株式会社リブ・コンサルティング エンタープライズ事業部 インタビュー/ロジカルよりも「リアリティー」を追求するビジネスエグゼキューター

株式会社リブ・コンサルティング

大企業向けに、事業変革・新価値創造の支援を行う株式会社リブ・コンサルティング エンタープライズ事業部。ツールやデジタルありきの新規事業支援ではなく、市場調査から販路開拓、売上を作り軌道に乗せるところまで伴走するなど、徹底的な成果主義へのこだわりが特徴です。今回は、リクルートやA.T.カーニーでご活躍後、リブ・コンサルティングへ入社されたエグゼクティブ・フェロー 佐藤 勇樹様より、同チームが立ち上がった経緯、コンサルティングの特徴、求める人物像などについてお聞きしました。

目次
  1. 新規事業開発、ガバナンス変革、エコシステム構築の3方向からエンタープライズ企業を支援
  2. コンサルタントが営業することで、「リアリティー」のあるエグゼキューションができる
  3. 社内から新規事業のアイデアを引き出し、納得感を与えることで自走させる
  4. 「何をしたいか」を起点に、セルフドライブできる方を求めている
  5. 株式会社リブ・コンサルティング 求人情報

新規事業開発、ガバナンス変革、エコシステム構築の3方向からエンタープライズ企業を支援

井内
はじめに、佐藤様のご経歴についてお聞かせください。

佐藤様
私はリクルートでキャリアをスタートし、そこで17年程勤めました。1988年にA.T.カーニーへと入社し、2002年にはパートナー就任、2006年にはMBOをして当時の親会社からの独立にも携わりました。
リブ・コンサルティングには、2017年にエグゼクティブ・フェローとして参画しています。

井内
このたび、リブ・コンサルティングは大企業向けのチームとしてエンタープライズ事業部を立ち上げられましたが、その経緯を教えていただけますか。

佐藤様
お客様からのニーズが大きかったからです。たとえば、TOYOTAのディーラーとお仕事をしていると、ディーラーの社長がTOYOTAから来られた方だったりするわけです。そこから、TOYOTA本社の営業統括者向けのトレーニングを任されるなど、仕事がつながっていきました。中堅中小、ベンチャー企業のお客様に対する実績への評価がレバレッジしたのが発端だと思います。
また、人が流動的な時代になったことも理由の1つですね。あるところでわれわれのコンサルティングサービスを受けていた方が、別の会社に移られて、そこから引きがくるということも増えてきました。A.T.カーニーでの経験と比較しても、「なぜそんなところから受注をいただけるの?」というレベルの案件が多くあります。

井内
エンタープライズ事業部はどのような支援を行っているのでしょうか。

佐藤様
大きく分けると3つのパターンがあります。1つ目は、新規事業開発もしくはイノベーション事業変革。2つ目は、コングロマリットや持株会社の下にあるさまざまな事業を再編するガバナンス変革。そして3つ目は、コンソーシアム、エコシステム構築型のパターンです。大手企業が共同的に新たなビジネスを作ろうとした時に、それをどのように構想して、どのように作ったらいいかという中核にわれわれが入っていく。この3つが、割合としては多いですね。

井内
特に引き合いの多い業界はありますか。

佐藤様
ここ2年程では、当社へのバッテリーに関するコンサルティングの依頼は他ファームを圧倒していると思います。大手OEMや電力、電機メーカーも含めて、バッテリーに注目し、この先のビジネスとしてどう展開していくべきかという問いに、おそらく一番多く答えたコンサルティングファームが当社でしょう。大手電力会社の発電の送電を含めて、ほぼ全部やらせていただいています。
なんだか偉そうに言っていますけれど、当社もたまたま人材が集まって経験値が上がり、結果的にお客様が増えて、またスキルも上がってというサイクルが回っている最中です。しかし、リチウムイオンバッテリーもいつまで続くかわかりませんし、そこにこだわっているわけではないです。われわれはエネルギーイノベーション、エネルギープラクティスに広くこだわって取り組んでいて、その実現がたまたまEVだった、ということです。

