「UPGRADE JAPAN」をミッションに掲げる株式会社JDSC。個社最適のコンサルティングではなく、各産業のリーディングカンパニーとタッグを組み、産業全体の変革、そしてUPGRADEを目指します。
今回お話を伺ったヘルスケアユニットも、医療現場における効率改善や介護予防に資する事業を展開。ヘルスケアユニットの南友莉恵様、成澤翔大様より、お二人が考えるJDSCの魅力からヘルスケア業界の課題、ヘルスケアユニットの業務内容、今後の展望をお聞きしました。
株式会社JDSC ヘルスケアユニット 南様、成澤様のご経歴
祝
まずは、ご経歴から教えていただけますでしょうか。
南様
東京大学法学部を卒業後、戦略コンサルティングファームのドリームインキュベータに入社しました。その後、フィンテック分野のベンチャー企業AnyPayに転職し、ブロックチェーンビジネスの事業推進に携わりました。2019年2月に創業間もないJDSCに入社し、AIソリューションの事業企画や、PoCから開発、導入までをリードをするプロジェクトマネージャーの仕事やDXコンサルティングを行っています。現在はヘルスケアユニットをリードしています。
また、プライベートでは2020年3月と2022年6月に出産し、2回の産休育休を取得しています。2回目の復帰から1年ちょっと経ちました。
祝
JDSCに転職したきっかけをお聞かせください。
南様
前職ではブロックチェーンビジネスを手掛けていましたが、技術面でのボトルネックが大きく、また法規制など社会の方が新技術に追いついていなかったため、ビジネスパーソンである自分に活躍できる余地が小さいと感じていました。一方、AI業界は社会実装の部分に課題が大きいフェーズだったので、付加価値を生み出せるのではないかと考えるようになりました。そうしたなかで、知人の紹介でJDSCに遊びに行き、CEOやCOOと話をする機会を得たのです。当時はまだ社員数が1桁しかおらず、会社も雑居ビルの中にあり、いかにもスタートアップ初期という雰囲気でした。
祝
転職先を検討するにあたって、他社との比較はされませんでしたか。
南様
もちろん、比較はしました。同業種も受けましたし、前職で関わりがあった企業や友人が立ち上げたばかりのスタートアップからお誘いを頂いたり。JDSCよりも小規模のベンチャー企業から、規模の大きな企業、外資系企業、日系大手企業まで幅広く検討しました。
意思決定するにあたって、最終的に自分が重視したポイントは「誰と働くか」でした。JDSCに遊びに行ってCEOとCOOと話している中で、上場時期についても話が及びました。トイレが男女兼用1つしかないような雑居ビルの一室で、「n-2が~」などと大真面目に話していて(※)、「この人たち、何を考えているんだろう」と驚きましたね(笑)。でも、彼らとの話はとてもエキサイティングで、この人たちなら本当にやれるのかもしれないと感じさせられました。結果的にその見極めは正しかったわけですが、後から考えると我ながらすごい判断だったと思います。
(※)IPO準備において、上場申請を行う期をn期として、その2期前をn-2と表現します。
祝
成澤様のご経歴もお聞かせください。
成澤様
私は2021年にインターンとしてJDSCに入社しました。当時は、IoT系のプロジェクトに携わりました。2023年3月に大学院の博士後期課程を修了したので、4月に正社員として正式に入社しました。データサイエンティストとしてヘルスケアユニットに所属し、フレイル関連のプロジェクトなどに関わっています。
祝
インターン先としてJDSCを選んだ理由、入社を決意したポイントを教えてください。
成澤様
実はJDSCの前にも別の会社でインターンを行っており、そこでもデータサイエンスを扱ってはいました。しかし、JDSCのような専業組織ではなかったため、よりデータサイエンスを専門的に行う企業で働きたいと考え、JDSCを選びました。
就職先を選ぶ際に重視したポイントは、3つあります。
まずデータサイエンスの専門組織があることです。自分にとってファーストキャリアでしたので、キャリアの大きな方向性を決めるという意味で、専門性の向上は重視しました。次は、境界領域ができることです。私はデータサイエンスだけではなく、データエンジニア方面にも興味を持っています。JDSCは会社として境界領域に携わることを推奨しており、扱える問題やデータの種類も幅広いので、多くの経験を積めると考えました。最後に企業文化です。インターン経験から、JDSCの企業文化が自分にフィットすると判断しました。
健康寿命の延伸と医療現場の効率改善を実現したい
祝
続いてお2人が所属していらっしゃるヘルスケア部門の概要を教えていただけますか。
南様
まずJDSC全体としては、データサイエンスとAIをコアにコンサルティング能力やエンジニアリング能力を活かし、世の中にインパクトを創出しています。そのなかでヘルスケアユニットは、ヘルスケア関連のソリューション開発もしくはヘルスケア関連企業様に向けたサービス提供を主に、コンサルティング活動やそれをソリューションに落とし込む事業開発を行っています。
