株式会社オプティムは、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、もはや生活インフラとなったインターネットが、いまだに利用にあたりITリテラシーを必要とする現状を変え、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくことをミッションとして、創業以来すべての人々が等しくインターネットのもたらす、創造性・便利さを享受出来るようサポートするプロダクトの開発に尽力しています。今回は、同社の経営企画・人事を率いる山下隆敏様より、同社の魅力をアクシスコンサルティングの山尾、庄村がお聞きしました。この記事は2018年11月時点のものです。
「テクノロジーが戦略を定義する」
新しい時代の流れを感じ取りオプティムへ
山尾
はじめに、山下様のご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。
山下様
私は大学卒業後、新卒で銀行系シンクタンクのコンサルティング部門に就職しました。そこでは、組織・人事に関連する案件が多く、クライアントも中堅企業が中心でした。そのため、カウンターは社長であり、経営全般に触れることができるという、大変貴重な学びと成長の機会をいただけました。今、振り返ると、このファームでの経験が、私のコンサルタントとしての礎になっていたなと思います。
その後、会計系の大手コンサルティングファームで組織・人事コンサルティングを立ち上げる話があり、声をかけていただきました。こちらのファームでは戦略コンサルティングチームに籍を置いていたこともあり、組織・人事だけでなく、経営管理、BPRなど経営全般を見渡せる幅広いコンサルティングスキルが求められましたね。
3社目は、組織・人事専門の世界的に有名なコンサルティングファームからお声がけいただけ、移りました。企業の人事部門への期待値が人事のプロから、経営・事業のパートナーへと明確に変化したタイミングでした。私も数多くの案件を担当する中で「もっと経営・事業に貢献できる、売上・利益(コスト削減でなく)の伸長に貢献できる次のステージの人事コンサルティングができなか!?」と悪戦苦闘(笑)していたタイミングでした。このファームも、ちょうど人事のパートナーから経営のパートナーへと昇華を図るタイミングであり、クライアントの思い、私の思いと経験、ファームの狙いが一致したのが、お誘いいただけた理由であり、私が転職を決意した理由でもあります。その会社では、過分な評価をいただけ(汗)、最年少でシニアマネージャーに登用していただけました。
その後、外資系の総合コンサルティングファームで組織・人事チームの立ち上げを任されることになり、移りました。このファームでは、組織・人事コンサルティングのチームはあったのですが、この領域では、トレーニング案件がほとんどで、コンサルティング案件は数えるほどという状況でした。このような状況でしたので、入社段階から、明確に「組織・人事チームの実質的立上げ、つまりは案件の獲得とメンバーの育成をしてほしい」というミッションをいただきました。そのミッションをいただいた時は、今までの自分のコンサルタント人生の集大成として燃え上がるものがあり、チャレンジすることにしたのです。もちろん大変でしたが、マネジメントの一員として、リードコンサルタントとして鍛えていただくことができ、非常に充実した毎日でした。
山尾
コンサルタントとして組織人事の領域で様々な功績を残された後、オプティムに入社された経緯について教えてください。
山下様
コンサルティングを行う中で、多くの企業がさらなる成長に向け「イノベーション」に取り組んでおられました。しかしながら、新事業・新ビジネスモデルの創出など、結果を残せたケースはなかなか少なかったように思います。私もコンサルタントとして、その苦しみをクライアント企業様と一緒に体験してきました。そんな中、AI・IoT・ロボットなど新しいテクノロジーが登場し、「戦略をテクノロジーが支える」から「テクノロジーが戦略を定義する」変化を感じ、まさにそれに取り組んでいるオプティムに出会いました。AI・IoT・ロボット、さらにはビッグデータによって産業を再構築するというチャレンジは、非常に惹かれるテーマであり、もんもんとしていたイノベーションの実現に、光明が差した気がしました。最先端のテクノロジーを事業化させ、新しい産業を生み出そうとするオプティムの事業方針の中で、組織・人事のコンサルタントとしての経験を活かし貢献したい!さらなる自分自身の成長を遂げたい!という思いを持ち、コンサルタントを卒業することを決意しました。
