経理・財務領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を手がけるグローウィン・パートナーズ株式会社のAccounting Tech事業部。Accounting Techとは同社独自のソリューションであり、守りの経理・財務部門から企業価値を向上する攻めの組織への変革を目指して立ち上げられました。 今回はAccounting Techの特徴や同ソリューションを用いたプロジェクトの具体例、また同組織において得られる経験とその後のキャリアパスなどについて、取締役COO 石原弘貴様、Accounting Tech事業部 シニアコンサルタント 呉陽子様にお聞きしました。
- 目次
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- グローウィン・パートナーズの概要
- 「M&Aや経理・財務領域のDX推進」等の経験を買われ、OBには上場企業の執行役員や有名ベンチャー企業のCFOとして活躍される方も多い
- Accounting Techのミッションは、ITを軸に経理・財務部門を改革するだけに留まらず、バックオフィス部門を経営参謀としての組織に変えていくことにある
- Tier1を目指す中堅上場企業を中心に、DX推進の提案~実務への落とし込みまでコミットできる
- 世界シェアTOP5の数千億円企業の社長直轄プロジェクトにおける、経営企画及び経理・財務を中心としたバックオフィス部門のDX推進プロジェクトなども手掛けている
- ベンチャー気質の為、「新しい分野にチャレンジしたい」という前向きに挑戦する強いマインドが求められる
- 今後は、Financial Advisory事業部とAccounting Tech事業部のコラボレーションの強化に取り組みたい
- グローウィン・パートナーズ株式会社 求人情報
グローウィン・パートナーズは、国内外の数々の実績に基づき、「ワンチームで成功するM&Aを支援する」Financial Advisory業務と、「会計×IT×戦略で、経理・財務を中心としたバックオフィス部門のDX推進を支援する」Accounting Tech Solutionに強みをもつ、経営参謀のプロフェッショナルチーム
江口
まず初めに御社についてご紹介いただけますでしょうか。
石原様
グローウィン・パートナーズは2005年8月に設立されました。監査法人出身のメンバーにより立ち上げられたため、当初は「財務・会計に強みを持つコンサルティングファーム」として成長してきました。近年は、金融機関出身者、ITコンサルティング会社出身者、事業会社のCFOや経営企画部門出身者なども積極的に採用することで、CFOやCIO、そこに紐づく経営企画部門や経理部門、財務部門、IT部門への戦略面から運用面までをワンストップで支援し、経営参謀のプロフェッショナルチームとして、お客様の経営課題を解決しております。
また、現状は、Financial Advisory業務及びAccounting Tech Solutionによるコンサルティング事業が中心となっておりますが、コンサルティングを一つの事業としつつ、それ以外のビジネスも手掛ける事業会社として発展させていきたいと考えています。
江口
主な事業について教えていただけますか。
石原様
4つの事業があり、まずはM&A戦略の立案などのFinancial Advisory事業。最近ではM&A WORLDWIDEというグローバルのネットワーク(39か国 38ファームが加盟)にも加盟し、アドバイザリー案件の50%ぐらいが海外プロジェクトになりました。
次に、呉が所属するAccounting Tech事業です。経理・財務部門を中心に、組織改革やIT導入、業務プロセス改革、働き方改革など、お客様の実情に合わせて、コーポレート部門全体の生産性向上を目的としたDX推進支援をしています。Accounting Techとは、経理・財務を中心としたバックオフィス部門の生産性をITソリューションで変革し、守りのバックオフィス部門から企業価値を向上する攻めの組織へと成長させる一連のソリューションとして商標登録もしております。最近では、経理・財務部門の枠を超えてバックオフィス全般の支援も強化しております。
3つ目が、Venture Capital事業です。ベンチャーに投資をして株式価値を高めるといった形での支援を行っています。前述のFinancial Advisory事業部とAccounting Tech事業部に裏付けられた信頼により、多くの投資候補先に巡り合えております。
