国内保険会社のグローバル進出が盛んな中、海外進出/成長戦略、グローバル統一における各領域(Customer、Finance/Risk/Tech等)のトランスフォーメーションを支援するPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング) 金融サービス事業部‐インシュアランスチーム(以下FS‐INSチーム)。
今回は、Global Insurance Advisory Leaderを務めるAbhijit Mukhopadhyay様、そして大須賀様、岡田様より、同チームにおけるグローバルとの連携や、コラボレーションの仕組みなどについてお聞きしました。
PwCコンサルティング FS-INSチームを率いるAbhijit様、大須賀様、岡田様のご経歴
長谷部
まずは、皆様のご経歴を教えてください。
Abhijit様
私はこれまでコンサルタントとして銀行やヘルスケア、保険業界に携わり、戦略、オペレーション、セールス、マーケティング領域のスキルを身に付けてきました。今はパートナーとして、グローバルにおけるインシュアランスコンサルティングのリーダーを務めています。以前にも、私は日本でインシュアランスチームを率いていましたが、現在再び日本に戻り、アジアのクライアント向けに日本のインシュアランスチームを率いています。
大須賀様
私は、新卒で国内生命保険会社に入社し、事務システム部門やホールセール部門、また米国での海外駐在などを経験し、約14年間勤務してきました。その後、2019年に外資系コンサルティングファームに転職し、金融保険チームとして主に生命保険会社向けの新規ビジネスや、異業種連携のプロジェクト支援などをおこなってきました。そして、2021年11月にPwCコンサルティングに転職し、現在はFS-INSチームに所属しています。
岡田様
私は、新卒で保険会社の関連SIerへ入社し、SEとしてキャリアをスタートしました。そこでは、主に保険会社の契約管理システムの要件定義から、システム保険の開発まで担当してきましたが、のちにエンジニアからITコンサルタントにスキルチェンジしています。
その後、ITコンサルタントとして他社のシステム更改プロジェクトに携わってきましたが、ITに限定せず幅広いフィールドでプロジェクト経験をしていきたいと思うようになり、2018年にPwCコンサルティングに転職しました。現在はFS-INSチームに所属し、保険会社の子会社設立支援や組織チェンジマネジメントの戦略策定支援などを行っています。
保険業界に対し、「戦略、業務、IT、DX、セキュリティ」すべてのサービスを提供
長谷部
続きまして、Digital Governmentのサービス内容やミッションをお伺いしてもよろしいでしょうか。
Abhijit様
主に5つのエリアでサービスを提供しています。
まず1つ目が、グロース&イノベーション。クライアントの競争力の源泉の変化に対応する「事業計画・新規事業計画」「インオーガニック成長・事業再編のプランニング・実行」等を支援します。
2つ目が、フロントオフィス•トランスフォーメーションの変革。顧客起点での商品・サービス構想策定であったり、Salesforceなどのテクノロジーを活用したセールスやマーケティングの効率化や新たな顧客体験の創造を支援します。
3つ目が、オペレーション•トランスフォーメーションの変革。デジタル技術を活用して、保全・保険金支払い中心とした「CX・EXトランスフォーメーション」「オペレーション戦略策定」や海外オペレーション統合支援を通したクライアントの持続的な成長をご支援します。
4つ目が、ファイナンス•トランスフォーメーションの変革。オラクルなどデジタルテクノロジー、Cloud/SaaSを駆使して、財務・非財務データを連携・統合した経営管理の高度化、経理人材配置の最適化、およびその全体構想・計画の策定を支援しています。
5つ目が、ESGやリスク。これは新たな保険会社として社会における役割・ミッション・課題として今後さらに注目されていくエリアになります。
この5つのなかでも、フロントオフィス、オペレーション、ファイナンスの3つが全体の約80%を占めています。
長谷部
