グローバル・パートナーズ・テクノロジー CEO坂本俊輔様 インタビュー/「CIOアウトソーサー™」の仕組に迫る

株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー

今回の記事では、システム会社への過度な依存が横行するIT業界の構造変革を目指し、CIOや情報システム部といったシステム発注者の支援を専門に手掛けるベンチャーファーム、株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジーへのインタビューを取り上げます。
同社を設立した代表取締役社長の坂本俊輔様より、同社のサービスである「CIOアウトソーサー™」ビジネスを始めたきっかけや、同サービスの仕組み、実際のプロジェクト内容等についてお聞きしました。

目次
  1. グローバル・パートナーズ・テクノロジー CEO坂本俊輔様のご経歴
  2. ユーザー企業の価値を追求するため、「自分たちでシステム開発・運用の売上を立てない」「システム会社から再委託を請けない」
  3. 売上数百億規模の企業における全体的なシステム投資の支援がメイン
  4. 部署間の合意形成など、事業会社の社内ルールが分かる人材が活躍しやすい
  5. 「非常勤CIO」としてクライアントの社員になるという新しい働き方を推奨
  6. 株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー 求人情報

グローバル・パートナーズ・テクノロジー CEO坂本俊輔様のご経歴

安形
まずは坂本様のご経歴を教えていただいてもよろしいでしょうか?

坂本様
私は、2002年にNTTコムウェアに入社し官公庁を中心とした大規模な情報システムの提案やコンサルティング業務に従事してきました。しかし当時は大きなテーマにやりがいを感じていたものの、3年がかりで提案し3年がかりでシステムを作っていくような長いスパンで案件に携わるよりも、もっと早いスパンで試行錯誤がしたいと思い20名ほどの小規模なコンサルティング会社に転職しました。

転職先はITコンサルティング業務を全般的に取り組む会社でしたが、私が役員に就任してからは「何をテーマにするか」というサービス設計に重点を置き、さまざまなプロジェクトやコンサルティングを行ってきました。その中で一番しっくりと合ったのがシステムの発注者側に立ったITコンサルティング支援です。

システム開発は、IT投資を行うユーザー企業の体制が不十分のままIT投資を行うと高い確率で失敗します。そこで体制の脆弱なユーザー企業の一員として入り、なにが必要なのか計画を作ってシステム会社に発注し、その間に発注者がやるべきことをきちんと果たせるよう支援をする。IT投資をハンズオン型で成功に導くやり方に手応えを感じた私は、そこから母体となる発注者支援サービスに注力していくようになりました。その後さらに「発注者支援という領域をもっと世の中に打ち出していきたい」と考え、それまで前職で作ってきた発注者支援事業の一部を買い取る形で独立し今に至ります。

安形
ありがとうございます。IT投資で苦労されている会社様をいろいろと見られてきた中で、実際にシステム会社や発注者側にはどのような課題があったのでしょうか?

坂本様
2つのパターンがあります。まず1つ目が情報の非対称性です。システム会社と発注者側では情報の格差が生じやすいため、システム会社の中にはシステム導入に際し発注者側に一部の情報だけしか伝えず誤った意思決定をさせかねないケースがありました。最近でこそ数は減りましたが、IT知識のない発注者側がシステム会社に足元を見られるケースというのは未だに少なくありません。

2つ目は、発注者側の高圧的な態度です。「お客様は神様だ」という姿勢でもともと発注した中に入っていない内容まで何でも無理にシステム会社にやらせたり、発注者側が予見できず金額がオーバーになった場合もその責任をシステム会社に転化したりと、そういった発注側の問題も多くありました。

坂本俊輔様

ユーザー企業の価値を追求するため、「自分たちでシステム開発・運用の売上を立てない」「システム会社から再委託を請けない」

安形
御社の事業内容をお聞かせください。

坂本様
当社は、ユーザー企業の体制強化のためのコンサルティング事業である「CIOアウトソーシング事業」(CIOアウトソーサー™)を展開しています。具体的には本来ユーザー企業にいるべきCIO(最高情報責任者)が果たす役割を私共が担い、ビジョン実現のためIT戦略の立案から、IT調達のルール作り・体制整備などのITガバナンス構築を支援しています。つまりIT戦略からITマネジメントの階層までユーザー企業ができない部分をお手伝いし、ユーザー企業の持続的なIT体制強化に貢献しています。

安形
御社のビジネスの特徴やお客様から選ばれる理由、要因について教えていただけますか?