ヘルスケアと一言で言っても、分野はとても広く、我々のような小さな会社のいちユニットにできることは限られています。
私が主にやりたいと考えている方向性は2つあり、1つ目が「健康寿命の延伸に資する事業」です。弊社が持つ介護予防ソリューションは、まさにこの方向性と合っています。2つ目が「医療現場の効率改善」です。昔から仲の良い友人が医師になったこともあり、医学部や医局をはじめ医療現場の非効率を耳にする機会は多くありました。また、自身の妊娠出産と子育ての中で医療にお世話になるシーンが増え、これは何とかせねばという思いを一層強めています。何らかの背景から同様の課題意識を持っている方は多く、仲間が集まってくるのは嬉しいですね。いくつか取り組みも開始していますが、簡単に見えることでも実現のハードルはとても高いですね。ここは長い目で、取り組んでいきます。
祝
医療現場の効率改善の難しさについて、詳しくお伺いできますか。
南様
医療現場と言うと旧態依然なイメージを持たれる方が多いと思いますが、弊社メンバー含む医師と話をする限り、大学病院や大病院では今でも多かれ少なかれその通りのようです。昔自分たちがそうだったからという論理で、若手の医師たちに非効率的なハードワークが強いられています。研修医をはじめとした若手医療従事者は、当たり前のように安価で夜勤や当直をさせられ、外部のクリニックの高単価バイトで生計を立てる歪な状態です。保険診療を主とする病院では、営利企業のように自分たちの努力次第で利益を上げていく構造ではないのも、構造的に効率化や改善へのインセンティブが持たれづらい一因かと思います。業績が良かったからボーナスが出るわけでも、活躍したから昇進して給料が跳ね上がったりするわけでもないですからね。また、診療報酬といった他ビジネス領域にはない仕組もDXを阻んでいると思います。たとえば何らかのシステム導入や工夫で診療時間が短縮された結果、診療報酬の点数が下がってしまうのであれば、効率化は進まないと思います。
医療業界にいる医師とビジネスが分断されているところも、課題の1つでしょう。昨今のビジネスマンは頻繁に転職しますが、医師の場合は高校2年生ぐらいで「医者になる」と決めてからずっと医療に従事する人がほとんどです。せいぜい勤務先の病院が変わるくらいでしょう。「ビジネスパーソンを経験し、30歳で改めて医学部に入りました」という人は稀にしかいません。そのため、ビジネス感覚を持っている医師や、医療の現場を知っているビジネスパーソンは少なく、これも効率化が遅れている理由だと思います。
そうした中、当社には医師免許を持つ正社員や、頻繁に意見交換ができる業務委託パートナーの医師がいます。彼らと一緒であれば、今までメスが入れられていなかった領域に切り込んでいけるのではと考えながら、日々頑張っています。
祝
成澤様が考える課題は何でしょうか。
成澤様
現在、私が直面している課題は、適切なデータの取得です。例えばプロジェクトでは、要介護一歩手前だが健康な状態に戻すことができるフレイルという状態の方のデータを扱っています。このデータを取得するためには、フレイルの人を見つけ、そしてデータ利用の同意を得る必要があります。データを作成する段階ですでに、非常に手間のかかる作業が多くあります。
「社会課題の解決」と「経済性」の両立を果たせるのがJDSC
祝
お二方から見た御社の魅力を教えていただけますでしょうか。
南様
社会性の高い取り組みに真っ向からチャレンジできるのが、面白いところですね。例えば、健康寿命の延伸は全人類が願っていることです。しかし、儲からないからビジネスにはなりにくいという課題があります。そこを当社では中部電力という視座の高いプレイヤーと組み、行政向けのサービスとしてリリースすることで、社会課題の解決と経済性の両立を果たそうとしています。
プロジェクト単位で高い収支を完結させないとといけないコンサルティングファームではなかなかやれないことだと思います。JDSCではコンサルティングもしつつ、事業会社らしいプレーもできるので、すごく面白いですね。
祝
コンサルティング的な役割と事業者としての役割の両方を担えるのですね。
南様
「結局、貴社はコンサル会社なの?何なの?」と聞かれることがありますが、「コンサルティングという技術を使っている事業会社」だと思います。私は、コンサルティングというのはあくまでもスキルで、Howの1つに過ぎないと考えています。例えば、サッカー選手は試合中のほとんどの時間を走っています。ボールを持っている時間はわずかです。それに対して「あなたの仕事は走ることですよね」と言ったら違いますよね。
我々もHowとして日々取り組んでいるのはコンサルティングワーク的なものも多いですが、コンサルティングを使って社会課題の解決に取り組むという自己認識を持ちながら事業を作っています。
成澤様
私の考える魅力は、さまざまな規模のプロジェクトがあることです。例えば小規模のプロジェクトを担当すると、アーキテクチャや問題設定をユニットでゼロから考えて、開発し、保守するというプロセスの一連のサイクルを何回も経験できます。これは個人のスキルアップを考えると、非常に良いことだと思っています。