リブ・コンサルティング 佐藤様

コンサルタントが営業することで、「リアリティー」のあるエグゼキューションができる

井内
エンタープライズ事業部が評価されている要因や強みは何だとお考えですか。

佐藤様
「リアリティー」へのこだわりですね。
まず、リブ・コンサルティングと他ファームの大きな違いは、コンサルタントが営業する会社だということです。普通はRFPが出てきてコンペになるのがルーティンですが、それ以前にこちらから売りに行きます。普通のコンサルには筋道があるじゃないですか。たとえば、「この事業が御社にとって堅いです。なぜならマーケットにこれだけニーズがあり、お客様もこのくらいいます。競合はこれだけで、だから強みはここです」となるのです。しかしわれわれの場合は、「試しに御社の名前を伏せて売ってみました。そうしたら売れてしまいました」と、本当に売ってきて見せる。「引き合いがあるなら、これはどう考えてもやるべきですよね」というところまで持っていってしまうのです。

井内
そこまで先にやってしまうのですね。

佐藤様
それが当社のすごさですね。
お客様の許可を得た上で、リブ・コンサルティングがお客様の名刺を持って動くこともあります。普通のファームはそこまで責任を持てませんから、こんなことやりません。しかし、弊社はそこまでやって、論理的説明ではなくて物理的説明で勝負します。そこは圧倒的な違いです。
私は、エンタープライズ事業部は普通のコンサルティング事業部だと思うのです。だから、つい普通のマネジメントコンサルティングと同じようなところに寄ってしまいがちなのですよ。しかし、私はそれを絶対に許しません。だったら他のファームでいいではないですか。お客様に本当に納得していただいて、その期待を越えるところまでやり遂げる、やり切る。私だけではなく、ディレクターやパートナーたちもそうインストールされていて、弊社の付加価値、差別化要因は何なのかを突き詰めることが徹底されています。

井内
従来の「コンサルティング」とは一線を画すスタイルですね。

佐藤様
今は「コンサルティング」がバズワードとなっているので、次のワードが必要だよねって議論しているところです。というのも、われわれは「ビジネスエグゼキューター」であり、お客様を次の世界に連れていく引率者なのです。コンサルティングって、安全地帯でひょいひょいやっているイメージがあるじゃないですか。そこから脱却して、われわれのビヘイビアであるリアリティーを持って大企業の案件に取り組みたい。しかし、大企業向けのコンサルはロジカルに行き過ぎるので、いつも引き戻す気持ちで、フィジカルを意識して推進しています。

リブ・コンサルティング 佐藤様

社内から新規事業のアイデアを引き出し、納得感を与えることで自走させる

井内
エンタープライズ企業の意識の変化など、マーケットの状況についてお伺いできますか。

佐藤様
簡単に言うと、「今の事業では生き残っていけない」と思っている企業が増えています。日本社会全体の縮小もあり、会社の価値を持続することが難しくなっているのでしょう。
言いにくい話ですが、日本にイノベーティブな新規事業を生み出している大企業って実際にはあまりないのですよ。やろうとしている会社はたくさんあって、必死なのですが、そんな簡単にできるものではありません。一方で、ソフトバンクなどそれができている数少ない企業は、新規事業のアイデアがコンサルではなくほぼ社内で考えられているのです。
われわれも、「良いビジネスはありませんか?」とよく聞かれますが、まずは顧客との会話やクレームに目を向けて、そこからアイデアを探るようにお伝えしています。営業の方に「お客様にいつも怒られていることは何ですか?」と聞いて、だとしたらこういうサービスができますよねって。そこに目を向けられる会社が、新しい事業やチャンス、スタイルを生み出して、変化し続けていけるのですよ。
大手ファームでは、そういったことには大抵デジタルを使って対応しようとしますが、それで成功したところを見たことがないですね。

井内
新しいビジネスのアイデアは、社外ではなく社内にこそあるとお考えなのですね。

佐藤様
われわれは手段を選ばずに、そのお客様が必ず手に入れられる新しい事業、ビジネスを作ることにこだわっています。コンサルタントは「すごいですね」と言われたがるのですよ。「そんな発想よく思い付きましたね」とか。そこにこだわらないのが、リブ・コンサルティングの強みですね。

井内
実際にそういったアプローチを大企業のクライアントに投げかけてみると、どんな反応をされるのでしょうか。

佐藤様
「この人に聞けば何か出てきそうだな」という、賢さやスキルではなく、リアルなご提案をさせていただくので、クライアントも納得してくださいますね。彼らは、コンサルタントから「これをやるべきだ」と言われて、納得できないのにやらされるのがつらいのです。われわれはそのリアルがわかっているから、彼らが形にはできなかったけれど、何とかしたいとふつふつと思っていたアイデアがあれば、それを形にする。彼らがやりたくて、困っていることを背負わせて走らせるとモチベーションとドライブ力が全然違います。

