KPMGコンサルティング株式会社(以下、KC)の Strategy & Transformationチーム(以下、ST)は、2024年10月の組織改編により、セクターやサービスライン別の組織構造から切り離して位置させ、戦略と変革の提供だけでなく、各分野に専門家を有する総合コンサルティングファームとしての強みを活かして、クライアントと共に議論を深める役割を目指す第二のフェーズへと走り出しました。
同チームの特徴は、CxOとの直接対話を通じて経営課題の本質を見極め、同社の他チームのみならず、KPMGジャパンを構成するあずさ監査法人、KPMGあずさサステナビリティ、KPMG FASなどのグループ会社とも連携しながら包括的なソリューションを提供する点、そして個々のメンバーの専門性を活かしながら業界の垣根を越えた課題解決を目指す点にあります。
今回は、組織を率いる執行役員 パートナーの青木聡明様、濱田知典様、胡原浩様より、組織改編の背景や、チームの特徴、求める人物像などについてお話をお伺いしました。
※2024年12月時点での内容です
戦略のプロフェッショナルが語る、KCを選んだ理由 ―これから成長していく組織で新たな挑戦を―
直江
ご経歴と現職に就かれた経緯、現在の業務内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
青木様
大学を卒業後、生命保険会社に4年間勤務し、その後他コンサルティング会社で経験を積み、2016年にKCに入社しました。その時はまさに戦略チームをこれから創り上げる初期メンバーを募集しており、自らがチームの一員として組織を創っていける点に魅力を感じ転職を決意しました。
KC入社後は主に金融業界のクライアントを担当していましたが、現在は事業会社やインフラ運輸会社、人材系企業など、幅広い分野での支援を担っています。テーマとしては新規事業が多いですが、中期経営計画の策定や、事業ポートフォリオ策定のプロジェクトにも従事しています。
濱田様
新卒でコンサルティング業界に入り、20年間この業界一筋で歩んできました。最初はバリュエーションなどのM&A領域からキャリアをスタートし、組織再編や経営管理などキャリアの幅を広げてきており、現在は戦略分野を担当しています。
以前の会社では社員が200人規模の時に入社し、熱量を持ったメンバーが集う環境で一丸となって組織を創り上げ成長させていく環境でのダイナミズムや面白さを感じたことから、成熟した組織よりも成長過程の組織で働きたいと考え、会社としても3年目で、戦略チーム立ち上げの話があったKCに2016年に転職しました。KC入社後は基本的にSTに身を置いていますが、9年間の経験の中で約4年間は自社の経営企画室をゼロから立ち上げて運用する活動にフルコミットしており、社長を含む経営陣と共に中期経営計画の策定や予算策定、KPIマネジメント、コロナ禍のリカバリープラン立案等に携わっていました。現在は製造業を中心に、事業ポートフォリオマネジメントの高度化や、新規事業策定、長期・中期経営計画の策定支援を主に行っています。
胡原様
電機メーカーのグローバル戦略推進本部でキャリアをスタートし、約5年半にわたりヨーロッパ、APAC、中国などへの海外展開や経営企画に携わり、その後外資系戦略コンサルティングファームへキャリアチェンジをしました。複数のコンサルティングファームを経験した中で、クロスボーダーやモビリティ関連、エネルギー関連などのグローバル展開のリードや、リードパートナーとして戦略部隊を立ち上げ、ストラテジー組織拡大に貢献しました。KCのボードメンバーと半年以上の協議を重ねた結果、これまでとは異なる次元の戦略の方向性や理念に共感し、それまでに取り組んできたストラテジー領域からの飛躍や新規の事業構想も見えてきたため、より大きな社会貢献かつ自己価値の実現ができるのではと考えるようになり、KCへの転職を決意しました。現在は日本企業の経営事業戦略全般、グローバルビジネス戦略やデータAI戦略を中心に担当しています。
CxOの真の戦略パートナーへ。経営課題の本質を見抜き、組織の総合力を結集
直江
チームの役割やミッションについてお聞かせください。
青木様
