KPMGコンサルティング株式会社では、社員一人ひとりの多様なワークライフを実現するための環境が提供されています。今回は、KPMGコンサルティングでご活躍されているA.O様(写真左)、S.G様(写真右)より、働き方に関わる制度、それを支える組織のカルチャーや育児休暇取得時の実体験などについてお聞きしました。
お二人のご経歴
小野
まずは、お二人のご経歴についてお聞かせください。
A.O様
私は2007年に新卒で、国内の大手クレジットカード会社に入社し主に国際関連の部署で、カード、端末、モバイル決済の普及などを担当してきました。
その後、自分のキャリアを広げたいと思い、2018年からはクレジットカードの国際ブランドの日本支社に転職し、システムオペレーションと営業の2部署を経験しました。
KPMGコンサルティングには2021年10月に入社し、今はFinancial Services(以下FS)という金融機関を担当する部署で決済業界のアカウントチームに所属しています。
S.G様
私は2016年に新卒で大手プラントエンジニアリング企業に入社し、インフラ担当の社内SEとして従事しました。
2019年10月にKPMGコンサルティングに転職し、サイバーセキュリティ領域を専門とする部署Technology Risk Services で、セキュリティコンサルタントとして、ソリューションの要件整理・導入支援、調達仕様書の作成業務、セキュリティアセスメントなど、インフラ・セキュリティ領域の業務を行っています。
また、昨年の2月から今年の1月までの1年間、育児休暇を取得していました。
「横・斜めの関係」を築ける取組みをはじめ、プロジェクトやチーム外にも相談の窓口が豊富にある
小野
A.O様はマネジャーとして入社されたと伺いましたが、コンサルタント未経験でのマネジャーでの入社ですと、キャッチアップで苦労するという話もお聞きしますが、実際にいかがでしたか。
A.O様
入社前はプレッシャーを感じていたものの、実際に入ってみると周りの方々がとても協力的で、大変驚きました。
所属チームからは、プロジェクトをリードするようなポジションを積極的に任せていただき、その中で適宜フィードバックを受けながら成長させてもらえたため、大変感謝しています。また、会社からも早期にキャッチアップできるよう、手厚いサポートをしてもらいました。
小野
手厚いサポートと仰いましたが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
A.O様
私が所属しているFSでは、入社後半年程は業務で直接関わりのない先輩社員がバディとして、立ち上がりをサポートする取組みがあります。普段一緒に仕事をしない先輩社員だからこそ、仕事のことからプライベートなことまで、気軽に相談できますし、そこから人脈が広がることもあって、部署内でも好評です。
普段はどうしてもプロジェクトという観点での縦横の繋がりになりがちですが、バディを通して斜めの関係を築けるというところもこの取組みの良いところですね。
プロジェクトにおいては、どのメンバーがどのくらいの時間プロジェクトに携わっているかを、ツールを通してマネジャーが把握できるので、業務が増えている人には個別に話をして、業務の再割り当てをすることもできます。リモートワーク中心の環境は、業務の状況がブラックボックスになりがちですが、ツール化することで、こうした対応ができるのは大きな利点だと感じています。
小野
なるほど。部署独自の取組みもうまく機能しているのですね。
S.G様
会社全体としては、パフォーマンスマネジャーという制度があります。同一の部署に所属する2クラス以上上位職でマネジャー以上の職位の社員が付き、年間の目標設定、四半期に1回の面談の他、キャリアについていつでも相談できます。同期や後輩メンバーも頻繁にパフォーマンスマネジャーと話す機会を持っていますし、私も月に1回相談させてもらっています。
他にも、俯瞰的・多面的な視点からキャリア開発に関する相談ができるキャリアサポート制度があるので、そちらでもワークライフバランスやチーム内コミュニケーションなどについて話しをすることができます。悩んでいることを第三者に聞いてもらい、これまでとは違うアプローチを試すこともできますし、色々と相談できる場や相手が充実している環境だと感じています。
遠慮なく制度を利用できるオープンなカルチャー
小野
続いて、御社でのワークライフバランスについてお聞かせください。
A.O様
入社前は「コンサルティング業界=過重労働」のイメージがあり不安に感じていましたが、実際に入社してみると、クライアントへ提案する段階から「本当にこのスケジュールでできるのか」を細かく検討し、過重労働にならないように工数計画が徹底されていました。
連日夜中まで仕事をするということもありませんでしたし、自分のペースでやらせてもらえていると強く感じています。私も現場のリーダーとしてプロジェクトに入る際には、どのくらいの工数が必要なのかを考えますし、他の部署ともきちんと連携を取って工数計画を立てています。
小野
S.G様、いかがですか。
S.G様
一言で言うと、メリハリのある働き方ができる職場だと感じています。プロジェクトが佳境を迎える際は本当に忙しい時もあるのですが、常にそういったわけではないので、フレックスタイム制を活用して始業を遅らせて家族と過ごす時間をつくったり、休暇を取得したりと、柔軟に働くことができています。
A.O様
