株式会社メルペイ
メルペイという名が示す通り、まずはデジタルウォレットの提供を予定していますが、同社は決済の会社になりたいわけではありません。
社会インフラを圧倒的な利便性をもってアップグレードすることで、メルペイひとつでお金に関するあらゆるサービスが簡単に完結する世界を実現したい。
世の中のお金の流れを、もっと身近で簡単なモノに変えたいと考えています。
今回は、同社のCS/Ops(カスタマーサービス/オペレーション) ディビジョンヘッド 高橋亮様より、同社の魅力をアクシスコンサルティングの祝がお聞きしました。この記事は2018年11月時点のものです。
「我々のツールを起点として信用を可視化して、
全ての方々がなめらかに生きられる社会を創りたい」
祝
まずは簡単に、貴社の事業内容についてお伺いできますか。
高橋様
メルペイの事業内容は、金融関連の新規事業です。これだけでは簡潔過ぎるので補足しますと、メルカリと対をなす事業を展開しています。使わないものを売ってまた新しい価値を届けるメルカリと、その流れをなめらかにするメルペイ。この二つのサービスが揃うことで、何もしなければ本来はそこになかったはずの価値が生まれ、それにより暮らしがさらになめらかになる、そういった夢が実現する世界です。このコンセプトのもとで、メルペイは決済サービスを出発点としてさまざまな金融サービスに領域を広げていくことを目指しています。
祝
ありがとうございます。続いてその事業のそもそもの基礎となる、企業理念について教えて頂けますでしょうか。
高橋様
企業理念は、『信用を創造して、なめらかな社会を創る』というところに集約されています。そしてその手段として、会社のバリューである『Go Bold』、『Be Professional』、『All for One』という内容があります。
『信用を創造してなめらかな社会を創る』という企業理念について、少し分かりにくいかもしれませんので私なりの解釈をお話しさせて頂きます。今、この世の中は信用が可視化されておらず、信用イコール仕事をしていること、になっていると考えます。仕事をしている方々には信用があって、一方何らかの理由で仕事をされていない方などには信用がない、といった社会通念みたいなものが出来てしまっているということです。そしてそれらに基づいて、例えばお金の貸し借りが成立したり、賃貸契約が成立したり、という仕組みになっているため、フリーランスの方や何らかのご事情があって就業されていない方にとっては、生きにくい世の中になってしまっています。信用とは本来は一人一人の行動や歴史の積み重ねの結果であるべきだと思います。我々はメルペイというツールを使って、そういったものを変えていきたいと考えています。今成立している普通の社会の状態、つまり、会社と契約して仕事をし、給与が月々入ってくることが普通の状態だ、という社会通念から更に一歩進んで、我々のツールを起点として信用を可視化して、全ての方々がなめらかに生きられる社会を創りたい。そのためにメルペイという手段、メルカリのプラットフォームから派生した金融ビジネスを通じてその社会を創造していく、というのが最も大事な企業理念である、と考えています。
祝
高橋様は長年外資証券会社にいらっしゃったと伺っていますが、貴社に参画されたのはやはり、今お話し頂いた理念といったところへの共感がおありだったから、なのでしょうか。
高橋様
そうですね。
私は今年の3月に大学院を出ています。いままで、漠然と大学院で勉強をしたい、経営修士学みたいなものを取って勉強し直したいと思っておりました。一方で仕事をしながら通える学校はなかなかみつかりませんでした。その折、慶応大学がエグゼクティブMBAというもの設立したこと知り、入学要件もすでに満たしていたので、入学しました。そこでは、様々な業界の、いわゆるビジネスリーダーの方々とディスカッションをしながら授業などに参加しました。
そうした会話をしていく中で、金融業、例えば銀行·証券·保険業などがあるかと思いますが、この業界は少し領域が限定的であると考えるようになりました。最近、それこそAmazonやGoogleなどがすごい勢いで様々な業種にビジネスを展開していくのを目の当たりにして、伝統的な金融業も遅かれ早かれ、その波は受けるんだろうな、というのをひしひしと感じたんです。私は、金融業は既得権益、ライセンスに守られた業界だと考えています。例えば、東京証券取引所に対してはライセンスがなければ売り買いはできず、結果的にお客さんは証券会社に注文する必要があります。これがいわゆるライセンスビジネスで、こうしたものに金融業は守られていると考えてます。ただ、今はブロックチェーンがそこを変革するという話も出てきています。恐らく同様にテクノロジーはその他の既得権益もいつか突破していき、そうなった時にはきっと金融業は現在ある金融業とは全く別の形になっていくだろうと感じたのです。