坂本様
私共の事業の特徴は、「ユーザー企業の価値追求」のみを行動原理としており、ビジネスモデルとして敢えて次の2つをやらないと決めています。

その1つは、自分たちでシステム開発・運用の売上を立てないこと。自分たちの商流に下請けのシステム会社をつけてITを納入し、売上もしくは手数料を取ることは一切しておりません。

もう1つは、システム会社から再委託を請けないこと。システム会社からの依頼の中にはシステム会社がエンドユーザーのために最適な提案をしたいケースもあれば、システム会社が自分たちの作りやすいようなプランを提案するために「コンサル会社としてクライアントに押して欲しい」と依頼されるケースもあります。それらはケースバイケースではありますが、「問題がない場合だけシステム会社から依頼を受けます」とするとクライアントから見て線引きがわからないため、私共はシステム会社から一切依頼を受けることはありません。

そのように2つの制約を課すことで健全性を担保し、ユーザー企業に対して最大限の価値を提供できる要素になっていると思います。

お客様の中には「ITコンサルティング会社にお願いしても、自分たちの都合で売上を立てるためにプランを押し付けられた」という印象を持っている企業様や、システム会社の営業に相談をしても「自分たちができることしか提案されなかった」という企業様もたくさんいます。コンサル会社やシステム会社のための提案ではなく、発注者側に立ったシステム提案をして欲しいという課題意識を持っている企業様からははっきりとした差別化要素で当社にご発注いただくことが多いですね。

安形
他社のITコンサルティング会社のビジネスモデルとの違いについてお伺いしてもよろしいでしょうか?

坂本様
ITコンサルティングというのは、本来ユーザー企業にとって必要なシステムの提案や、IT導入に対してコンサル行うことを言うため、そういった面では私共のCIOアウトソーシング事業も「ITコンサルティング業」だと言えるかもしれません。しかし世の中のITコンサルティング会社の大半は、表向きにオールインワンまたはワンストップという言葉を使って、システム自体を納めシステム開発・運用で大きな売上を立てているビジネスモデルの会社が非常に多いと思います。

しかし私共はすでにお話をしたように、システム開発・運用の部分では一切収益を上げておりません。ユーザー企業の課題からどういうシステムが必要なのか、システム作りを発注している間にユーザー企業がやらなければならないことはなにか、その実行支援をするのが私共の事業です。他にも情報システム部門の支援という言い方もできますが、情報システム部門が機能していない会社も多いため、本来情報システム部門が担うべき役割を担っているのです。

また当社と同じく「発注者体制の強化」をコンセプトに掲げ、内製化でシステムを構築できる体制づくりを支援するビジネスモデルの企業もあります。もちろん一部の領域においてはユーザー企業が自社でシステム開発できる体制作りは望ましいと思いますが、現時点でシステム発注に課題のある企業様にとって内製開発の話はハードルが高いため、私共ではまずはきちんとIT導入の発注をできる体制作りを前提とした支援を行っています。

安形
御社では約2年前からCIOアウトソーサーを導入されていますが、なぜ一早く御社がCIOアウトソーシング事業に参入できたと思いますか?また参入する際の難しさはありましたか?