最後が、人材紹介業(Recruitment Solution)です。経営の悩みは人の悩みといっても過言ではありません。特に、上場を目指すベンチャー企業においては、マネジメント層の人材が不足しています。Venture Capital事業はベンチャー企業との関わりが強いので、自然とベンチャーで働きたいという人が集まってきますし、大手企業のマネジメント経験者とも多く出会いますので、多くの優秀な方々をベンチャー企業へ橋渡しをすることが可能です。また、最近では、大手企業もベンチャー企業出身者を欲しているため、ベンチャー企業で働いていた方の大手企業への転職を支援する機会も増えております。
江口
ありがとうございます。石原様と呉様の経歴について聞かせてください。
石原様
私は元々、監査法人トーマツに会計士として入社しました。仕事に不満はなかったのですが、監査というのはどうしても過去を見る仕事になります。クライアントはすでに新年度に入っていて、決算は済んだ後に関わるわけです。そうしたギャップから、お客様と同じ時間軸で話をしたいと思うようになり、5年目に退職しました。
転職しようと思っていた当時、弊社CEOの佐野に出会いました。その頃は弊社も設立から3期目が始まったばかりで、社員も5人しかいませんでした。ただ、「これから一緒に会社をつくっていこう」というベンチャーの雰囲気が魅力的で2007年に入社しました。
初めはM&Aに関する各種アドバイザリーやトランザクションサービスを経験した後に、2010年にグローウィン・パートナーズ・アカウンティング㈱を設立し、その会社の代表取締役に就任しました。現在はグローウィン・パートナーズ㈱のCOOとして事業部門全般と経営企画・管理部門を統括しています。
石原弘貴様
江口
呉様の経歴も教えていただけますでしょうか。
呉様
以前はERPパッケージ製品の大手ベンダーに勤めていました。最初に配属されたのは導入コンサルタントの部署で、人事部門のお客様に自社製品をご利用頂くための業務整理・機能説明・設定支援を担当しました。6年ほど経って、もっとできる仕事の範囲を広げたいと思い人事部に異動いたしました。
研修企画や評価システム導入など様々な仕事にチャレンジさせて貰い「人材」という観点から会社を見てきましたが、資金やモノの動きは正直全く分からない。コーポレートしての今後や人事企画を、人材の視点でしか考えられない。もっと広い視点でビジネスを見られるようにならないと、今のままでは将来行き詰まってしまうと感じ、10年目に武者修行に出る気持ちで退社しました。グローウィンに出会ったときに「ここは面白そうだ」と感じましたね。
呉陽子様
「M&Aや経理・財務領域のDX推進」等の経験を買われ、OBには上場企業の執行役員や有名ベンチャー企業のCFOとして活躍される方も多い
坂本
M&Aアドバイザリーや企業のDX推進を支える財務経理部門の業務プロセス改革や働き方改革、ITソリューションの導入による生産性改革をという点に強みを持っているとのことですが、御社の経験を活かしてCFOや執行役員管理部長、経理マネージャーとして転身される方も多いようですね。
石原様
私をこの会社に誘ってくれた先輩は、退職後にペット保険を扱う上場会社で財務部長、経営企画部長、CVC社長に就きました。
その後は、フィンテック系ベンチャー企業のCFOになり、直近ではユニオンテックのCFOとして活躍しています。
また、大学卒業と同時に創業1年目で入社していたメンバーは、退職後に体育会系人材の就職支援を手がける会社に入って、執行役員管理部長になっていますし、大手上場企業の経理マネージャーや、上場ベンチャーの執行役員企画部長など、CxOやマネジメントへの道を歩む人材が割と多いのではないでしょうか。
Accounting Tech Solutionを立ち上げたメンバーも、同事業部の部長を務めたのち、起業してHRコンサル及びHR Techの企業を経営し、今でも当社のパートナーとして支援してくれています。「経営参謀を生業としている」「財務諸表や経営管理数値を作るところから関われる」「手を挙げれば新規事業やサービスも立ち上げられる」「CFO管轄のコーポレートに限らない経営支援のため、CIOやCTOへの支援も経験できる」など大手・ベンチャー問わずCxOとしてのスキル・マインドが鍛えられたという声を聞くケースが多いですね。
