「圧倒的実行力」を持ったデジタル経営人材育成/輩出機関であることを目指し、経営戦略から変革施策の実行まで、一気通貫での企業変革を行うフロンティア・マネジメント株式会社 デジタル戦略部。今回は、同組織を立ち上げたデジタル戦略部長 マネージング・ディレクター 柴田隆治様、シニア・ディレクター 本島祐太郎様、アソシエイト 杉本悠様より、ご経歴から組織のミッション、プロジェクトの内容までお聞きしました。
フロンティア・マネジメント デジタル戦略部 柴田様、本島様、杉本様のご経歴
髙村
ご経歴を教えていただけますか。
柴田様
私はフロンティア・マネジメントで主にDX関係のコンサルティングを担当するデジタル戦略部を統括しています。
事業会社からキャリアが始まり、その後Big4で長い間、事業戦略やBPR、DXを行ってきました。その後米系のプロフェッショナル・ファームのグローバル・ヴァイスプレジデントとして日本のコンサルティングビジネスを立ち上げた後、フロンティア・マネジメントがDX組織を立ち上げるタイミングで声がかかり、2021年6月に参画しました。
髙村
御社を選ばれた理由を教えていただけますでしょうか。
柴田様
フロンティア・マネジメントは、M&Aや事業再生など経営改革に必要な事業のバリエーションがこのサイズで収まっているその近さや機動力に興味がありました。代表と話した中で、将来への考え方にも共鳴しました。
髙村
柴田様は数々の大手ファームを経験されてきましたが、組織同士の近さや機動力は、実際に入社されて違いを感じるところがありますか。
柴田様
フロンティア・マネジメントはクライアントの経営層がカウンターパートになるので、幅広いイシューが出てきます。今までなら、同一ファーム内でも他部署領域のイシューにはあまり手を出せませんでした。しかし現在では、別のチーム、たとえば再生チーム等と協力して提案や支援に関われています。
また、私のチームはデジタルという切り口をメインにしていますが、それでも、メンバーが経営・事業戦略の話をするようなことが日常的に行われているので、自由度を感じますね。
髙村
それでは、本島様もご経歴を教えていただけますか。
本島様
私は新卒で外資系コンサルファームに入り、7年弱ほどコンサルタントとしてキャリアを歩みました。各業界のトップ企業の案件を中心に手がけ、特に後半3年間は大手メーカーに常駐しながら全社DX推進のPMO業務や、各事業・子会社の個別テーマ、同時に他業界の新規事業開発支援などを経験してきました。
そこから、PRの大手代理店である株式会社ベクトルに転職しました。ホールディングスの本体に所属し経営戦略本部やM&A本部、ベクトルデジタル本部というデジタルマーケティングに関連する本部を立ち上げて、各本部の部長を務め、2年ほど過ごしていました。
転職したきっかけですが、M&A本部でソーシングや案件実行を経験している際に、M&A事業を手がけるフロンティア・マネジメントとコネクションができたことが縁で、2024年1月に入社しました。
髙村
御社を選ばれた経緯を教えていただけますか。
本島様
元々コンサルティングが嫌で前のファームを辞めたわけではなく、腕を磨きたくて事業会社に入りました。コンサルティングは肌に合っていると感じますし、前職で多くのM&Aや企業間シナジー創出に関わる中で、よりハンズオンで企業の経営に関わりたいと思ったことが決め手です。
髙村
杉本様は新卒で入社されたそうですね。
杉本様
はい。東京大学経済学部を2022年に卒業して当社に入社し、半導体商社のITソリューション事業の新規事業戦略立案や事業計画策定支援のプロジェクトを経験しました。現在は大手流通小売グループ企業にて、グループ横断DXの推進支援を行っています。
髙村
杉本様が御社に決めた理由を教えていただけますか。
杉本様
クライアントの戦略策定や経営の課題解決に携われるのが大きいと思います。元々経済学部で経営理論を学んでいく内に、実際に企業の中でどう経営変革が起こっているのか興味を持ち、コンサルティングファームを選びました。
フロンティア・マネジメントの説明会で、戦略策定から実行支援まで一気通貫で経験でき、コンサルティングの他に事業再生やM&A事業部もあり、コラボレーションによって幅広い経営課題に対応できると聞いたのが決め手でした。同学の先輩が多く在籍していて、就職活動時に会社の実態を聞けたのも大きかったです。
「コト」「ヒト」「カネ」すべてを使い、効果が出るまで伴走する
髙村
デジタル戦略部の業務内容やミッションをお伺いしてもよろしいでしょうか。
柴田様