経営企画・人事/山下隆敏 様
「オプティムを成長させるために必要なこと“すべて”」
を実行する経営企画
庄村
現在、山下様が携わっている職務内容について教えてください。
山下様
経営企画本部を管掌しており、広い視野で「オプティムを成長させるために必要なこと」を実行する役割にチャレンジしています。事業部門が効果的にビジネスを生み出し、作り上げてゆくために何が必要なのかを考え整える仕事です。そのためには、バックオフィス機能の充実もしかり、経営・事業が求める多様な人的リソースをいかに集めるかも重要な仕事です。オプティムでの経営企画の仕事は、会社を成長させるために必要な、あらゆることをやっていいというポジションだと思って取り組んでいます。
庄村
オプティムの魅力はITを用いて新しい産業を創造できるところだと考えておりますが、その中で経営企画の役割についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
山下様
抽象的ですが、会社全体の将来を見据え、今やろうとしていることの先に何が必要かを考え・準備すること、同時に、今必要なあらゆる施策の検討・実行の両方ですね。特に前者は重要な視点でして、事業部門から見れば今は必要ないと思う施策やリソースだとしても、これから必要になる可能性が高いと思えば、必要になったときにすぐに動けるように構えておく必要があるんです。例えば、採用という点で見れば事業部門からオーダーがなくても、そこまで事業領域を広げていなくても、「こういう人が必要になるかも?」という仮説をしっかりもって、先んじた採用に取り組んでいます。「かもしれない採用」ですね(笑)。目の前の事業に対峙している時は、なかなかその先を想像するは難しものです。そこを補完していくのが私たち経営企画の役割だと思っています。事業部門がすごいこと、おもしろいことを頑張って生み出してくれているのに、リソースが足りないといった理由で出遅れるのは避けたいですからね。もちろん会社全体として新しいことに取り組んでいるので、よく外しますが、それもまた経験であり勉強であり、そのたびにうちの人事は強くなっています。
庄村
少し話を広げて、AI・IoTのマーケットの動向と、ここでオプティムが勝ち抜くために経営企画として大切にしていることについて教えてください。
山下様
当社は数年前にAI・IoT・Robotへと大きく舵を切りました。会社としても投資を寄せており、事業を軌道にのせるために、現場は毎日頑張っています。この領域は、どこが結果をだすか?という段階に来ています。今やらなかったら意味がないという勝負の時に差し掛かっており、ここでやるべきことをやり切れるかどうかが、このマーケットで勝ち残れるかどうかを決めると思っています。非常にスピードの速い世界なので、日々刻々と事業の状況が変わります。その中で、経営企画として、その実現に向け必要な体制をいかに組んでいくか考え、しなやかに実行するよう心掛けています。
事業成長のフェーズは、どうしても事業(関連)投資に目が行きがちですが、そこで頑張ってくれているスタッフ、これから一緒に頑張ってくれるスタッフが思いっきり活躍できる組織・制度設計を行う、この両方の視点を持つこと、戦略的にバランスさせることが重要だと思っています。
我々としては最先端のテクノロジーを用いた
「業界」そのものを作り出したい
山尾
ITの導入に関して各企業のスピード感も増している感覚はありますか。
山下様
今までの事業は、大きな企業を中心に、小さな改善を重ねていくといった、ゆっくとした動きだった印象があります。ご存知の通り、すでにそういうフェーズは終わっていて、業界・会社に差こそあれ、いかに新しいテクノロジーを活用して、事業に変化を起こす、新しい産業モデルをつくろう一気に動き出した気がします。スピード感のある企業には、私たちが逆に急かされています(笑)
山尾
大企業でもAI・IoTを率先して導入するフェーズということですが、グローバルという広い舞台で戦っているという実感はありますか。