「CxOの壁打ち相手」と言えるかと思います。クライアントが抱える課題はさまざまある中で、その一部の解決だけを支援しても経営を動かすところまでは至りにくいです。会社全体の改革を促すには経営層との議論が必要不可欠ですし、世の中にインパクトを与えていくためには、経営に働きかけ、支援をしていくことで変革を促していく必要があります。CxOクラスと対面することでさまざまな議論ができるのですが、われわれは戦略チーム以外の領域も含めて幅広い議論ができることが必要で、今はそこにチャレンジしている段階にあります。議論の中で、会社の課題を広範囲で洗い出し、課題解決に必要な他チームやKPMGジャパンのメンバーファームの適切なチームにつなぐ役割を担っています。
濱田様
経営者から持ち込まれる課題を議論しながら解きほぐしてみると、課題の本質が当初の想定とは異なっていた、となることが往々にしてあります。たとえば、特定の経営管理手法を導入したいという相談があったことがあり、ただちに会計チームにつなぐこともできたのですが、その前にわれわれが介在する必要があると考えました。制度導入の手法論を考える段階で当該専門チームへつなぐことになりますが、クライアントのビジネスモデルを考えた時に、ただその手法を入れるだけでは、当該ビジネスの強みを減じてしまう動きを誘発する可能性がありました。個別手法論の前にそもそものビジネスモデル自体のマネジメントの在り方を考える必要があったのです。
KCには総合コンサルティングファームとしてさまざまな専門チームがありますが、縦割りではただのクロスセルになってしまう。それらを束ねて有機的に編み合わせ、クライアントにとっての価値と意義を向上させる役割がないと総合力は活かせないという思想で、課題の本質を見出すための壁打ち相手として企業の経営層と向き合っています。
直江
青木様がおっしゃった他チームとの連携や案件の振り分けが柔軟にできる背景についてお聞かせいただけますでしょうか。
濱田様
構造的な理由が2つあります。1つは当社が他のコンサルティングファームに比べ後発で始まり、当初は人材が限られていた中で、必然的にコラボレーションが不可欠だったという点です。私や青木も含め、その時期から在籍しているメンバーが多く、コラボレーションを前提とした環境・マインドで進めてきました。
もう1つは、組織単位のP/L上の利益を社内で競わせるという仕組みを採用していないことです。コラボレーションを促進し、クライアントにとって最適の提案を行うために、そのようなKPI設計は意図的に避けています。
コラボレーションはどのコンサルティングファームも謳っていると思いますが、KCは実際にこのような背景と構造があり、明確な意図を持ってコラボレーションが生まれる仕掛けをしています。たとえば、現在私が携わっている案件では、ST以外の専門性も多く必要であるため、STよりも他チームのメンバーが多いような座組を前提に話を進めるというケースもあります。
青木様
実際の運用でも、KPMG FASやあずさ監査法人などとの相談や知見の共有が日常的に行われていたり、KC内でも部門を超えた議論やジュニア層がパートナーに直接相談することも珍しいことでなかったりと柔軟な連携が可能な環境が整っています。
直江
コラボレーションが効果を生んだ具体的なプロジェクト事例についてもお話しいただけますでしょうか。
濱田様
個人的には、最近KC内のサステナビリティチームとの協働が増えています。たとえば、中期経営計画の策定でも、ビジネスの視点だけでなく、非財務価値や社会価値への向き合い方が不可分になっています。新規事業や事業ポートフォリオマネジメントでも同様に、不可分な検討要素となっています。もちろん、どちらが主従という関係ではありません。ビジネス面を戦略チームであるSTが、非財務・社会価値面をサステナビリティチームが補強し、1つのチームとして取り組む形が出てきています。
青木様
サステナビリティチーム以外にも、社内のAIチームと連携し、新規ビジネスの検討から一緒に取り組むケースも増えています。たとえば、マッチングビジネスを展開する企業で、従来の人の発想や過去データからの示唆に頼らず、AIを活用して新規ビジネスの提案ができる仕組みを構築したプロジェクトがありました。また、会社の分社化プロジェクトでは、戦略面はわれわれが担当し、法的スキームはあずさ監査法人の知見を活用しながら、協働で提案を行っています。グループ内の他のエンティティとの連携をここまで円滑に進められる背景には、連携をすることで価値を生むという認識が共有されていることにあると思います。目先の利益を追求するのではなく、クライアントの真の成長を支援するためにできることを追求し、KPMGジャパンとしての総合的な価値提供を重視しているからこそできることですね。