Away from Keyboard制度という、いわゆる中抜け制度があって、例えば、お子さんの保育園のお迎えに行くから中抜けするといったことが当たり前に行なわれています。もちろん、お子さんの用事に限らず、病院に行くなどの自分自身の事にも使えるのでとても有り難いですね。
小野
そういったスケジュールなどは、チーム内で共有されているのでしょうか。
A.O様
はい。中抜け制度を利用する際はきちんと上司やチームと共有して、”この時間は不在”ということが分かるようにしています。普通に「金曜日の16時〜17時、子どものお迎えのために中抜け」とスケジュールに入れている人がいたりしますね。オープンなカルチャーだからこそ、このような制度を遠慮なく使うことができるのだと思います。
小野
確かに、不透明なスケジュールだと信頼関係にも影響しますし、そのくらいはっきりしていた方がチームメンバーもやりやすいのかもしれませんね。
A.O様
社員同士、お互いに制度を利用しやすい関係性が構築出来ていると思います。
この他にも、最近色々と制度が充実し、多様な働き方を支える環境が整ってきています。介護などの事情で就業場所に制約がある社員には、勤務する場所を自宅に限定した「Work from Home Program制度」、観光地やリゾート地など国内の任意の場所で一定期間、業務を行うことを認める「ワーケーション制度」が新たに加わりました。
また、Jump Fridayといって、その週の決められた労働時間を満たしている場合に限り金曜日の仕事を15時で切り上げることができる制度もあります。
小野
制度があっても実際には機能していないという会社もあると思うのですが、御社がこういった制度を活用できている背景はどこにあるのでしょうか。
A.O様
KPMGコンサルティングにはカルチャーを変えていける強みがあると思います。
さまざまなバックグラウンドを持つ仲間が加わり、ダイバーシティ溢れる集団として成長している会社だからこそ、社内で何か変化が起きたときに、カルチャーから変わっていける土壌が培われたと感じています。
S.G様
新しい制度を、社員皆がポジティブに受け取っていると思います。建前だけの制度で実際は機能しないとか、同調圧力のために制度を使いたくても使えないとか、そういったことは全くないので、社歴に関係なく、気軽に利用できる雰囲気ですね。
「育児休暇中にマネジャーへ昇格」など、休暇がキャリアを諦める要因にならない環境がある
小野
S.G様は育児休暇を取得されていますが、取得時や復帰後のエピソードについてお聞かせください。
S.G様
実際に育児休暇が始まる半年ほど前に取得を決め、まずはパフォーマンスマネジャーに伝えました。周りの反応に対する不安は全くありませんでしたし、育児休暇を希望したことで何か不利益を被るようなことは一切ありませんでした。 新しいプロジェクトには育児休暇の開始までという期限付きで携わることになりましたが、他のメンバーも快く対応してくれました。
小野
復帰後のギャップや不安などはありましたか。
S.G様
思っていた以上に両立が大変だということは感じています。復帰後はそれまでと同じように家事育児に時間を割くことができないのは分っていましたから、妻とも話し合って、分担や効率化など、できることは準備していたつもりだったのですが、それでも、思っていた以上にギャップがありました。
自分が家庭のことで中抜けしなくてはいけないときに、相談しやすい環境があることや、チームでのミーティングの時間を融通してもらえるなど、チームの柔軟なサポートにはとても感謝しています。
小野
復帰した際のスケジュールやプロジェクトへのアサインについても教えてください。
S.G様
復帰前に面談があり、そこで復帰した後どのような働き方をしたいのかを話す機会がありました。私の場合は、まずはリモートワークを中心とした働き方でプロジェクトへ入れるよう希望し、実際に、ほとんどリモートで仕事をさせていただいています。復帰後、急に復帰前のペースに戻るのではなく、ソフトランディングで少しずつ慣れていけるような形になっていたと思います。
具体的な1日のスケジュールとしては、朝は少し早い時間から仕事を開始して、8時半に子どもを保育園へ送り、その後、シェアオフィスに移動して仕事を再開します。夕方に中抜けして晩御飯を作ったり子どもをお風呂に入れたりし、もしまだ仕事が残っているようであれば、子どもが寝た後、7、8時頃まで仕事をすることもあります。
小野
深夜にガツガツやるという感じではないのですね。
S.G様
私はそうですね。もし、何かの都合で残業が増えそうな場合は、作業の割り振りを相談したり、集中して仕事をした翌日の始業タイミングを相談したりしています。
A.O様
実は、私が最初に入ったプロジェクトで、男性のプロジェクトマネジャーが途中から育休に入るということがあって、当時入社したての私はかなり驚きました。でも、他のメンバーは「行ってらっしゃい」と快く見送っていて、それが当たり前の会社なのだと感心した記憶があります。
小野
長期休暇の取得がキャリアに影響することを心配される方もいるのではと思いますが、実際はいかがでしょうか。
A.O様
社内には、育休に入るその日にマネジャーに昇格した女性社員や、育休期間中に昇格した男性社員がいます。育休取得がキャリアを諦める要因とは全く見なされていないのです。
「ハンデはない」と言うことだけならいくらでもできますが、事実であることを身近に実感できています。育休を取られた方がキャリアアップして復帰し、今度は自分が評価する立場に回っていくので、いい循環になっているのだと思います。