そもそも、会計とITは事業会社でもコンサルティングファームでも別軸の部門・ソリューションであることが多いですが、Accounting Techという名前の通り両方が交わる部分を攻めるため、特に昨今のDX社会においては希少価値が高いのだと思います。
江口
なるほど。そのような特徴がある中で、呉様が実際に仕事の中で得られた成長の実感を教えていただけますでしょうか。
呉様
まず、実感としては「視野が広がったな」ということですね。先ほどもお話しましたが、以前の仕事の領域が導入コンサルだろうが、人事だろうが限定的だったのに対し、今の仕事はかなり扱う情報のフィールドが広くなりました。
上司は私の考えや希望を踏まえて、プロジェクトを考えてくださっています。具体的には、私の経験を生かせる業務をこなしながら、経理の現場が分かる案件や戦略を考えていくプロジェクトにも携わるという形ですね。
その結果、コーポレートの人たちは今まで何を考えていたのか、経営層で何が起こっているのか、また、今後何が起ころうとしているのかということをお客様やアライアンス先の方たちと一緒に考える機会を多く与えられました。これには感謝しています。
江口
領域を広げるということは、当然未知の領域にジョインすることにもなりますが、苦労はありませんでしたか。
呉様
前職の知識ではどうにも太刀打ち出来ない事も多く、その分キャッチアップが大変なのは事実です。
ただ前職では、資金やモノの動きを知ろうと思ってもどんな事から手を付ければいいか分からない状態でした。そこから比べると、プロジェクトにアサインされれば嫌でも調べるべき事柄がはっきりしてくるので、着実に前に進めている実感が持てて面白いですね。
Accounting Tech? のミッションは、ITを軸に経理・財務部門を改革するだけに留まらず、バックオフィス部門を経営参謀としての組織に変えていくことにある
坂本
Accounting Tech? Solutionは御社のもともとのサービスではないとお聞きしました。立ち上げの経緯から教えていただけますか。
石原様
これには会社設立の経緯が少々関係します。代表の佐野が2005年に前職のCFOを辞める際、自らのCFOの経験を活かしつつCFOのサポートができる経営参謀を生業とした弊社を起業しました。その際に諸所の事情からその会社の経理部門をグローウィンにスピンアウトすることになり、設立と同時に同社の経理部門のアウトソーシングも行うことになったのです。
ですから、最初は数名の会計士を中心にM&Aアドバイザリーを行いつつ、経理のアウトソーシングや経理部門に関わるExcelの改善などを業務の中心としていました。
江口
経理のアウトソーシングなどの支援は、母体となった会社以外からも依頼はあったのでしょうか。
石原様
経営者から見ると、経理などバックオフィスは間接部門でコストセンターです。今後の人手不足も考えると、「外に出したい」と思う経営者は必ずいます。
そこで、経理部門を引き受けて業務をさらに改善していくことを目的にしたアウトソース会社を2010年11月に設立しました。それがグローウィン・パートナーズ・アカウンティングという会社で、私が代表でした。
しかし、誰よりもどの会社よりも経理や会計の知識や業務改善のノウハウを身につけることは出来るのですが、上場企業の経理のアウトソーシングをやっていると決算期が重なります。そのため繁忙期はとても大変で、社員がかわいそうでした。これを続けても成功はしないなとも思いました。
また、当時はまだRPAなどはなかったのですが、テクノロジーの進化によって業務の自動化が進んでいくだろうと予想はつきました。そこで経理・財務部門を中心としたコーポレート部門にCxOの視点を持たせ、経営の一翼を担えるような存在に変えていく。そうしたサービスを提供していきたいという思いを持って、Accounting Tech? という事業にシフトしていきました。
江口
Accounting Tech?というソリューションは商標登録もされていますが、元々はどなたが始められたのでしょうか。
石原様
Accounting Tech?を作ったのは、実は2015年からスタートした新卒採用1期生を中心とした新卒メンバーたちでした。 経理の人たちはいつも忙しいので、彼らが経営参謀になるには働き方を変えていかないといけないという課題感がありました。
そこで、会計にテクノロジーを組み合わせてバックオフィス部門を改革していこうという思いでできたのがAccounting Techです。その新卒たちがRPAの導入サービスや、ペーパーレス領域のコンサルティングなども立ち上げました。
坂本
Accounting Tech事業部でも領域ごとに担当が分けられているのでしょうか。