トップダウンで切り開く新領域、CxOとの対話から始まるアカウント戦略
直江
アカウント戦略について、御チームの役割をお聞かせいただけますでしょうか。
濱田様
期待されている役割は2つあると考えています。
1つは新規のクライアントとの関係構築です。新規クライアントの場合、どのような課題を持っているか、何を大事にしているのかなど、対話を通じて明確にしていく必要があります。もちろん、戦略のみならず組織、ファイナンス、業務オペレーション等が幅広く絡み合う課題を持っている場合もあれば、何を優先課題として取り組むべきかといった段階の場合もあります。このようなケースの場合は、戦略のみなどの単体の専門知見ではなく、経営機能全体にわたる知見と勘所が求められ、それらを総動員しながら課題を明確化します。
もう1つは、上記とつながるのですが、CxOとの対話を通じてトップダウンでイシューをデザインし、ST以外のチームを含むKC内のコンサルティングテーマを展開する役割です。申し上げた通り、企業が抱える課題感は幅広く、必ずしもSTがデリバリーを行うことが最適ではないテーマの優先度が高くなることはあります。その場合は、STと他のチームを組み合わせて体制組成する、段階が進むと徐々に別チームにシフトさせていく、ということも求められます。STのビジネスのためだけに動くのではなく、クライアントのニーズにこたえるために専門性を編み合わせる、つまり、戦略だけでなく経営全体を見渡して、伺った話を要素分解し、要素同士をつなげていくイシューデザインをしなければならない立場です。
青木様
会社としては、アカウントも広げていかなければいけませんし、深めていく必要もあります。実際に濱田が言うような活動面でも、今期かなり変化があり、CxOや執行役員クラスの方々と、こちらから議論をしにいくという活動を増やしています。これまでコンタクトが少なかった企業や、ビジネスライン、企画ラインとの接点が弱いクライアントに対して、自ら出向いて議論をさせていただき、課題感を把握するという活動を、今期は従来以上に行っています。
胡原様
コンサルティング業界においてKCがトップランナーとして走れる領域を複数実現していきたい。また、CxOアジェンダは時代の潮流により移り変わるものですが、常に最前線で支えられる長期的な戦略パートナーでありたいと考えています。業界特有の戦略課題の解決を狙い、面でより高い付加価値を提供できるKCの環境を活かして取り組んでいます。
グローバルでのライドシェアや電気自動車の普及、自動運転などモビリティ環境変化の影響を受け、日本国内でもモビリティ関連のさまざまな課題が発生しています。たとえば、全国の自治体では、ライドシェアをはじめとし、モビリティの基盤作りや、デジタル通信、隣接する自治体との連携、スマートシティ全体のデザインなど、多岐にわたる課題があります。KCは多くの自治体での実績とケイパビリティを持っていますので、トップセールスという形で展開できるよう活動しています。
また、クロスボーダーの分野では、東南アジアや中国におけるトップレベルのICT業界との連携を進めています。約5万社の会員を持つグローバル組織と協力し、日本企業の海外進出支援を行っており、先日も1000人以上のCxOが参加するオンライン講演会を実施するなどグローバルにおけるトップレベルの業界団体と連携することで、より実現性の高いグローバル戦略~アライアンス戦略の立案や具体的なアクションに直結させることができます。
私はもともと、データAI戦略、サステナビリティ経営とグリーン成長戦略を中心に推進していくことを考えていましたが、入社後にKPMGのグローバルネットワークの優位性を活かし、クロスボーダー案件の可能性を見出しました。現在は日本企業のグローバルビジネス支援や、グローバルな経営アジェンダについて、CxOの方々と対話を重ねています。半導体材料のハイエンド領域を例に挙げると、日本企業が世界トップシェアを持っているものの、韓国や中国メーカーが急速に成長してきたため、勝ち続けてきた日本企業はこれまでにないグローバルマーケットの競争環境に直面しています。従来の市場戦略の枠を越えて、資本戦略やイノベーション戦略など、より本質的な解決策を検討しています。