FS‐INSチームのミッションについて教えてください。
Abhijit様
全体的な話から申し上げると、私たちのPwCコンサルティングのFSのビジョンは、「金融を通じた”インクルーシブな社会”の実現を目指し、クライアントの成長と変革のパートナーになること」です。もちろんデジタル変革もありますが、他にもオペレーションや財務、ESGなどクライアントが抱える課題すべてにフォーカスしています。
PwCが打ち出す新たな戦略「The New Equation」は、主に2つの柱からできています。その1つが、持続的な成果を出すこと。私たちはクライアントに対してただアドバイスするだけでなく、実行に移せる施策を提示し、長期的な結果を出していきます。
そしてもう1つが、信頼の構築です。社会や環境など幅広い分野で信頼を築き、ビジネスの共同体を作っていきたいと考えています。
他法人含め、グループ全体でコラボレーションしながら保険業界を取り巻く課題を解決
長谷部
FS‐INSチームの強みはどこにあるとお考えでしょうか。
大須賀様
今、Abhijitが申したように、クライアントの成長や変革に対し、ただアドバイスするのではなく、成果につなげることが重要です。その実現に向け、事実を集めて仮説を立て、クライアントに提言し、判断してもらうことができるのがPwCコンサルティング、そしてFS‐INSの強みだと私は思います。
どういうことかと言うと、例えばメタバースの世界で企業が仮想通貨やNFTを購入した場合に、どういうことがビジネス上で起こるのか。また、会計や税務面ではどのような問題が生じるのか。そのような新たなテーマに対して、クライアントは現状を知った上で判断したいと考えています。
そのような状況下で、PwCにはメタバースの専門家もいれば、会計、税務の専門家もいます。また、私たちのような保険ビジネスの専門家もおり、そういった有識者の知見を集め、クライアントにとってどういったビジネスオポチュニティがあるのかを提言した上で判断していただける。それがPwCの強みであり、特徴だと思います。
長谷部
実際に、大須賀様は、PwCの総合力を感じられる場面は多いのでしょうか。
大須賀様
そうですね。PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)のなかには監査法人があるので、保険業法やアクチュアリーの専門家や、例えばESG融資の際に求められるサステナビリティ領域の専門家もいます。さまざまな領域の専門家とコラボレーションしながら価値を創出できるため、そんな時にOne Teamで動いているのを感じます。
長谷部
岡田様が、PwCの強さを感じるところはどこでしょうか。
岡田様
前職のSIerは、システムに強い人材が集められていました。そこでスキルアップしながら、だんだん「なぜ、このシステムを作るのか」といった戦略的な部分にまで踏み込みたいという気持ちが高まりました。PwCコンサルティングは、クライアントの経営課題に踏み込むことができ、さらに多種多様な専門家たちと協業しながら幅広いアジェンダに応えられるため、それが強みだと思いますね。
長谷部
今皆様が仰っていたように「X-LoS(Cross Line of Service)」「X-OU」が御社の特徴であり強みだと思いますが、なぜコラボレーションができているのか、その要因を教えていただけますか。
Abhijit様
社内の構造によると思います。ファイナンシャルインダストリーが独立したチームになっているコンサルティングファームの場合、別チームと共同のKPIで成功した事例がほとんどありません。私たちとしてはX-LoSでコラボレーションできるように、長年にわたって組織の構造を改善したり、メトリクスを集約したり、リーダーシップをシェアしたり、さまざまな枠組みを取り払う努力をしてきたからこそコラボレーションが実現できていると思います。
トレンドとしてクロスインダストリーの取り組みが増えています。例えば、監査や税務だけでなく、ヘルスケアチームや小売業専門や製造業のチーム、通信専門のチームと一緒にクライアントのもとに訪れて課題を解決していくなど、業界を越えた取り組みに対してもこれからもっとフォーカスしていきたいと考えております。