一方、大規模なプロジェクトでは、小規模のプロジェクトとは異なるスタイルで、それまでの文脈に則って開発することが求められます。そうしたいろいろな規模のプロジェクトを1つの会社で経験できるのはいいことだと思います。
目指しているのは、複数の領域で専門性を高めた人材
祝
現在、お二方が個人として取り組まれていることをお聞かせいただけますか。
南様
私はJDSCの社員数が1桁の黎明期に入社し、あらゆることに取り組んできました。カルチャー醸成の仕組みを作ったり、それこそ研修を企画したり、パワポのフォーマットを作ったり(笑)、何でもやっていました。1年前にはビジネスとの兼任で採用責任者のポジションにも就いていました。我ながら器用に色々なところに手を出して総合力で勝負してきましたが、そろそろ30歳も過ぎたので、何かを極めることから逃げないと決意したところです。今期はヘルスケアユニットの売上責任とピープルマネジメントの両方を担う立場に就かせてもらいました。
初期のJDSCは経験豊富なシニアが多く、みんなが勝手に仕事を見つけて成果を出して行くような環境で、これはこれでとても楽しかったです。でも、組織が大きくなってきた以上、変わらなければなりません。プレイヤーとして自分一人でやれることには限界があるので、ユニットとして成果を出すということにチャレンジしています。
成澤様
関わっているプロジェクトの大半でデータサイエンティストとデータエンジニアの両方の領域に横断的に携わらせてもらっていますが、これらの領域に対して、もう少し専門性を高めたいと思っています。特に、ソフトウェアエンジニアリングの知識をもっと積極的に獲得して、この領域や仕事に還元していきたいと思っています。
祝
今後の展望を教えてください。
南様
当社は現在社員数が70人ですが、組織自体が拡大しているのでポジションはこれからいくらでも増えていくでしょう。コンサルティングファームでは、上が詰まっていてなかなか上に行けないという話はよく聞きます。当社はそれとは真逆で、上のポジションに就く人がたくさん必要な状態です。皆が強くなり、上がってほしいという状態にあるので、その状態を楽しみたいです。
ビジネスとテクノロジーとデータサイエンス、すべてを一定以上の解像度で理解している経営人材は市場価値が高いと考えています。JDSCには2、3つの領域を平気で扱える人材が何人もいるので、中長期的には自分もそういった人材になっていきたいと思っています。
祝
成澤様はいかがですか。
成澤様
現在私はフレイル検知のプロジェクトに主にかかわっていますが、将来的なビジョンとして、このサービスをなるべく多く広めてフレイルを早期に発見できる社会をつくりたいと考えています。先ほども紹介しましたが、フレイルは、介入によって健康な状態に戻すことができる、可逆性のある状態です。当社が特許を持つ電力データ解析によるフレイル検知AI技術は、中部電力からサービスとしてリリースされており、全国展開も可能だと考えています。
会社のリソースを利用して自己実現を図る人材が必要
祝
現在の組織における課題をお聞かせいただけますか。
南様
組織が小さ過ぎるため、1つひとつのユニットの人数が限られている点です。そのため、「もっとやりたいことがあるけど、人がいない」という状況になり、取りこぼしが生じてもったいないと感じています。私のユニットでも「データサイエンスのプロジェクトをやろう」という話になっても、「成澤さん、空いている? 空いていないね」といったやりとりが生まれています。
アサインの流動性を持たせづらいので、ユニットの人数を早く3倍、5倍にしたいですね。ユニットのメンバーが少ないと、他の部門やインターン、業務委託との調整に時間や労力、マインドシェアが奪われてしまうのは勿体ないので。
祝
求める人物像を教えていただけますか。
南様
上場して拡大してきたとはいえ、まだまだ小規模な会社なので、「何をやったらいいですか?」と尋ねるのではなく「自分で何かをやりたい」というプロアクティブな人が必要です。「大企業ではやりたいことができない、でも自分一人ではやれることに限界があるから組織でやりたい」「もし優秀な部下と一緒に仕事ができたら楽しい」。そんなマインドを持つ人に入社してもらえると嬉しいですね。会社に言われて仕事をするのではなく、自分がやりたいことをJDSCというリソースを使って実現したい人には向いている会社だと思います。
より具体的に言うと、ジュニアミドル層であれば、自分のなりたい姿に向けてJDSCでスキルや経験値を得る意欲がある方、シニア層であれば取り組みたいイシューが具体的に何かある方が望ましいと思います。
祝
最後に御社に興味を持たれている方にメッセージをお願いします。
成澤様
当社は現在、人数は足りていませんが、やりたいことはたくさんあります。楽しい環境なので、一緒にやりましょう。興味がある方は、ぜひカジュアル面談から受けてみてください。
南様
コンサルティング会社での経験を活かして新たな一歩を踏み出したい人、そしてコンサルティングだけではなく何か新しくやりたいと考えている人は、ぜひ当社で一緒にヘルスケアの未来を変えていきましょう。