そんな中、メルペイからお話を頂きました。もともと私自身が現金を持ちたくないタイプであったこと、またキャッシュレスが進んでいる中国に住んでいたこともあって、キャッシュレス領域には非常に興味がありました。やりたい事業、自分の抱いていた見えない恐怖感というか心配事、そこに対してのソリューションがメルペイにはありました。ただ、それ自体は別に他のペイメント系の企業でも叶う話で、最も重要だったのは会社としての方向性です。私自身はぼんやりとではあるものの、人に優しい世界をつくりたいな、と思っていました。そしてそれがメルペイにあったんですね。『信用を創造してなめらかな社会を創る』というメルペイの目指す方向性こそが、まさに私のやりたいことだと感じました。この言葉を見て私は、この会社はきっと人に優しい社会を創りたいなと思っているんだろうな、と感じ、そして実際に面接を受けた際にも、経営陣がまさに人に優しい会社を創りたいと思っていると感じました。それが決め手で、メルペイに参画して今に至ります。
「CS/Opsはビジネスを回す大根幹になる」
祝
その中で、髙橋様が現在ご担当されている領域は、どういった領域でしょうか。
高橋様
CS/Ops(カスタマーサービス/オペレーション)という部署で、大きく分けると四つの領域があります。一つ目はカスタマーサービスという領域で、個人のお客様の問い合わせに対応するところ。二つ目は加盟店審査領域で、ペイメントシステムを導入いただく加盟店様を審査·デューデリジェンスをしたり、加盟店様のサポート·問い合わせ対応をしたりするところ。三つ目は金融犯罪対策領域で、アンチマネーロンダリングなどトランザクションをモニタリングするチーム。ここがメルペイのビジネス上で一番重要なところだと思っています。四つ目は苦情対応チームです。こういうビジネスの性質上苦情は少なからず絶対に出てくるので、その苦情に対応したり経営陣にエスカレーションしたりするチームですね。
CS/Opsは特にメルペイのような会社だと、ビジネスを回す大根幹になるという風に私は捉えています。例えば、通常の金融機関や銀行では融資担当がいて、その人たちが営業として融資を取ってくる。そしてその後にオペレーション業務だったり、カスタマーサービス業務が存在する形になります。一方でメルペイは基本的にインターネットの中でものごとが完結するので、どちらかというとアプリが営業的な役割を担っていて、それ以降のカスタマージャーニーはすべてCS/Opsの領域になります。当然アプリの使い勝手などは非常に重要な仕組みなのですが、その後のユーザーアクティビティというか、カスタマージャーニーといったところをなめらかにするのが我々の目的で、我々の仕事であると思っています。
「100%企業理念に賛同頂ける方を我々としては強く求めます」
祝
具体的にどういったバックグラウンドの方が、この領域には所属していらっしゃるんでしょうか。
高橋様
バックグラウンドは様々ですね。金融機関の方が半分ぐらいいたり、疑わしい取引を判別する仕組みをつくっていたシステムインテグレーターの方がいたり、ネット業界の方がいたり、本当に様々です。
祝
ありがとうございます。
少しお話は戻りますが、今CS/Opsというところを率いていらっしゃって、そこには4部門あります、というお話でした。どの部門も募集をしていらっしゃる中で、今回最もこのインタビューを読んでいる方に強く採用ニーズを伝えたいのはどちらでしょうか。
高橋様
金融犯罪対策のところですね。アンチマネーロンダリングなどの規制強化や監視強化については、まさに我々の会社はそこを本気でやっていかなければなりません。こちらが最も参画して欲しいところだと思っています。
祝
ここのマネージャーポジションが急募、ということですね。
高橋様
そうですね。
次のプライオリティ―として、福岡を主な拠点とするカスタマーサービスのマネージャーでしょうか。
祝
それぞれどういったスキルの方を募集されているんでしょうか。
高橋様