日本のIPコンテンツ産業は、国家戦略の1つとして位置づけられており、さらなる成長余地のある分野だと考えています。グローバル展開の攻めのベクトルだけではなくIP知財戦略としては守りも重要となりますが、リスクマネジメントはKCが最も強みのある分野として認知されているところでもあります。この強みを活かしながら、領域のトップレベルにある協業パートナーと連携して海外展開支援を行います。
戦略コンサルティングの新機軸、業界の枠を超えた専門性重視の組織へ
直江
2024年10月よりSTチームをKCの中で、職位を独自なものに変更されたと伺っております。戦略コンサルタント職種の新設の背景についてお聞かせいただけますでしょうか。
濱田様
以前のSTチームは、セクター(業界)別の組織構造でしたが、より柔軟な組織体制へと移行しました。
この変更の背景には、2つの狙いがあります。
1つは、個々のメンバーが持つ専門性を最大限に活かすことです。セクターに強みを持つメンバーも、複数の業界に横断的なコンピテンシー知見を持つメンバーも、それぞれの強みを活かせる組織を目指しています。
もう1つは、マーケットニーズにより柔軟に対応できる体制を構築することです。業界の垣根を越えた課題に対しても、チームの専門性を組み合わせることで、的確なソリューションを提供できるようになっています。
こうした新しい組織体制により、注力したい領域やマーケットニーズのあるところに、より柔軟かつスピーディーに対応できるチーム編成が可能となっています。
直江
職位の名称変更の理由についてもお聞かせいただけますでしょうか。
濱田様
マーケットに対して、セクターとサービスラインのどちらにも属さない位置づけであり、業界やサービス横断で経営者と向き合う役割であることを明確にするという意味があります。また、戦略コンサルティングファーム出身者をきちんとマーケットから呼び込むためにも、戦略チームとしての社内の位置づけを明確にしたいという思いがありました。 ただ、これはわれわれとしても覚悟が必要です。チャージレートも当然変わってきますので、それに見合う価値を提供しなければなりません。新たなミッションのもと、テーブルが変わるということは、しっかりと価値を発揮するという覚悟を示す意味でも、この職種を新設したという背景があります。
「待つ」から「創る」へ。マネジャーの裁量と挑戦を重視する組織風土
直江
マネジャーやシニアマネジャー*1にとってのやりがいについて、特に自ら将来を見据えた立ち位置が作れる環境や、ホワイトスペースを埋めていける点について、お聞かせいただけますでしょうか。
青木様
マネジャーとシニアマネジャーは、クライアントと最もコミュニケーションを取る立場であり、そこで存在感を示してもらいたいと考えています。当社はまだ成長途上であり、マネジャーやシニアマネジャーにも、きちんとクライアントに認知され、対面し、仕事を作っていくことを期待しています。自らそういった機会を作っていきたい方、下位メンバーを育成して将来自分のチームを作りたい方には、非常に適した環境だと思います。オファリング開発も含めて、マーケットの中で個のコンサルタントとして、マネジャー層には主体的に活動していただきたいですし、それが可能な環境です。
直江
マネジャー層にとってどういった点がやりがいとなるのでしょうか。
青木様
アソシエイトパートナーになってから主動的な役割を担うよりも、マネジャーの段階から自分でプロジェクトを手がけ、クライアントと向き合う機会を持ってもらいたいと思っています。その人のやる気次第でチャンスはいくらでもありますし、仕事を自ら切り開いていきたいという思考のある人材をより増やしていきたいですね。最近マネジャーに昇進した若手社員も、私が直接サポートする形で昇進前からそのような進め方にトライしてもらい、年上の部下を何人か率いてプロジェクトを進めてもらっていました。
濱田様