アクシスコンサルティング 山尾
山下様
ありますね。マーケティング活動はじめ、事業面での海外の活動も増えてきました。AIの領域では海外の企業と競争することも多いです。技術に国境や言語は関係ありませんからね。さらに、最近は海外からの問い合わせも多いです。それも企業だけでなく、毎月のように海外の学校・研究室・学生から問い合わせがあります。先日は、ヨーロッパの学校が「御社の事業を勉強させて欲しい」と来社されました。このように学校・研究室単位で自国以外の企業に学びに来ることが活発化しており、事業だけでなく人事も国境を越えてきた感がありますね。
山尾
グローバル規模での市場競争という話が出ましたが、今後この領域で生き残るためには何が必要だと思われますか。オプティムの今後の方針も踏まえて教えていただけますでしょうか。
山下様
技術力の高い企業がたくさんあります。当然、私たちもそこで負けないよう技術力を磨いています。ただ、私たちの基本戦略は「○○×IT」であり、「第四次産業革命の中心的企業」「AIを最も実用化する企業」を目指しています。そのためには技術だけでなく、それを活用し、新しい産業の形をつくりあげる「技術でストラテジーを定義する」ことが実現できる組織であり続けることが必要だと思っています。
採用ではカルチャー面での適合性も大事にしている
山尾
高い目標を抱える中で、現場の雰囲気についてはいかがですか。
山下様
社員みんな「大仕事を楽しんでいる」という感じですね。チャレンジしていると言おうとしましたが、手掛けていることが「チャレンジ」という言葉で表現できるレベルではないんです。200人の企業が、自分の何十倍何百倍もの大きい企業とパートナシップを組ませていただき「第四次産業革命の中心企業として、あらゆる産業を再構築する」と言っているわけですから。もちろん失敗も織り込み済みです。むしろ失敗の分だけ前に進めると楽観的に失敗を捉えています。なにしろ、会社名は「最適化(optimization)」と「楽観主義(optimism)」からつけていますから。失敗しないように縮こまって、ストライクゾーンに置きにゆく必要はなくて、思いっきりそうだと思うことことを、楽しんでやることを大切にしています。
山尾
最高のストレートを投げろと。
山下様
そうです。「目をつぶって思いっきり投げればいいよ」と。「当てたらごめん」ぐらいのノリです(笑)。もちろんですが、それができるようになるためのスキルや能力、人間性を身に着ける努力は要求します。
山尾
山下様がオプティムに入社された決め手にも当てはまりますか。
山下様
その通りですね。私は特に組織・人事の領域で生きてきた人間でもあるので、会社の雰囲気や、一人一人がどういうモチベーションで仕事をしているのかというのを大事にしていました。
山尾
この志向性が山下様が採用面接でも重要視している部分なのでしょうか。
山下様
そこは大事にしていますね。私たちは何もないところから新しいことをやろうとすることが多いです。誰も見たことがない世界ですから、成功することよりも失敗する可能性を説明することの方が容易なんですよね。しかし、できることをやるという志向では、新しい事業は生まれません。社会的にも経済的にもやるべき事業であればやるべきなんです。そういう発想を大切にしています。そして、決めたらやるという潔さもとても大事にしています。
庄村
今現在、事業部サイドに入社される方のバックグラウンドとしてはどういう経歴の方が多いのでしょうか。
山下様
どうしてもIT技術の知識は必須になるので、SIerのエンジニアなどIT業界出身の方が多いですね。IT関連のPMをやっていた方も経歴としてはマッチしていますね。
庄村
経営企画として今後どういう領域や経歴の方に入社してほしいという採用の方針はありますか。
山下様
エンジニアやPMの必要性もまだまだ高いですが、これからは「事業をつくれる/リードできる人材」も必要になってくると考えています。商社やコンサルティングファームで新規事業の企画立案に関わっていた方などです。また、技術がストラテジーを定義すると申し上げましたが、そうなると会社の規模ではなくて、技術を熟知している企業が音頭をとる必要があります。そうなると、オプティムがその役割を担うことになる。事業を立案し、提案する力も大切ですが、何よりパートナー企業様や様々な分野の社内外のスタッフを巻き込み、チームとしてまとめ上げるプロマネの力も必要です。