金融犯罪対策マネージャーは、AML/CFTと言われる、いわゆるトランザクションモニタリングだったり、ユーザースクリー二ング等のご経験をお持ちであることが優先度大です。併せて、コンプライアンスは規程などを決めて、こういった規程のもとに我々はモニタリングをしましょうという方針を立てていきますが、それを実装して改善して報告形態にまとめあげて、会社が取るべきアクションを取れる、サポートをできること。そこに精通している方に是非参画して頂きたいですね。
カスタマーサービスは、いわゆるカスタマーサービスのマネージャーをした経験がおありの方であれば、幅広くまずはお話ししたいと考えています。金融のバックグラウンドがあればベストですが、そこは強くは求めません。カスタマーサービスは基本的に問い合わせ対応なので、業界経験というより、問い合わせ対応の部署を立ち上げた経験や多くのメンバーをマネジメントされた経験といった点がむしろ重要です。ただ、情報に対する感度は絶対に持っていていただきたいですね。何が個人情報で、漏洩リスクを防ぐためにはどんなことをしなければいけないか、といった感度、そこだけは必須で持って頂きたいと考えています。
祝
今お伺いしてきたのは各職種に対して求めるスキルセット、ですが、一段上の目線で、貴社に採用において求めるもの、重要なものというのはどういったところになるでしょうか。
高橋様
非常に重要なのは、冒頭でお話しした理念に対してちゃんと賛同していただける方であることです。少しでもそこに対して疑念なり、そんなことが果たしてできるのか、などの疑問をお持ちの方よりも、と投げやりに思ってしまわれる方は正直に申し上げて現状ではお断りをしており、100%賛同頂ける方を我々としては強く求めます。この企業理念、一見分かりにくいかもしれませんが。ただ、一旦しっかりちゃんと咀嚼すると非常にしっくりくる企業理念で、先ほどもお伝えした通り私なりの解釈としては、この会社は人に優しい社会を創っていく、その手段として金融手段を使っていく、と捉えています。そういうところにここにご賛同いただける方に、是非参画頂きたいと考えています。
祝
やはり理念への共感が重要ということですね。
他にはどういった点が重要になりますでしょうか。
高橋様
あとはカオスを楽しめる人ですね。言葉は悪いんですが、立ち上げって非常に混沌としていて、様々な仕事、タスク、チャンスが様々なところに点在しているんです。ですので待ちの姿勢よりも自分でボールを拾いに行って、そのボールを形にして、きちんと前に進めていける方がマッチしていて、そういったことを楽しめる方と一緒に働きたいと思います。出来上がった組織の中で1なり5なりを6、7、8、9、10、20、100にするというプロセスを得意とされる方もいらっしゃいますが、今のメルペイでは0から物事を生み出していくことが必要です。物事を生み出す、という時はカオスなところから生み出されてくるものなので、それを楽しめることが絶対的に必要だと思います。
祝
新しいものを生み出すことを楽しめる方、ですね。これはやはり経験のある方のイメージでしょうか。
高橋様
あるに越したことはないですが、それができるか、というよりはそこを楽しめるかどうかがまず第一に重要だと思っています。面接でもよくお伝えするのですが、例えるならブルドーザーのごとく道なき道をつくっていける方、道を綺麗に舗装するだけではなくて無から道をつくっていける方、そういう方を求めています。もしくはそういうことをやりたい、やってみたいという方ですね。
私自身もそういった経験はないまま参画しているので、そこはその方の能力なり、やる気なり、カルチャーフィットなりといったところを総合的に判断して決めたいと考えています。私は経験がなくてもやる気がある方には、出来る限りチャレンジして頂きたいと強く思っています。それもある意味なめらかであり、優しい、ということだと考えているので。チャレンジした上で駄目だったな、という判断は当然起こりうるものだとは思うのですが、チャレンジせずに駄目だと判断するのは適切でないと考えています。ですので、たとえご経験がなくともやる気のある方のお話は絶対に伺います。
祝
ちょっと横道に逸れる質問かもしれませんが、いわゆるやる気があるかどうか、そこにパッションがあるかどうかについては、面接の場などでどのように確認されていますか。
高橋様