井内
そういったアプローチが案件獲得につながっているのですね。

佐藤様
やりたくなる提案ができているのだと思います。

井内
ありがとうございます。続いて、エンタープライズ事業部の方向性についてもお聞かせいただけますか。

佐藤様
ビジネスの収益も重要だと思いますが、私自身はリブ・コンサルティングだからできることにこだわり続けるべきだと考えています。そこにコンサルティングのニーズがあるからではなく、われわれだからこそ介在価値があることにこだわる。われわれの強みはリアリティーとエグゼキューションなので、リブ・コンサルティング自身が生き残っていくために、無理して変なものに手を出さない。そこは重要だと思っています。

リブ・コンサルティング 佐藤様

「何をしたいか」を起点に、セルフドライブできる方を求めている

井内
エンタープライズ事業部ではどのような方を求めていますか。

佐藤様
一番お伝えしたいのは、リブ・コンサルティングから何かを得ようとする人ではなくて、リブ・コンサルティングを使って何かを成し遂げようとする人に来てほしいです。結局、「何をしたいか」というのを持っていて、自身でセルフドライブできるというのが大前提ですね。

井内
大手ファーム経験者は前提となるのでしょうか。

佐藤様
コンサル経験者である、ロジカルシンキングができるという点には全く興味がないです。重要なのは論理的であるかどうかではなく、正しいかどうか、売れるかどうか、問題を解決できるかどうかであり、「理論はわからないけれど、これは機能します」という説得力が欲しいです。
また、大手ファームだと、個人の能力よりもそのファーム流を体現できるかが重視されます。しかし、われわれはそういう方ではなく、そこから少しはみ出る人の方が合う。自分が一番優秀だと思っているのに、なぜか社内で評価されていない人。そういう人に興味ありますね。ただ、被害者意識を持ち、うまくいかないから逃げてきたという方よりは「自分が一番お客様の役に立っているのに、なぜ社内で評価されないのだろう?」と思われている方との相性が良いように思います。

井内
お客様にとっての最善を考え、行動するという昔のコンサルスタイルではなくなっている、と感じる方も増えてきていますね。

佐藤様
今は、コンサルティングが楽にもうかるビジネスになってしまったのだと思います。リブ・コンサルティングは「もうかる」ことと「いいこと」なら、「いいこと」を優先しよう、という会社です。

佐藤様
株式会社リブ・コンサルティング
佐藤勇樹 様

株式会社リクルートにて17年勤務した後にA.T. Kearneyに入社。 金融業界、IT業界を中心に、戦略コンサルティングを展開。
2002年にA.T. Kearneyパートナーに就任。
IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)Member、ITコーディネータ協会運営委員、
経営情報学会会員、産業構造審議会人材育成カリキュラム策定委員等を歴任する。
2017年、リブ・コンサルティングにアドバイザーとして参画。

株式会社リブ・コンサルティング

株式会社リブ・コンサルティング

「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を経営理念に、中堅中小・ベンチャー企業を中心にコンサルティングを提供。数多くのコンサルティング経験に基づく、確かな経営課題解決ノウハウをもとに、中堅中小・ベンチャー企業の経営戦略策定から組織づくり、マーケティング改善、営業力強化、人材育成、DX化に向けた支援まで、経営課題解決策をワンストップで提供し、顧客企業が大きく飛躍するためのコンサルティングを実施している。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

株式会社リブ・コンサルティングの求人情報

募集職種 事業開発コンサルタント
職務内容
  • 大企業向けの新規事業開発において、立上げ~グロース~成功までをご支援頂きます。
  • カウンターパートは大企業のCEOをはじめとするCxO~新規事業担当役員、部門長。
  • 新規事業の成功とは、○兆円企業の中の売上1億~10億ではなく、100億→1,000億→それ以上といった、本業に並ぶもしくは取って替わるレベルをスコープ。まさに成功まで伴走頂きます。
  • 同社グループ企業にあるベンチャーキャピタルや営業代行などリソースの活用や、同社の強みの1つであるスタートアップや中堅企業とのアライアンスやJV設立なども想定。
応募要件
  • 大企業向けの経営/事業戦略立案や新規事業をテーマとしたコンサルティング経験
  • セールスは出来ればベター、デリバリのクオリティを重視
  • 大企業の新規ビジネスの成功、またイノベーションの実現に本気でコミットされたい熱意

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