スタートは机上の空論でも、
そこに意義があるのであればやる会社
庄村
オプティムで働くことで得られる経験、やりがいについてもぜひ教えてください。
アクシスコンサルティング 庄村
山下様
過剰な表現かもしれませんが、今のオプティムが成し遂げようとしていることは明治維新と近くて、AI・IoTを作り、事業化するということは新しい産業を通じた国づくりとも言えるんですね。国が掲げているテーマでもありますので、ある種、歴史に残るような仕事に関わることができます。
そういう志の実現のような話もあれば、エンジニアとしての成長も当然あります。それだけでなく、面白い経験もできます(笑)。例えばドローンやAIによる解析によってつくったお米がもうすでに獲れ、オプティムが売っています。米屋です。収穫祭と銘打って、みんなで食べるんです。日本で初めての製法でできたごはんです。ITの会社なのに自分たちでつくったお米とか大豆とかを食べるんです。なかなか他のIT企業では味わえない経験ですよね(笑)。
山尾
それは田んぼをオプティムが買っているのでしょうか。それとも契約農家に頼んでいるのでしょうか。
山下様
契約農家に頼んでいます。農家に技術を無償提供して、獲れたものを全量買い取りします。今年は、AIが農薬散布の必要性がないと判断した田んぼもあり、獲れたお米は削減対象農薬100%減*に成功しています。減農薬米という付加価値のあるお米を、少し値段を上げて販売する。
究極の受益者は私たち消費者=食べる人であるという点から、相応の価値のあるものには相応の価格を設定をさせていただき、農家さんの収益性を高めていく。農業人口が減っていくという世の中の問題があって生まれたサービスで、効率的に稼ぐことのできる方法で農業をアピールし、日本の農業に貢献しようという目的もあります。
*削減対象農薬に限ります。詳細は「スマート米」の商品説明をご覧ください
山尾
まるで「下町ロケット」のようですね。
山下様
会社の規模的にもちょうど同じなんです。実際に中で働いている人や、間に立ってマネジメントする方達の葛藤が自分たちのことのようで、ドラマを見ているという感じがしないです。まさか、私も、米を売るようになるとは思っていませんでした(笑)。
何ができるか、本当にできるかわからなくても、着実に一歩一歩、強い信念と希望を持って前に進んでいきましょうと。その先には必ず良いことがあり、良い社会ができ、良い未来があるはずだって思えるんだったら進もうという方針なんですよね。きっかけは結構机上の空論のような時もあります。でも、それは否定するべきものでなく、そこに意義があるのであれば、それは修正し付け加え事業計画にしたてあげるべきものだと考える会社なんです。一方で駄目だと判断したときの見極め・方針転換も早いです。ある意味、PDCAを早く回す会社であると言い換えられるかもしれません。
候補者、読者へのメッセージ
山尾
ありがとうございます、最後に候補者となられる方、また読者の方にメッセージをお願いします。
山下様
2020年までに全ての企業がソフトウェアの会社になり、今までの産業分類では分類しきれない企業がたくさん生まれてくると思っています。オプティムは既存の分類ではITサービス業ですが、今ではお米を売り、医療機器も売ります。このような世界の中で、今までの延長線であり続ける仕事はもう存在しえないと思っています。
そして、世の中にはもう「安定している会社」というものは存在しないと思っています。不安定な田んぼでしっかり歩くために大事なのは自分の足腰。どうやって偉くなるかとか、どうやったら給料が上がるかとか、そういう表面的な話ではなくて、ビジネスマンとして、そして人として足腰を鍛える必要があり、それができれば自ずと偉くもなるし給料も上がると思います。オプティムはまさにこの社会で生きてゆく足腰を鍛えられる会社だと思います。
私たちは「日本一のエンジニアがいる」「日本一給料が高い」会社を目指しています。そのためには、エンジニアはもちろん、事業部の将来を見据えたサポートができる方、新規事業などのビジネスディベロップメントできる方等、多様な人材を必要としています。是非、新しい時代を一緒に創って下さる方、お待ちしております!