石原様
事業部内には3つの部門があります。
一つがセールスプロモーション部といって、セミナーなどを開催してファーストタッチを図る部隊。
もう一つがビジネスプラットフォーム部ですが、もともと経理のアウトソーシングをやっていた部署で、当時よりスリム化しておりますが、旧来からお手伝いさせて頂いている大手のお客様を中心に担当しております。
もう一つがコンサルティング部です。同メンバーが中心となって、コンサルティング業務を推進していきます。コンサルティング部の中には、ITを中心にするユニット、ぺーパーレスサービスを中心にするユニット、RPAを中心とするユニット、総合的な支援を行うユニットなどに分かれておりますが、案件の目的によって、実際のプロジェクト進行においては、ユニットをクロスしてアサインされます。
江口
特定の業務に偏らず、さまざまな経験ができるのでしょうか。
石原様
その通りです。最初は経験のある分野で活躍してもらいますが、進んで手を挙げた人には希望の案件を担当させることが多いです。
「会計をやりたい」という別領域の出身者も何人かいますし、呉も「自分がやったことがないことをやりたい」と言って手を挙げたので、アライアンスを担当させています。
江口
どのようなバックグラウンドをお持ちの方が多いのでしょうか。
石原様
呉のように製品ベンダーの出身者が6〜7人。ITコンサル系も7〜8人いるでしょうか。あとは会計士。上場企業のバックオフィスは内部統制の課題に関わりますので、ディスクロージャーやJ-SOXなどへの対応を含めて7、8人です。
そのほか「経理をやっていたが、改革する側に回りたい」という人や、「上場企業で人事をしていた」というコーポレートサイドの出身者が3割ぐらい。 中途採用者だとおよそですが事業会社が3割、ITや製品ベンダーの出身が4割、会計士が2割といったところでしょうか。 また、元国税調査官もいます。その経歴から「世の中になぜこんなに紙があるのか。紙があるからいけない」という強い想いがあり、ペーパーレス事業を中心に活躍してもらっています。
Tier1を目指す中堅上場企業を中心に、DX推進の提案~実務への落とし込みまでコミットできる
江口
御社のAccounting Tech?がクライアントから選ばれる理由や、強みはどういったところにあるとお考えですか。
石原様
私たちのメインの相手先は、上場企業で言うと中堅・ミドルの層。まだTier1とは言えない企業様です。 Tier1の企業には、たいてい大手コンサルティングファームが関わっています。反対に、大手コンサルティングファームは社内規定や予算の関係で中堅・ミドル層にまで提案はしません。
一方で、これまで新興上場ベンチャーとして中堅企業に成長するまではなんとなく上手くやってきた会社がTier1へと成長していくには、海外展開にも本腰を入れ人材やインフラを一度全部壊して再構築しなければならない。 ところが、大手コンサルティングファームは儲からないからそういう企業層はあまり対応してくれません。そこで、ベンダーに依頼しても自社システムの提案しかなくプロセス変革や人材リソースの再配置などに関しては相談できないのです。
その点、私たちはバックオフィスを中心に運用までやっていたという経験がありますから、実務面に詳しく製品ベンダーやSIerとのリレーションも豊富にあります。 「経理、財務と言えばグローウィン」と直接使命がかかるところまではあと少しですが、「グローウィンという会社があるよ」と名前を挙げていただけるところまでは確実に成長して来ました。
江口
企業様からは、どのような声が聞かれますか。
石原様
社長やCFOからは「大手コンサルティングファームに高い費用を払っても、あるべき論の提案は出てくるが、現場に落とし込むところまではやってくれない」という声をよくお聞きします。提案をいかに実現するのかが重要なのですが、導入フェーズは手離れも悪く、儲からないからそこまではやらないことが多いようです。その点、私たちは実務に落とすところまで泥臭くやります。そこを気に入っていただけているようです。
江口
呉様は以前別の会社にお勤めだった分、より御社の良さややりがいを実感されているのではないですか。
呉様
以前の会社では、自分の担当する製品と仕事の領域が決まっていて「自分たちの領域の外には出ない」という雰囲気でしたね。 私は人事や給与の分野を担当していましたが、時には会計など他部署と連携しなければならないときもあります。そんなときも、「このデータまでは我々で作成しますから、後は担当者同士で相談してください」といった具合で、自社のソリューションが直接的に関わるフェーズまでしか責任を持ちませんでした。