チャレンジという観点で、別の側面からお話しさせていただきます。当社ではオファリング開発も行っていますが、上からの指示で「これをやってください」と一方的な上意下達のやり方は採っていません。シニアマネジャーやマネジャーを中心とした層が「これをやりたい」と手を挙げて上位者がサポートする形で開発をスタートします。 また、これは、プロジェクトについても同様です。最近の例では、自身のチームで受けるかどうか迷っていたテーマがあるのですが、とあるシニアマネジャーと話をしていた際、「こういったテーマに取り組んでみたかった」という意思表明があり、そのメンバーに主導的に他のチームとのコラボレーションを含めてリードしてもらい受注したというケースがあります。もちろん、ミッションに合わないプロジェクトは止めざるを得ませんが、そもそもミッションの範囲が広いため、クライアントの優先度が高いテーマであり、かつ、自分がエネルギーを注ぎたいテーマがあれば、それを提案し、主体的に進めていくことを推奨しています。
組織もまだ発展段階ということもあり、組織作りの面でもバリューを発揮してもらっています。マネジャーやシニアマネジャーも評価制度の設計、新卒採用などの役割を担い、組織作りにも本気で参画してもらっています。
職位に関係なく活発に意見を交わし、パートナーとも近い距離感で成長できる
直江
チームの雰囲気や、どのようなバックグラウンドの方が在籍されているかについてお聞かせいただけますでしょうか。
濱田様
外形的なバックグラウンドという意味では、特に際立った傾向はありません。他総合コンサルティングファーム出身者もいれば、戦略コンサルティングファーム出身者、営業経験者など、さまざまな経歴を持つメンバーが在籍しています。強いて言えば、われわれの価値観に共鳴できるメンバーが集まっているという特徴があります。
また、純粋に探求心を持って課題の本質を追究する人材が集まっています。常に年齢や職位なども関係なくディスカッションを行い、会話量が非常に多く、そういった意味で活気がありますね。
入社して数カ月のジュニアメンバーでも私の仮説立てに対して真正面から意見を伝えてくれることもあり、パートナーだからといってためらうような雰囲気はなく、率直なやり取りができる環境が保たれていると感じています。
青木様
新入社員からパートナーまでの距離が非常に近いですね。マネジャーやシニアマネジャー層が比較的少ないという面もありますが、パートナーとジュニアメンバーが直接、提案やデリバリーを行うことも多いです。組織の規模が大きいファームでは、ジュニアメンバーがパートナーと会話できる機会も限られていますが、当社では顔の見える範囲で運営されており、われわれもジュニアメンバーとも積極的にコミュニケーションを取りたいと思っています。
非ピラミッド型組織で成長機会多数。経営者と対話し、解のない課題に挑むリーダーを求めている
直江
どのような方にジョインしてもらいたいかお聞かせいただけますでしょうか。
胡原様
経営者思想を持ち、ポジティブで前向きな性格、そして成長志向の方に来てほしいと考えています。STのミッションの1つとしてCxOとの対話を通し経営アジェンダを解決していくことがありますので、経営者に共感いただけるような思想、思考を持つことでよりスムーズで知的生産性の高いコミュニケーションをとることができます。得難いスキルではありますが、そうした素質をお持ちの方にジョインいただき、一緒に成長していきたいと考えています。また、CxOアジェンダには解のない課題が多いですが、そうした課題に戦略コンサルタントとして取り組むにあたり、ポジティブで前向きな性格というのは重要な要素の1つであると思います。
戦略コンサルタントが携わる案件が、必ずしも自身の専門領域の内にあるとは限りません。そうした場合には、戦略の強みを出しつつ、短期間で新たな専門性も身に付けていく必要があります。限られた時間内で多数の本を読破する、専門家にインタビューするなど、成長への意欲が見られる方が望ましいでしょう。こうした継続的な成長により、幅広い事業領域のCxOとの会話が可能となり、KCの戦略コンサルタントとしてより大きな貢献につながると考えます。
組織構造の面では、STは急速に組織を拡大していっているフェーズにあります。このタイミングで新しいSTにジョインいただく方には、キャリアアップの機会も多いのではないでしょうか。つまり、個人の成長スピードと組織におけるキャリアアップの両面で、前向きな展望があると感じています。