デジタル戦略部は30名弱のまだまだ小さな組織です。経営の感覚を持ちながら全社デジタル変革を主導できる「デジタル経営人材」を輩出したいという思いがあります。なので、あえて個別のソリューションや得意領域に特化したサブチームでチームを分けていません。
髙村
ビジネステーマとしてはどのようなものが多いのでしょうか。
柴田様
事業のバリューアップに資する「攻めの変革」と「守りの変革」の両方があります。
たとえば、デジタルマーケティング支援による売上拡大やデジタルを活用した新規事業創出等の「攻め」と、事業を支える基盤、ITの変革等の「守り」、この2つの両輪でクライアントを支援しています。
髙村
他ファームのDX組織と比較した際の強みはどちらにあるとお考えでしょうか。
柴田様
他ファームでは「コト」や「ヒト」の提供までは行っていることが多いですが、さらに私どもはファンド事業におけるお金。つまり「コト」「ヒト」「カネ」全てを駆使して一気通貫で企業変革をご支援できます。
また、「伴走」をうたうファームは多いですが、大手ファームの場合、プロジェクトが進むにつれてチームや人が変わるケースが多いです。われわれの場合、変革のコーディネーターとしてEnd to Endで同じチームが伴走します。経営者は、会社全体を見るのが仕事ですが、「ここだけ終わったら、また違う人が来る」では話も通じにくく、困るという声をよくお聞きします。クライアントの経営課題を解決するために、デジタルを活用して効果が出るまで一気通貫で伴走することを目指しています。
髙村
本島様はいかがでしょうか。
本島様
クライアント企業の経営層とのパイプが強く、また自社内でも部署間の距離が近いので、さまざまな企業の経営情報が直ちに手に入ります。大手ファームだと、組織が大きく、かつ縦割りなので、自身が所属しているチームの案件情報でさえ本丸のところはなかなか分かりません。フロンティア・マネジメントでは、たとえば経営執行支援部門がどのような案件に取り組んでいるか、また投資実行のやり方や経営課題ごとにどのような人材が求められているのかが見えて、自然と自身がその案件に関与するならどのような価値を出せるか考えることになります。
髙村
杉本様も感じる部分がありますでしょうか。
杉本様
同じく組織の壁の低さでしょうか。実際の案件では、戦略やデジタルに関わらず幅広い論点が出ます。社内に専門家がたくさんいるので、自身が入っているプロジェクトでわからないところがあっても他のチームと知見をスムーズに受け渡しできるのは、非常にいいところだと思います。
髙村
他のチームの方に聞く際は、チャットで聞いて直ちに返答がくるのでしょうか。
杉本様
Teamsなどで、初対面で本題から入っても、それでうわってなる人はいないです。むしろコンサルタントなので教えることが好きなケースが多く、皆さん好意的に知見を提供してくださいます。
本島様
実際、今朝私も他部門とのナレッジシェアのミーティングをやっていました。全社メールでの相談に挙手して、そこで全く会ったことないメンバーに対していろいろ意見を言えます。一方で、私も頼らせてもらうことが多いです。
経営者の目線に立ち、時には”デジタル以外”まで考えた支援を行う
髙村
続いて、皆様が印象に残っているプロジェクトについてお伺いします。
本島様
現在とある地方企業をご支援しているのですが、「地場のこの産業とくっつけたら面白くなる」「ゆくゆくはM&Aをすると、この企業はハッピーになるのではないか」というところまで考えて仕事をしています。経営者の目線に立って、5年後の姿を考える一方で、足元でデジタルを活用して価値を出す。こうしたスキームやケイパビリティがあるのが、フロンティア・マネジメントの本当の良さだと感じています。どんな案件でも、自身の視座、思考次第で「経営層を送り込んだ方がいいのか」「CDOを送り込むだけではなくて、ファイナンスも手当しないといけない」とデジタル以外のことも考えられる。まさしく「デジタル経営人材」になるための経験ができていると思います。
髙村
できる力が社内にあるがゆえに視野が広がる、視座が高まるということですね。
本島様
それが入社の決め手でもあり、フロンティア・マネジメントの面白いところです。サービスの組み立て方に自由があって、「ノー」と言われることがまずないんです。「面白いじゃん。それで価値が出るならいいよ」と。
柴田様
そういう話ができるコンサルファーム、DXチームは少ないのではないでしょうか。
髙村
「自由」さが大きな魅力になっているのですね。
本島様