女性社員のエンパワーメントを推進するネットワークWOVEMENTS®も積極的に活動中
小野
A.O様はWOVEMENTS®の事務局メンバーとして携わっているそうですが、活動についてもお聞かせください。
A.O様
WOVEMENTS®は女性管理職同士の横のつながりを作り、キャリア形成の好事例や悩みを共有することで女性社員の意欲を引き出すことや、キャリアアップの道を示していくことを目的として活動をしています。女性活躍の中で語られがちな育児と仕事の両立に関しては、当社では男女両方が対象のWorking Parents Networkという別のネットワークが存在しており、WOVEMENTS®ではあくまでも女性社員のキャリアにフォーカスした活動を実施しています。
小野
WOVEMENTS®の活動頻度はどのくらいなのでしょうか。また、どのようなことをされているのでしょうか。
A.O様
事務局の定例会が月に1回あります。事務局メンバーそれぞれが施策を担当しており、進捗状況を共有し合ったりしています。
あとは、他社の取り組み事例を共有し、KPMGコンサルティングで実現したいことのヒントを探したり、会社の中で一人ひとりがパフォーマンスを発揮していくためには何ができるのかを考えるなど、女性が生き生き働ける環境づくりをWOVEMENTS®では行なっています。
小野
WOVEMENTS®はいつから始まったのでしょうか。
A.O様
2020年7月に始動し、3年目の今年は加速の年ということで、色々な施策の実行や、「WOVEMENTS®」の商標登録をするなど、より活動が具体化してきていると感じています。
小野
WOVEMENTS®に参加されている女性社員の中にはマネジャー未満の方もいらっしゃるのでしょうか。
A.O様
現在参加メンバーはマネジャー以上ですが、昨年度はマネジャー未満を対象とした座談会を複数回開催し、ヒアリングを行いました。部署によっては女性が少なく、孤立感がある方もいると思うのですが、こうした座談会を通して横の繋がりをつくり、さまざまな話を共有できるようにしています。どんなことに困っているのか、どんな仕組みがあったら良いかなどを話し合うことで、女性社員全員で一丸となってやっていこうということをお伝えできているのかなと思います。
小野
参加条件などはあるのでしょうか。
A.O様
WOVEMENTS®の活動には、女性管理職以上は誰でも参加可能です。また、活動やイベントへの参加は強制ではありません。マネジャー未満の方向けの座談会も、女性社員割合が低い部署に対して参加希望者を募りました。
小野
A. O様は社員向けにヨガのレッスンもなさっているとお聞きしました。
A.O様
はい。私は全米ヨガアライアンスが認定するヨガの資格を持っているのですが、WOVEMENTS®のミーティングでその話をしたところ、社内コミュニケーション施策を担当するチームに紹介してくれた方がいて、オンラインでレッスンをすることになりました。このように、WOVEMENTS®から業務以外での自己実現にも繋げてもらっています。
「自分の経験を還元し、周りに恩返しがしたい」
小野
個人としての目標についてもお聞かせください。
A.O様
個人としては、とてもいい環境で仕事ができているので、これからは会社への恩返しとして、より上位職を目指し、責任を持って仕事をしていきたいと思っています。
入社するまでは、KPMGコンサルティングが女性活躍に力を入れている会社であることを意識していなかったのですが、今は女性活躍の施策が本当に面白く、今後更に推進していきたいです。
また、上に昇っていく女性というと、公私ともにバイタリティーに溢れているイメージがあると思うのですが、私自身はあまり体力のあるタイプではありません。そういう人でも自分のペースで管理職として活躍していけることを示していきたいと思います。
S.G様
私は、キャリアと育児の両立をしっかりやっていきたいと思っています。昔の考え方だと、男性が育児休暇を取得するとなると、その人はキャリアを諦めたという見られ方もすると思うのですが、どちらもしっかりやっていくことが今後の目標ですね。
あとは、今、私が周りの皆さんからいただいている“いい雰囲気”というものを、今度は私が恩返しという形で周りに返していきたいです。長期で育児休暇を取得した私の経験を積極的に発信し、多様な働き方ができる雰囲気の醸成に貢献したいと思っています。
小野
最後に、KPMGコンサルティングに興味をお持ちの方にメッセージをお願いいたします。
A.O様
素晴らしい経歴をお持ちの方でも、働き方の面でコンサルタントという仕事にハードルを感じ、挑戦を迷われている方もいると思います。KPMGコンサルティングは柔軟な働き方や新しい風に対して懐の深い会社ですし、自分がムーブメントを巻き起こすのだという熱い気持ちを持っている方は、ぜひ挑戦していただきたいなと思っています。
S.G様
KPMGコンサルティングには、学び、成長し続けられる環境があります。研修制度はとても充実していて、私も、会社が推奨する外部のプラットフォームでセキュリティ資格のコースを受講し、実際に資格を取得しました。業務の幅も広げることができて、とても充実しています。
コンサルタントとしての働き方、育児との両立等、何かしらの不安を抱えている方も、安心して飛び込んできていただきたいですね。
※WOVEMENTS®は、KPMGコンサルティングの日本における登録商標です。