坂本様
CIOアウトソーシング事業に参入できた理由は、想いの強さと覚悟の問題でしかないと思っています。分かりやすい話をすると、例えばクライアント企業が1億円ほど情報システムに投資しようとしているとしましょう。「本当に1億かかるかわからない」「1億で何をしていいのかわからない」といった状態からはユーザー側の支援に入り1億円の使い方をレクチャーしていきますが、私共はその一部、例えば1500万円のコンサルフィーや支援費用以外はいただきません。残りの8500万円はシステム発注会社に使っていただきます。ただディレクションは1億円の商談と同じ営業工数を投入するため、本来なら1億円の売上を立てる方が圧倒的に営業効率はいいわけです。さらにそこから毎年2,000~3,000万円の運用保守が狙えれば安定的なビジネスになりますが、私共は敢えてそれをやらないのです。
さらに私共はクライアント企業の主体性を伸ばすために、クライアント社員ができることは当社ではやりません。私共はフルタイムではなく掛け持ちでアサインさせていただくことが前提になるため、うまく掛け持ちができなければほとんど稼ぐことはできないです。

誰もがIT投資の発注者支援に意義があるとわかっていても、稼ぎにくいからやりたくない。でもそこを絶対にやるのだと覚悟を決め、稼ぎにくい中でどう稼いでいくのかをひたすら追求してやってきたからこそできたと思います。他の類似モデルサービスを提供されている企業でもCIOアウトソーシング事業だけに特化しているところはないと思います。

売上数百億規模の企業における全体的なシステム投資の支援がメイン

安形
御社のクライアント企業様の規模感や案件の多いボリュームゾーンについて教えていただけますか?

坂本様
ボリュームゾーンとしては、売上が数百億規模の企業で全体的なシステム投資が多いです。社内にCIOがいない、もしくは情報システム部門はあっても既存のシステム運用を行っているだけで新しいシステム投資を推進できる組織がないといった状況で、経営者または経営層とディスカッションをしながら経営課題に合ったIT活用の方向性を計画していきます。そして営業部門など各部門を巻き込みながシステムを考えたり、部門ごとにサブプロジェクトに落とし込んでいったり、全社的なERP系の基幹業務システムを推進していくプロジェクトが多いですね。

また年間の売上が何千億、IT投資が年間百億円を越えるような大組織の場合は、全社的なプロジェクトを推進する体力が当社にはないので、サブプロジェクトを推進する形になります。その場合はCIOアウトソーシングではなく、IT調達支援サービスの1つとしてシステム導入の計画の策定から、システム会社の選定、開発工程のマネジメント、稼働後のサポートまで一連のITマネジメント業務を行っています。

安形
具体的なプロジェクト事例についても教えていただけますか?

坂本様
開発途上国への支援などを行う独立行政法人様のプロジェクトが代表的な事例になります。もともと同法人の国際協力事業ではいろいろな事業があるのですが、それぞれの事業ではシステムがバラバラに構築されていたので、全体最適を目指し、全面的に刷新するという大きなプロジェクトが立ち上がりました。ただあまりにも事業が多いため8サブプロジェクトに分割し、さらにその中でも業務領域のシステムが5つあり、その内の1つを当社が受託して残りのプロジェクトは名だたる大手ファームが受託し、各部横並びでスタートしました。そのうちかなり当社の領域がうまくいきまして。最終的には大手ファームの1つがとん挫したところを引き取り、当社は2つの業務領域を推進し法人全体の最適化プロジェクトを支えることができました。

業務のあり方から国際協力の制度などを全面的に見直し、一緒に議論を重ねながら完全に新しいシステム刷新を成功させたというのが1つの事例です。

安形
大手ファームも含め各部システム刷新を進めていく中、御社が成功できた要因を教えていただけますか?

坂本様
すごく大きな最適化方針のもと、そこから8サブプロジェクトに分割して事業部ごとに一気に進めていったのですが、そもそも最適化方針というもの自体がかなりふわっとしていたため各部門では刷新に向けた希望内容にそれぞれ統一性がなく、事業部内でも各担当者がてんでばらばらの希望を言っている状態でした。

さらに法人様からの要件定義書も刷新する目的に曖昧なところがあり、当社では仕様書で求められているスケジュールはいったん別として、なんのために刷新をするのかその方針を事業部全体で合意形成するプロセスに時間をかけました。2ヶ月後事業部長を含め「我々の事業部はこういう目的で刷新をします」と文書化し、全体に説明会を開いた上で各業務のチームで分担して検討を進める体制に切り換えました。問題点を早期に検出して進めたことよかったのだと思います。

また全体のプログラムマネジメントをする事務局との連携も非常にうまくできたのも成功要因の1つです。当社が先行して実施した内容をどんどん提案したことを他の事業部にも展開していただけたため、当社のやり方をプロジェクト全体に広げていただくことができました。

安形
マーケット環境の変化から今後御社の役割がどのように変わられるのかもお話していただけますか?