私のミッションは7割が社内新規事業立案、案件獲得と実行が3割ですが、やはりどちらもある程度自由が利きます。
新規事業立案では、会社やチームの方針をある程度ラフな状態で渡され、自身で構想・形にして代表や部門長に持っていきます。しかし、そこでネガティブなコメントをもらったことは一度もなく、むしろ後押しを受けて、ドライブしやすい環境を作ってもらえていると思います。
シニアレベルになると案件獲得を面倒に感じてしまう方もいると思うのですが、フロンティア・マネジメントは2007年創業で、全国にパイプやネットワークがあるので、その営業アセットを生かせます。
提案も、これまでのスキルをフロンティア流に染めるというよりも、「自分の色を出していいよ」という感じで私なりに仕掛けさせてもらえます。こういった、「自由」なところはフロンティア・マネジメントの魅力ですね。
髙村
杉本様はいかがですか。
杉本様
大手流通小売グループにおける、グループ横断でのDX推進プロジェクトが印象に残っています。大手企業のDXを当事者として間近で見られたことが私の経験やスキルの幅にもつながっています。特に最先端の技術が企業の中でどう使われているのか当事者として学べたことが、自身の経験として今後大きく生かされると思います。
柴田様
この大きなプロジェクト内で私どもがやっていることは、デジタル技術とお客様がビジネス的にやりたいことをマッチングするイメージです。最先端のデジタル技術を流通のトップランナーがビジネスでの活用を検討するド真ん中にいるので、かけがえのない経験、最先端のリアルを経験しています。業界の最先端ながら、活用の内実としては「まだまだ入り口なところ」も多々あり、実態を見られています。
杉本様
そうですね。細かい論点がたくさん出てきて、間近で見られます。将来、戦略策定から実行支援まで一気通貫で支援するにあたって、起きがちな問題をすべて学べるところが大きいと思っています。
柴田様
われわれのカウンターパートは経営層になるのですが、当然ながらレイヤーが高くなるにつれて難易度が高くなる。ソリューションにも幅が必要とされる。つまり、経験・スキル・視座といったリターンも大きいので、あえてそこでチャレンジし続けたい。それを経ることで、圧倒的実行力を持ったデジタル経営人材になれると思っています。
決して専門性を排除するわけではなく、皆が持ち合わせているそれぞれの専門性を生かし、経営課題や事業成長にどうやって貢献できるかを徹底的に考えて、それをベースにケイパビリティを広げられるということです。
杉本様
若手はプロジェクトの推進に仕事が寄りがちですが、シニアの方々が担当している提案活動を通じて新規のお客様との関係構築にも関われて、主体的にやりがいをもってできていると思います。
チーム立ち上げからまだ3年、風通しの良い環境がある
髙村
続いて、働き方やチームの雰囲気を教えていただけますか。
杉本様
比較的自由に働けていると思っています。案件によってはリモートワークが推奨されています。まさに私の今の案件はフルリモートですので、週2〜3はリモートで働いていますし、中には地方在住でフルリモートの方もいます。
チームの雰囲気ですが、上司が皆良い方ばかりで、気軽に相談に乗っていただけます。プロジェクトの上司と週に1回は1on1する時間もあり、プロジェクトの悩みや今後のキャリアなどをざっくばらんに相談できます。
髙村
本島様もリモートが多いのでしょうか。
本島様
私は逆に会社に来た方が集中できるので、強制されたことはないのですけれど、ほぼ毎日出社しています。それも含めて全部自由ですし、結果を出すことが何より大切ですね。
雰囲気ですが、まだ立ち上げ3年弱の新しいチームなので、新しい人が入り、新しい話をすることが多く、風通しが良いですね。また、自身のキャラクターを出しやすい組織で、私は入社して2カ月ぐらいしかたってないのですが、30人弱ぐらいの部内会議で自身のトピックを話せることも多いです。そこに対して、直接会ったことないメンバーが「私もそれやりたい」と言って手を挙げてくれたり、丁々発止の議論になったりします。
髙村
柴田様がチームを運営する上で意識されていることはありますか。
柴田様
コンサルタントはとかく個人の腕だけで勝負する個人戦が多いのですが、チーム戦をやりたいと思っています。力や集めてチームで成果を出す。1人でやっていてもせいぜい1.5人前ですが、3人でやれば10人前ぐらいになる可能性があります。
個々がデジタル経営人材として完成してほしいと思う中で、自分1人で誰の力も借りずに戦っていくのは大変です。皆でお互いに協力しながら高め合うことで、その成長スピードを速めていきたいと思っています。