青木様
胡原の話にも通じますが、能動的に自ら動ける方です。これは職位に関係なく、指示を待つのではなく自発的にプロジェクトやクライアントに関する学習を行い、また自分の興味のある分野について主体的に勉強し、詳しい人に積極的にアプローチして議論するような姿勢を持った方にジョインしてほしいです。
また、われわれには、正解のない問いに対して自分で解を作り出していく積極性が求められます。単に「これで良いでしょうか?」と意見を求めるのではなく、「私はこう考えます」という形で意見をぶつけてきてほしいと考えており、特にマネジャー層にはそういった能力を期待しています。
濱田様
組織拡大に向けて、幅広い知見を身に着けていただくことが前提ではありつつ、知見を押し広げるための足掛かりとなる特定の分野で強みのある方は大歓迎です。これまでのSTは戦略という領域に特化してチームのケイパビリティを研ぎ澄ませてきました。そして、次のステージに移行しようとしています。その上で、さらに成長していくには、異なるケイパビリティを持つ方々に入っていただき、チームとしても専門性を横に広げていく必要があると考えています。
ただし、「この分野以外はやりたくない」という方では、クライアントと真に向き合うことは難しく、成長の余地が限られますし、経営者と向き合うことも難しいでしょう。「戦略の話なら話せるが、それ以外は聞きたくない」という姿勢では全く向き合えないと思います。戦略はあくまで企業経営の機能の1つでしかなく、本質的に経営者と向き合いたいという意識を持っている方と一緒に仕事をしたいです。
また、考えることが必要な仕事ですので、私は面接時によく見ているのですが、ケース等で仮説を出していただいた際に、あえて前提を後から外してみたり、根本から違う着眼点から意見を出したりすることがあります。その時に「なるほど、そういう考え方もありますね」と楽しそうに再考・議論を継続できる方と、そこで思考が止まってしまう方がいます。経営者と向き合う際にはこういったことは日常的に起こりますので、その中で再構築できるエネルギーを持っているかどうかは非常に重要だと考えています。このようなディスカッションを重ねてチームとして価値を高めていける方にご入社いただきたいですね。
直江
最後に候補者の方へのメッセージをお願いいたします。
胡原様
戦略コンサルタント部隊では、各自が強みや特徴を持ち、多様性のある組織であるべきだと考えています。そうすることで、さまざまな角度からCxOアジェンダに向き合え、クライアントにとって欠かせない、長期的な戦略パートナーのポジションを築けるでしょう。そうした組織を一緒に創りあげていきたいと思いますので、同じ志を持つ方と仕事ができることを期待しています。
濱田様
私は単に仕事をこなすのではなく、新しい領域を切り開いていくマインドを持った方と一緒に仕事がしたいです。先ほど申し上げたように、戦略から経営コンサルティングへの転換は、あまり前例のないチャレンジです。チーム自体もそれに合わせてさまざまな設計を行っていく必要があります。われわれも確固たる答えを持っているわけではなく、議論を重ねながら創り上げていく段階です。そういった新しいミッションに向かって、共に創造していける方々のご応募をお待ちしています。
青木様
STメンバーと共に、クライアントの課題に対してチームとして向き合いながらも楽しめる方と一緒に仕事をしたいと考えています。成長段階の組織ですが、クライアントの戦略パートナーとしてご活躍いただける方を歓迎しています。
*1 STでは、2024年10月よりKPMGコンサルティング内で戦略コンサルティング職種という独立した固有の職種体系を採用しています。
(Junior Strategy Associate、Strategy Associate、Senior Strategy Associate、Strategy Manager、Senior Strategy Manager、Associate Partner、Partnerの順)
本記事内のシニアマネジャーはSenior Strategy Managerに、マネジャーはStrategy Managerに該当します。