弊社のホームページを見てきましたか、であるとか、バリューについてどう思いますか、という部分は非常に重要な視点として持って確認しています。あとはインタビューの中で過去の経験とかいろんなものをお伺いしながら、自走できる方なのか、プロアクティブにものごとを運べる方なのかということを総合的に判断させて頂いています。
祝
ありがとうございます。
今は候補者の方に貴社が何を欲しているか、という観点でお伺いしましたが、逆に何を欲している候補者の方には貴社がマッチするでしょうか。参画することで、候補者の方は何を得ることが出来ますか。
高橋様
私は今幸せだと感じていて、仕事が非常に楽しいです。人がとても良くて、みんな理念に共感して入ってきているので目指すものが一緒なんですね。目指すものが一緒の組織はベクトルがぶれないので、批判をし合ったりはしごをはずしあう、ということが全く無くて非常に強いと感じています。それはこうした方がいい、でも目指している方向は同じだね、というところが確認できているので。理念に共感した仲間が集まっていることは弊社の最も大きな強みであって、そういった環境で働いていると、様々なことを辛いと感じないと思います。
単純にいうと、自分のしたいことをできているから楽しい。結果的にはもう、仕事と遊びに差がない、という感じですね。
祝
ここで仰っているしたいことができている、というのは、目指したいところに向かって仕事ができている、ということですね。
高橋様
そうです。
祝
人がいい、というお話もありましたが、例えばどういうときにそういうように感じられますか。
高橋様
例えば過去には、あるミーティングがありますという時に、この人とのミーティングちょっと億劫だな、という考えることもあったんです。理由はその方がすこしとっつきにくいとか、建設的批判でない批判をする、笑顔で話さないなどなど様々です。要するに同じ目線で話せてない、話せないということだと思います。そういうことがないですね、基本的に。
祝
それは何故なのでしょうか。
高橋様
これが正しい表現かどうかはわからないんですが、加点法と減点法ってある中で、私は日本の社会って基本的に減点法の社会だと思っているんです。例えばカスタマーサービスはやって当たり前で、ミスをすると強く怒られる文化があったりします。そうするとその業務をしている方って、基本的にミスしないようにびくびくしていて、ミスすると強く怒られて、疲弊したり怯えたり、という形になってしまいます。一方でメルペイは、何かやったらそのことに対していいよね!最高だよね!と称賛するような文化なので、失敗を恐れずにどんどんできる。それがバリューの『Go Bold』というところや『All for One』に集約されているのかもしれませんが、加点法的な考え方、文化の会社です。そうすると結果的にいい人が集まってきて、お互いのことをけなし合わない環境になる。そうするとやっぱり気持ちよく仕事ができるし、結果的にデリバラブルも非常にいいものが生まれてくる、ということだと思います。
祝
仕事上で例えば、立場の違いだったりとか意見の違いからくるコンフリクトみたいなことは起こらないんでしょうか。
高橋様
コンフリクトと感じるようなぶつかり方は、今まで少なくともしたことないですね、私は。単純に建設的議論といいますか。何故そう感じないかといったら、多分、ベクトルが合っていて、それぞれがやりたいことをやっているからだと思いますもちろん物事を進めていくうえで痛みを伴うことはありますが、何かを生み出すための痛みは正しい痛みなので、Good Painだと思っています。
候補者へのメッセージ
祝
ありがとうございます。
最後に読まれる方、候補者の方にメッセージを頂けますか。
高橋様
私自身は今の時代を、ちょうど破壊的イノベーションが起こる波が来ていると感じています。2000年代辺りにインターネットの第1の波みたいなものがあって、その後の第2なのか、第3なのか、は分かりませんが、間違いなく波が来ている。そしてこの波を逃すと、次の波がいつ来るかはわからない、そういうタイミングだと思います。変な例えですが、明治維新が起こっている当時はそんなことはわからなくて、後々あれが明治維新だったんだ、とわかる、といったような、そういった感覚を今強く抱いています。
今このタイミングは、後々考えるとあの時にパラダイムシフトが起きたよね、という転換点になりうるかもしれず、そしてそれを起こせる力がこの会社にはある、起こせる人がこの会社にはいる、と思ってます。大きなことを言うと歴史をつくれるんじゃないかな、と。是非、一緒にインターネット、金融のパラダイムシフトを起こしましょう。