また、多様性はある程度持ちたいと思っています。事業会社や金融機関など、こんなに多様なバックボーンを持ったメンバーと一緒に仕事をした経験はあまりありません。さまざまな気づきがありますし、従来型のコンサルティングではなく、クライアントニーズに合わせる手札が増えていると実感しています。チーム内はうまく混ざっていて、お互いに尊敬し合えていると思います。
「フロンティア×デジタル」の認知を広めるため、社内で一番大きく、目立つ組織へ
髙村
柴田様、今後のチームの展望について教えてください。
柴田様
まず、フロンティア・マネジメント=再生ファームという印象が世間的に強いと思いますが、「フロンティア・マネジメント×デジタル」の認知を広めていきたいです。そのためには、社内でデジタル戦略部を一番大きく、目立つ組織にしないといけないと思います。
それには、もちろん積み上げていく連続的な成長は大事ですが、新規事業を立ち上げることでの非連続的な成長施策も仕掛けます。それによって他ファームと差別化されたコンサルティング組織になり、ビジネスが集まる、人が集まる、そして認知度が上がる。そういうサイクルを作っていきたいと思っています。
もう一つは、このチームにいることでメンバーが得をするような環境をつくりたいと思っています。デジタル経営人材に近づくとか、コンサルにとどまらず事業家になれるなど、幅広い選択肢が生まれる環境を提供し、キャリアのハイライトとなる成果やレジュメに書けるようなトピックスとなるかけがえのない経験ができる。そんな組織にしたいですね。
髙村
本島様の今後のビジョンを教えてください。
本島様
新規事業では、自社のメンバーだけではなく、他社とのアライアンスも含めて立ち上げているところです。既に世の中にある事業ではなくて、事業再生を祖業として成長してきた弊社だからこだわっている「持続する事業改善効果」を標ぼうして新しい箱を作りたいです。その上でいろいろな人たちが楽しく働ける状態環境を作りたいと思っています。
髙村
杉本様はいかがですか。
杉本様
先ほど柴田が言った「デジタル経営人材」を、まさに私は実直に目指したいと思っています。戦略策定から実行まで幅広い経験をする中で、ゆくゆくはデジタルと経営の知見を両方持ちながら企業の経営層、CxOと1対1でDX推進の指南ができるように成長したいと思います。
髙村
では最後に、デジタル戦略部に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。
柴田様
従来のコンサルティングとは異なり、難易度は高いですが、このような立ち位置で、「ヒト」「コト」「カネ」を駆使してクライアントの成長を支えられること、それはかけがえのない経験になります。そういうことを経験したいと思っている方には、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
このチームを立ち上げて3年弱、最初はデジタルをフロンティア・マネジメントのサービスとして定着させ、組織を作る段階でした。しかし、これから「デジタル戦略部2.0」と私は言っているのですが、違う成長のフェーズに入ってきていると思います。非常に良いタイミングだと、手前味噌ながら思っています。
本島様
フロンティア・マネジメントは現在約400名の組織で、デジタル戦略部は30名弱の組織です。しかし、全社としてデジタル戦略にアクセルを踏むことを中期経営計画の肝に据えています。社内の他チームにもプレゼンスを発揮して、チームのケイパビリティを他領域にもっと染み出していかなければと思います。やるべきことがたくさんあるので、つまり、伸びしろがあり、かつ新しい、面白いところに乗っかりたい方には今がうってつけだと思います。伸びている事業や会社に入った方が面白い案件ができるし、個人としての成長も大きいと思うので。
また、代表取締役の大西は、全社員に対して「セルフブランディング」を強調しています。個人としても実力をつけていきたい、自身を売っていきたい、プロ経営人材になりたい方には良い成長機会、環境をご用意できると思っています。
髙村
最後に杉本様いかがですか。
杉本様
若手向けのメッセージになりますが、チームとして現在拡大のフェーズにあり、手を挙げれば何かしらやりたいことができる環境なので、成長意欲やチャレンジ意欲のある方には非常に良い環境です。ここでプロジェクトを経験しながら汎用的なコンサルティングスキルを積み何かしらとがった専門性を持てば、市場価値も自然と上がっていくと思っています。