その点、弊社は良くも悪くも決められた領域がなくお客様の話を全部聞くことができます。そのため全体像を考えて、どういったプロセスがベストなのかといった明確な提案ができるのだと思います。そこはとても面白く、やりがいを感じます。
世界シェアTOP5の数千億円企業の社長直轄プロジェクトにおける、経営企画及び経理・財務を中心としたバックオフィス部門のDX推進プロジェクトなども手掛けている
江口
最近企業様から依頼の多いテーマとしては、どのようなものがありますか。
石原様
直近で、Accounting Techが求めてきた理想といえる案件に取り組んでいますので、紹介したいと思います。
世界シェアTOP5の数千億円規模の上場企業なのですが、新たに抜擢された若手の社長から直々に「改革をしたい」というご相談をいただきました。 社長は「今後、既存ビジネスだけでは、生き残れない」と考えており、DXの流れに乗って事業を見直していくとの目標を掲げておりました。
しかし、実際にやってみようとしても、組織が機能別に完結しているので横の連携が取れない。また、古参メンバー中心に会社を変えていこうと掛け声をかけても、なかなか前に進まない。それどころか、突然デリバティブ取引で予期せぬ損益が出たり、現状のビジネス前提のまま数10億単位のIT更新投資の話が出たりする。 社長は「現状を変えずに、巨額のお金をかけてシステムだけを更新するのか?」と驚くわけです。
江口
社長のところに必要なデータが上がってこないし、どこから手をつればよいのか分からない、という状態ですね。
石原様
まさにその通りです。それに対して、私たちはまず取引先の社長に「そもそも会社としてどの方向に進み、そのためにどのようなデータを見て、どのような分析と判断をしたいですか」と問いかけるところから始めました。そして、それを私たちが可視化してプロセスに改善が必要な点が見つかれば提案を行い、機能別になっている組織の運用に問題があれば組織の変更を含めて提案していくといったプロジェクトになっています。
江口
システムの導入も含めて検討なさるのですか。
石原様
もちろんやります。しかしシステムはただの手段です。 我々は基本的に、コーポレート部門はどうあるべきかという戦略面から入ります。 社長も「コーポレートのバックオフィスの人たちに経営参謀になってほしい」とおっしゃっています。 しかし、こうした部門で長く働いている人たちは仕分けや過去のデータの集計作業は得意な一方で、新しいことが苦手ということが多いのです。
ですから、今後の自動化の進展や会社の将来像のような話をしてまずは意識を変えていく。
それから分析ができるようスキルを上げ、次にそれを生かして参謀として自分からアクションを起こせる人材に育てていく。そういうコンサルティングがAccounting Techの目指す方向です。
江口
呉様が現在携わられているプロジェクトについても教えていただけますか。
呉様
今は3種類のプロジェクトに携わっています。1種類目がさまざまなベンダーとの連携です。弊社とベンダーがコラボレーションする事で、お客様にどのような価値を提供していくのかという協業のコンセプトづくりを行っています。
2種類目が、ペーパーレスや電子帳簿保存法への対応です。「何から始めて、どういう方式で進めればいいのか分からない」といったお客様に対して、実情や対応のイメージなどをお聞きして、具体的な提案を行っています。 あとは、実際の申請書やペーパーレス化後業務フロー図の作成といった支援をパッケージとして提供することもしております。
3種類目は、IT戦略のコンサルティングです。現在のシステムやデータの連係、活用方法などを検証し、経営陣の要望に合わせて今後のシステム戦略を提案いたします。
江口
プロジェクトの期間や関わる人数は、どの程度の規模になるのですか。
石原様
小さなプロジェクトだと2、3人で、大きなものだと4人から6人です。 1,500億ぐらいの上場会社で経理部門全体を見直すというプロジェクトを、今やっているのですが、この案件ではシステムの更新や経理の外注化体制の構築支援も含めて10人ぐらいが関わっています。これは割と多いほうですね。
江口
大手のように何十人もの大がかりなチームを組むことはないのですね。
石原様