日本と海外のタレント交流に注力、海外現地の有識者と連携しプロジェクトを推進
長谷部
PwCコンサルティング、そしてFS‐INSチームはグローバルとの連携にも強みがあると思いますが、その点について詳しく教えていただけますか。
Abhijit様
おっしゃるように、私たちはグローバルとのコラボレーションに力を入れています。その一例として、米国や英国、フランス、オーストラリア、シンガポールなどさまざまな国からパートナーを日本に迎え入れていますし、一方で、日本からグローバルへ人材を送り出しています。そして、お互いの最新の知見や情報をシェアしながらクライアントに価値を提供しています。
また、私はグローバル・インシュアランス・コンサルティング・リーダーとして、アジア全体のビジネス拡大を目的に活動しています。特に日本は、保険業界において世界で2番目の大きなマーケットを持っていますので、そのケイパビリティを活かして、他のアジアや欧州のマーケットに対しても強いチームを作っていきたいと思っています。
特に昨今は、クライアントのニーズがグローバル化しており、海外企業の買収からPost Merger Integration(PMI)、その後の戦略策定などの案件も増えています。グローバルなニーズに対応するため、さまざまな国の考え方や人材の交流を通してクライアントをサポートしていきたいと考えています。
長谷部
具体的に、どのようなグローバル連携が行われているのでしょうか。
大須賀様
例えば、新規ビジネスを創出するため、海外のスタートアップに投資している保険会社の案件であれば、私たちのチームは、海外マーケットや競合の動きを調査した上で仮説を立て、クライアントへビジネスオポチュニティを提示します。英語が母国語ではない国の場合、ウェブサイトにあまり情報が出ていないこともあり、そういった場合は現地のPwCメンバーファームの有識者や専門家と連携しながら情報や知見を共有してもらい、クライアントに示唆を出しています。
長谷部
岡田様はいかがですか。
岡田様
PwCネットワークを用いながらグローバルの情報や事例を収集し、それを日本で実現するにはどうしたらいいかなど検討するケースがあります。まさに、直近ではAbhijitさんに「USではどういった施策を打っていたのか」とご相談しましたね。
「支援されることに躊躇しない人」を求めている
長谷部
スキル面やパーソナル面を含めて、FS-INSチームが求める人物像を教えてください。
大須賀様
大きく2つあります。1つ目は、支援されることに躊躇しない人です。前述にもありましたが、チームで連携してクライアントに価値を出せるのがPwCコンサルティングの強みです。そのためチームへの支援を惜しまないことはもちろん、支援されることにも躊躇しないこと。つまり、チームメンバーや仲間、他の部門や組織に頼れることも大事な要素だと思います。
2つ目は、意欲的であること。PwCコンサルティングは、アンテナの高い人が多く、かつクライアントも新しいことに対して積極的なので、成長意欲のある人にとっては非常に刺激的な環境だと思います。
長谷部
1つ目に挙げられた「支援されることに躊躇しない方」とのことですが、裏を返せば支援されるカルチャーが醸成されているからこそなんですね。
大須賀様
それは間違いないですね。クライアントに価値を届けるためには、仮に自分と直接関係ないプロジェクトやチームであっても支援を惜しまない人たちがたくさんいます。私の上司にあたるディレクターも、「必要なリソース、情報は何か」「どんな有識者がいればより価値が出せるか」ときめ細かく確認してくれますし、「こんな知見がほしい」と伝えればいろいろな専門家が出てくる。そういう文化がファームのなかで根付いているのを感じますね。
長谷部
岡田様は、どういった方を求めていますか。
岡田様
PwCコンサルティングは多様性を武器にしながらチームで仕事を進めていきます。そのため、お互いの価値観を尊重し、お互いの置かれている状況を理解した上で、「それぞれが持つ強みを最大限に発揮していこう」という姿勢がある方と一緒に仕事がしたいですね。信頼関係を築くためには、頭だけでなく心も働かせながら相手の立場を想像していくことが大事だと思います。
長谷部
