと考えています。
EYで活躍する人材は、業務に対する姿勢に優れ、決断することを恐れず、「Building a better working world」というEYの理念に進んで貢献しようとする人材です。EYの理念は、クライアントの成功を通してより良い社会を目指すものであり、これからの時代、経済的利益を越え、社会に貢献していくことが重要と考えています。弊社会長がインタビューで答えているように“入社時期や在籍期間を問わず、EYで得た最高の経験は生涯を通して活かされるでしょう”というメッセージが私たちのスタンスを明確に表していると考えています。