そうです。システムを開発するわけではないので。開発はSIerやベンダーと組んで対応します。私たちの役割は「将来何をしたいのか」を明確にし、それを実現するための手段や道のりを提示することです。 システムの開発が必要なら、私たちがRFPをつくってSIerやベンダーにお願いします。ただ、導入の際にはPMOとして支援を続け、システム開発部隊のコントロールを行います。そして、開発が終わった後は会社の運用に根付くまで実務面をサポートするのが当社の特徴です。
ベンチャー気質の為、「新しい分野にチャレンジしたい」という前向きに挑戦する強いマインドが求められる
坂本
プロジェクトをアサインメントする際、「手を挙げる人がいれば」というお話がありましたが、常にチャレンジできる環境なのですか。
呉様
お客様から案件をいただかなくては何も始まりませんから、いつもチャンスがあるわけではありません。
弊社のような規模の会社では、やはり全員が前に出て行く強い気持ちを持っていないと物事は進みません。 ですから、「希望をかなえる」という目的のためだけでなく、普段から積極的に自分をアピールする姿勢は必要だと思います。
石原様
主張することは重要です。受け身な人はチャンスを逃しているかもしれませんね。
江口
それがコンサルタントのあるべき姿でしょうね。採用の際は、そうした気持ちや姿勢も重視するのでしょうか。
石原様
まずは「新しいことに飛び込んで自分でゴリゴリやっていきたい」という人が、弊社にはふさわしいでしょう。 逆に、高いスキルがあって経験が豊富な人でも、私たちの「成長と成功」という理念を共有できない人は採用しません。
もちろんスキルがあって理念を共有できる人が一番ですが、スキルと理念のどちらを取るかといえば、理念やマインドです。スキルは後からでも身に付けられますから。
マネージャーであれば、ベンチャーの環境に飛び込んで新規事業や部門を立ち上げる等の新しいチャレンジに取り組みたい人、メンバークラスでも会計・ITを軸に将来新しいビジネスに取り組みたい人を求めています。
今後は、Financial Advisory事業部とAccounting Tech事業部のコラボレーションの強化に取り組みたい
江口
Accounting Tech事業部の成長戦略について、どのようにお考えでしょうか。
石原様
先ほどもお話しましたが、中堅・ミドル層、売上高数100億から5000億円規模の会社向けのサービスですね。全てがそこに向かっていきます。コーポレートをどうやっていくのかという大きな戦略から入って、手段としてIT導入やプロセスの見直し、業務改革などを手がけていくという形です。 事業領域がアカウンティングだけではなくなったので、部門を分けたり名称を変えたりしても良いかなとも思っています。仮に部門を分けても、専門化するのではなく、クロスしてやっていきたいと考えています。
ペーパーレスだけを突き詰めてガンガンやっていく部門があってもいいし、10億円規模の案件を受注する事業部門が1個あってもいい。肝心なのはCxOとしてコーポレートを中心としたDX改革を推進できる人材を育てられる組織にしていくことです。
江口
Accounting Techを御社の強みにしていくということでしょうか。
石原様
M&Aの支援から始まり、買収した会社をどのように創り直していくかというところをAccounting Tech?に落として、実行していく。この部分を会社としてコラボレーションできるのが、私たちグローウィンの一番の強みだと思っています。
M&Aだけ、コンサルティングだけという会社が多い中で、私たちは両方の部門を同じくらいの規模で持ち合わせており、具体的な運用にまで落とすことができます。 PMIという領域で、攻めのM&Aから、会社をどのように創り直していくかというAccounting Techまで、お客様の成長と成功をご支援していくのが私たちの役目です。
最近はM&A案件が海外で増え、日本企業もグローバル化しています。それに合わせAccounting Tech事業部も3年以内には海外に展開していかなければいけない。これも課題です。
江口
最後に、御社を目指していらっしゃる候補者様へメッセージをお願いいたします。
石原様
新しい世界を自分でつくりたい人。誰かに言われてやるのではなく、自分から新しいことに挑戦していきたい人をお待ちしています。絶対に弊社で成長できるはずです。 新しいことにチャレンジし、自らの力で市場をつくりましょう。
呉様
今のグローウィンだからこそ、チャレンジできることがあります。自分の強みを生かしつつ、領域を広げたいという思いがある方にとって最適な環境です。 挑戦する気持ちを持ってぜひ一緒に頑張りましょう。