坂本様
IT投資においてユーザー企業の体制強化を実行支援していくビジネスの可能性やマーケットは、今後5年、10年と拡大傾向にあると思います。と言うのも「今までのシステム発注のやり方ではダメだ」と企業がどんどん気づきはじめ、当社のようにIT投資は発注側の立場で支援をしてもらいたいという企業が増えているからです。

一方で、企業独自のDX推進や、システムの内製化体制作りという動きは今後10年スパンで大きく進んでいくと思います。特に他社との差別化要素となるコア・コンピタンスの領域はどんどん内製化していくべきですし、コア・コンピタンスではない会計システムなどのサービスは、外部から優れたパッケージサービスを簡単に導入できるようになっていくと思います。

そうなるとシステムを外部に発注する支援をする当社のビジネスモデルでは、いずれはサービス形態を変えなければなりません。しかしユーザー企業の体制強化というキーワードだけで言えば未来へマーケットがシュリンクしていくことはないだろうと思っています。

安形
御社が目指す世界観に近づけば近づくほど、今後はサービスを新たにブラッシュアップしたり、新しい領域に攻めていくべきだとお考えでしょうか?

坂本様
そうですね。候補者を含めいろんな方から「当社がクライアント企業の社員を一生懸命に育てると、ビジネスチャンスを失いませんか」という質問を受けますが、そんなことは絶対にありません。なぜならクライアント社員のレベルが上がれば、必然的に次はもう少し難しいプロジェクトにチャレンジしようとなり、さらに専門性が必要になるからです。クライアント社員が成長すればするほど当社のビジネスチャンスは増えると思っています。

部署間の合意形成など、事業会社の社内ルールが分かる人材が活躍しやすい

安形
在籍されている方のバックグラウンドなど、どういったご経験の方が入社されているのか教えていただけますか?

坂本様
中途採用では、SIerのようなシステム会社と社内SEを両方とも経験したことがある人、もしくはITの営業を経験したことがある人が多いです。まず1つ目のシステム会社と社内SE両方を経験していることは、発注者支援をする上でとても大事です。どういう価格交渉が無茶な交渉になってしまうのか、どうすれば無理なく原価低減ができるのかなど、技術的な面も含めてシステム提供側の理屈が分かっていればその経験を活かすことができます。

一方、ユーザー企業内で部署間の合意形成をしたり、経営者に対し稟議をはかったりするためには、事業会社側の理論が分かっていることも大事です。発注者支援のためにユーザー企業である事業会社側の一員として動くわけですから、その両方の経験を持った方はかなり重宝されると思います。

2つ目のIT営業の経験ですが、クライアントのために幅広く最適なソリューションを提供したいのに、自社商材や担当商材の制約があるために最適な提案ができないというストレスを抱えている方が当社に来ていただくことが多いですね。そういった制約をストレスに感じるということは、本当にクライアントの課題に真摯に向き合ってきた方であるという証明でもありますのでそういった方を求めています。

安形
御社のシニアマネージャークラスに求められていることはなんでしょうか?

坂本様
シニアマネージャー層で言うと、今事業成長の上でボトルネックになっているのがデリバリーの責任者クラスです。幸いリード自体は獲得できクロージングもできていますが、クロージングの段階やプロジェクトの責任者にほぼ私が付いて関わっており、手も口も出さなければならないケースも少なくありません。新規クライアントの獲得はできなくてもいいので、リードに対してきちんと提案しクロージングまでデリバリーの責任者として当社のメンバーを指導しながらクライアントの期待にちゃんと応えていくことを期待しております。

ディレクタークラスに対しては、当社の社員10人チームをまとめて2、3年スパンでどうスキルを成長させていくか、どうキャリアを積ませていくか、ディレクターにはラインマネジメントの要素も含めて期待しています。

逆に、シニアコンサルティング層では、プロジェクトの一員として即戦力として動ける方ですね。またバックボーンにより活躍できる社内タスクフォースを見極めてアサインをしています。

安形
シニアコンサルタントからディレクタークラスの方々に対しては、会社運営に寄与できるというのも1つ御社で働く魅力だと思いますが、いかがでしょうか?