御社の働き方についても教えていただけますか。
岡田様
実はFSは、他の部門と比べて女性比率が高く、ワーキングマザーもたくさんいます。一方で、男性でも「子どもの送り迎えの時間帯は、ミーティングは入れないでほしい」という方もいて。つまり、性別に関係なく、「自分はこういう働き方をしたい」とお互いに開示できる環境があるんです。PwCには、自分の意見を伝える「Speak Up」が浸透しているため、自分の意見を発信し、一方で相手を受け入れるという文化が形成できていると思います。
キャリアコーチ、バディ制度など、パートナーからコンサル未経験までオンボーディングの仕組みが充実
長谷部
FS-INSチームのオンボーディングでは、具体的にどのような取り組みをおこなっていますか。
Abhijit様
サポート体制としては、入社1日目からコンサルタント一人一人にキャリアコーチがつきます。また、「バディ制度」というのもあるのですが、私は再び日本に舞い戻ってきましたので、私にもバディパートナーがついています。また、新しく入った方がいろいろな人と出会えるように今はバーチャルなミーティングを開いています。しかし、実際に人に会えないというのはチームになじむ上でも厳しい環境だと思いますので、今後は、社会状況を見ながら対面でのソーシャルイベントなどの開催も視野に入れていきたいと考えています。
長谷部
大須賀様はPwCコンサルティングに入社されて半年ほどですが、実際にオンボーディングではどのようなことをおこないましたか。
大須賀様
私はコンサル経験者だったので、1〜2週間程度の研修を受けました。また、先ほどAbhijitが申したようにコンサルタント一人一人にキャリアコーチがつくのですが、キャリアコーチとの関係性をさらに上から俯瞰して見るリーダーがおり、その体制も特徴的だと思います。実際に転職してきた当初は、PwCコンサルティングの評価制度や勤務体制などわからないことを気軽に質問したり、助けてもらったりすることが多く、メリットを実感しました。
さらに、コンサルティングの現場においては、クライアントに価値を提供するのはもちろん、それに加えて「どういう成長をしていきたいか」を一人一人と聞き取りをした上でアサインし、サポートしていきます。今はコンサル業界自体が拡大傾向で、なかなか育成まで手がまわらない会社も少なくないと思いますが、その点、PwCではクライアントに品質を届けつつも、丁寧に人材を育成していく仕組みが整っていると思いました。
長谷部
岡田様は、コンサル未経験でPwCコンサルティングに入社されていますね。
岡田様
そうですね。コンサル未経験の場合は、1カ月ほどの研修プログラムがあります。実は私自身、このPwCコンサルティングのコンサル未経験者向けのプログラムの立ち上げに携わっているんです。私が入社した当時は、各部門で基礎的な研修をおこなっていたのですが、その際に「もっとこういうところを教えてほしかったな」という部分もしっかりと掘り下げた研修内容となっています。コンサル未経験の方でも安心してPwCコンサルティングに参画していただけるかと思います。
長谷部
ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。
Abhijit様
私たちは、モチベーションが高くまわりとコラボレーションしながら、チームとしてしっかりと成果をあげていくことに共鳴してくださる方を求めています。言い換えれば、強いエモーショナルインテリジェンスです。もちろんIQは大事ですが、ビジネスをする上ではEQも大事。そういったEQやIQの両方ある方、そして、チームで成功を目指していける方をお待ちしております。
大須賀様
周りの環境によって仕事に対する意欲や成長スピードは変わっていくと思っています。PwCにはEQもIQも高いメンバーがそろっているので、そのなかで自己を磨き成長していける環境があります。志の高い方をお待ちしています。
岡田様
多種多様なバックグラウンドを持つメンバーが、お互いに尊重しながら、社会課題を解決するために日々奮闘しています。実現したいキャリアをしっかりと「Speak Up」していけば、自らその環境を引き寄せることが可能です。ぜひ、一緒にこれからのPwCを作っていきましょう。