坂本様
そうですね。ディレクタークラスであれば間違いなく当社の経営面でのディスカッションに参加をしていただきますし、取締役にならなくても経営に参画できる体制になっていますので、他ファームの同じ職位に比べれば経営に参画できるという要素はすごく大きいと思います。また当社では執行役員や取締役員自体を増やす意向もあります。

安形
御社で活躍できる人、活躍できない人の傾向について教えていただけますか?

坂本様
まず活躍できる人は、チームワークや協調性、対人能力はもちろん、事業モデルの中で何が大事なのかを見極める事業センスがある人です。当社のプロジェクトマネジメントは、いかにクライアント社員を動かして、やるべきことをやってもらうかという要素が非常に大きなウエイトを占めます。当然クライアント社員はこのプロジェクトだけをやっているわけではありません。どういう業務を他に抱えているのか、どういう事業が他に動いているのか、事業性に対する理解も示さなければならないのです。そのように事業センスかつ人を動かす力のある人が活躍できます。

一方、たとえ頭が良くても杓子定規に責任範囲を切り分けようとする人は活躍できません。私共はユーザー企業の体制強化をクライアント社員と一緒にやっていくので、ある意味「球を拾うようなモード」で支援をする姿勢が必要です。

安形
御社の社風についてもお伺いできればと思います。

坂本様
まず、私共の事業活動自体はコンサルティングですが、受託プロジェクトと同じように社内タスクフォースの活動も重視し評価の対象としています。ウエイト比率としてはコンサルティング8割、社内タスクフォース2割。まだ20人程度の会社なので制度や組織、コンサルティングの品質管理などいろいろな面で改善点や新たに作らなければならない要素もたくさんあるので、自社自体を1つのクライアントとして捉えてもらって改善を行っております。

受託コンサルティングは2人チームでやることが多いので、これまでプロジェクトに関わっていない社員同士はまったく接点がありませんでした。しかし社内タスクフォース活動によってプロジェクトチームがいくつもできたり、会社をよくしていくために社員同士で協力し合って情報交換をしたりと、以前よりも社員同士の交流が活発化していると思います。

「非常勤CIO」としてクライアントの社員になるという新しい働き方を推奨

安形
御社ではどのようなキャリアパスの選択肢がありますか?

坂本様
非常勤CIOという働き方を推奨しています。当社ではユーザー企業の体制強化を目指していますが、当社の社員のまま外部からユーザー企業に関わっても限界があるだろうと思っています。なので本当にバリューを出すためには、会社の枠を超えてクライアントの社員になるという手段を認めているんです。

ただし当社では会社に在籍をしながら「非常勤CIO」として兼業でユーザー企業の社員をする働き方を推奨しています。というのも転職をしてしまうと社内メンバーからレクチャーを受けたり上司から指導を受けたりすることができず、途端に幅広い知見に基づく活動ができなくなってしまうから。事業会社に転職した人の多くは、その後「飽きてしまった」「新しい学びが欲しい」とコンサル会社に戻る人も少なくありません。

例えばシニアマネージャー層やディレクターの方が、どこかの事業会社のCIO補佐から入りCIOをやったり、元々ハイレイヤーの方は初めからCIOとして週何日かを非常勤で働いたりと、方法はいろいろあるのですが、実はまだ私以外は誰も非常勤CIOとしての働き方ができていません。まずは私自身がロールモデルになり、そしてこのような働き方や人材登用の仕方があることを世の中に発信していくためにCIOシェアリング協議会を立ち上げました。

安形
御社の社員とCIOシェアリング協議会の方との接点や関り方を教えてください。

坂本様
協議会の理事や理事の人脈を使っていろいろなCIOに対してインタビューをしていくことを活動テーマにしています。CIOの心構えや非常勤で働くことの可能性、CIOのネクストキャリアなどをインタビューしていくのと同時に、当社の社員に対してはCIOの知見をダイレクトに聞く場や人脈形成の機会をどんどん提供していきたいと思います。

そもそも私はCIOになることが目指すべき最終ゴールだとは思っていません。CIOの方がその次にどのようなキャリアを歩むのか、ということを考えていくことが大事だと考えます。キャリアの1つのあり方として、複数の会社のCIOを同時に手掛ける、起業しながらCIOをやる、コンサルタントを続けながらCIOをやる、これまで誰もほとんどやっていない働き方が目指せるというのが大きな訴求ポイントになると思います。

安形
ありがとうございます。最後に候補者の方にメッセージをお願いします。

坂本様
今、自分の働いている事業モデルの制約に対してストレスを感じている方、もしくは本当はもっとクライアントのためにいい提案をしたいと思っている方。当社はそういった制約がなく最大限自分の力を発揮できるビジネスモデルです。クライアントのためにいい提案をしたいという方にぜひ来てほしいですね。

坂本俊輔様
株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー
坂本俊輔 様

開成高校、東京大学工学部卒
2002年4月 NTTコムウェア(株)入社 SI営業に従事
2006年2月 (株)サイワークスに転職 ITコンサルタントに転身
2006年11月 (株)サイワークス取締役就任
2010年8月 当社の代表取締役に就任
2017年4月 政府CIO補佐官に就任
2019年11月 (株)カーチスホールディングス 非常勤CIOに就任
2021年2月 (一社)CIOシェアリング協議会副代表理事に就任

株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー

株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー

商 号 株式会社 グローバル・パートナーズ・テクノロジー(略称:GPTech)
設 立 2008年12月10日
資本金 3,000万円
代表者 代表取締役社長 坂本 俊輔(政府CIO補佐官、 ITストラテジスト)
事業内容 CIOアウトソーシング事業(ITユーザ企業の体制強化コンサルティング)
 •CIO支援サービス
 •IT調達支援サービス
 •IT事業立案支援サービス
加盟団体
 営業秘密保護推進研究会
 (一社)CIOシェアリング協議会
 (一社)日本情報システム・ユーザ協会

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジーの求人情報

募集職種 CIOアウトソーサー
職務内容

<IT戦略を立案・実行するCIOアウトソーサー>
CIO(Chief Information Officer)は、企業において情報技術を統括する最高情報責任者。あなたにめざしてほしい、ポジションでもあります。簡単にいえば、経営戦略を実現するための、IT戦略を立案・実行する役割を担います。
CIOを抱える企業は、まだまだ少数です。企業成長をITで加速させたい企業のCIOの代わり(アウトソーサー)となり、事業や業務にイノベーションを起こしていきます。
CIOは、いわば経営を推進するひとり。ITだけでなくビジネスに関する深い知見や、強力なリーダーシップが求められます。


【業務内容(コンサルタント/シニアコンサルタントクラス)】

  • 情報システムの企画
  • IT調達支援のコンサルティング(要件整理、提案依頼書の作成、ベンダー選定、開発管理)
  • 若手メンバーの指導

【業務内容(マネージャー/シニアマネージャークラス)】

  • IT調達支援のコンサルティングのマネジメント
  • 新規プロジェクトの提案、計画立案
  • IT組織作りやIT管理規程の整備支援
  • 社内タスクフォース活動の推進(研修制度、ナレッジマネジメント、ブランディング等)
応募要件

【必要条件(コンサルタント/シニアコンサルタントクラス)】

  • システムの要件定義や基本設計の経験(3年以上)
  • もしくは、ITコンサルティング経験をお持ちの方

【必要条件(マネージャー/シニアマネージャークラス)】

  • システム開発における上流~下流までの一連のマネジメント経験
  • もしくは、ITコンサルティングの経験(5年以上)

【歓迎要件】

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