具体的なビジネス成果を見据えた戦略ニーズが高まってきていることを背景に、クライアントの戦略を描くだけでなく、「戦略からDX等の実行まで一貫したサービス提供による価値創出」を目指すことをミッションに掲げるPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)Transformation Strategy(TS)部門。
今回は、同チームの山口 雷太様(Senior Manager)、亀井 健宏様(Manager)、鈴木 心也様(Senior Associate)、万 紫嫣様(Senior Associate)より、組織のミッションやカルチャー、実際の案件内容などについてお聞きしました。
※法人名、組織名、役職、インタビューの内容等は取材当時のものです。Transformation Strategyは現在、X-Value&Transformation・Technology Strategyと統合し、X-Value&Strategyへ組織変更しています。
PwCコンサルティング TSチーム 山口様、亀井様、鈴木様、万様のご経歴
井内
皆様のご経歴からお聞かせいただけますでしょうか。まずは山口様、お願い致します。
山口様
私は新卒で総研系コンサルティングファームへ入社し、主にテレコム・メディア企業などindustry軸の案件に従事しました。
PwCコンサルティングでは、業界にとらわれず、戦略からエグゼキューションの支援に至るまで、幅広いコンサルティングサービスを担当しています。
井内
続いて亀井様、お願い致します。
亀井様
私は新卒で戦略コンサルティングファームに入社し、新規事業戦略策定や中期経営計画策定、BDD(ビジネスデューデリジェンス)などの戦略領域のコンサルティング業務に3年半ほど従事しました。その後、総研系コンサルティングファームを経て、2020年からPwCコンサルティングのTSへ参画しています。
井内
続いて鈴木様、お願い致します。
鈴木様
私は新卒でITコンサルティング企業に入社し、システム構想策定、要件定義から、開発、運用・保守までを経験しました。
TSには、ITだけでなく、企業が抱える経営アジェンダにアドレスできればと思い、入社を決めました。現在は、ストラテジーからエグゼキューションまで幅広く対応できるプロジェクトに参画しています。
井内
最後に万様、お願い致します。
万様
私は中国出身です。大学院への進学をきっかけに来日し、新卒で総合コンサルティングファームへ入社しました。前職では、RPAの開発保守運用、データ分析の基盤構築、AI戦略など、主にDX系の案件に携わっていました。
PwCコンサルティングには、DXだけでなく幅広い分野での活躍の場を求めて2021年に入社をしました。
ビジネス&オペレーションモデルの変革に向けた「Strategy Through Execution」
井内
続いて、TSチームの概要について教えていただけますでしょうか。
山口様
TSは、ストラテジーコンサルティングの中の1つという位置づけです。
PwCグローバルネットワークのアセットをどう活用していくかも含めて、クライアントのビジネスモデルやオペレーションモデルの変革を成功に導くことを、チームのビジョンとしています。
こうしたビジョンのもとに、クライアントのCxOクラスを含む会社の変革リーダーと一緒に、既存の産業企業の枠組みを超えた新しい成長アジェンダの創造とサステナビリティの追求を両立します。私たちは「Strategy Through Execution」と表現しており、ソリューションありきではなく戦略実現・変革に最適なソリューションを選択・提案する形で価値を提供する組織です。
井内
組織規模はどれくらいなのでしょうか。
山口様
パートナーが5名おり、TS全体では70名ほどです。
パートナーのバックグラウンド、得意領域がそれぞれ全く違うので、多様な案件構成につながっていると思います。たとえば、全社DX戦略、新規事業、コーポレート、公共や政策立案などがあり、それらの幅広い案件に取り組んでいます。
亀井様
こうした案件に共通しているのは、クライアントの会社の仕組みを大きく変革するような要素を持つということです。
山口様
私たちは、トランスフォーメーションにおけるパートナーとしてEnd to Endの支援にこだわり、調査して終わり、戦略だけで終わりというのではなく、戦略から実行まで一気通貫の支援をします。
戦略実現、変革に最適なソリューションを選択提案するポジションが私たちであると自負しています。
井内
戦略チームでありながら、End to Endで伴走される点は特徴的ですね。その他、チームのカルチャーの観点で、何か特徴はございますか。
亀井様
人間関係のいざこざやワークライフバランスの破綻など、スタッフが働きにくい環境を嫌う風土がありますね。合理的に働くことで、クライアントへ最大の価値を提供できると考えているので、とても働きやすい環境です。
山口様
あとは、職員とパートナーの距離がかなり近いことも特徴の1つだと思います。
亀井様
そうですね。TSでは、毎週金曜日にTS Friday Collaborationという企画を行っています。COVID-19の影響からリモートワーク中心の働き方に変化しましたが、出社してチームメンバーと顔を合わせながら仕事をする機会を作ろうとTSのメンバーが企画しました。パートナーも差し入れをもって参加してくれます。皆で雑談しながらそれぞれの状況を確認したり、困っていることを相談したりチームコミュニケーションできる場を設けています。
ビジョン策定からPMOまで幅広い案件に取り組む
井内
皆様の業務内容や、印象に残っている仕事などについて詳しくお聞かせください。
亀井様
私は新規事業や中期経営計画策定、長期ビジョンの策定など、戦略の上流を中心に担当しています。
なかでも、大手メーカーの長期ビジョン策定のプロジェクトは、Strategy&やインダストリー側の部門と協業し、クライアントの課題に対して、その都度最適な価値を提供することをリードしていく、TSの「Conductor」としての強みが生かせたプロジェクトでした。戦略だけではなく、実行まで一貫して支援することができ、非常にやりがいを感じたプロジェクトとして印象に残っています。
万様
私は約1年参画していた、大手サービス業のプロジェクトにとてもやりがいを感じました。中期戦略策定支援から実行計画の策定まで、経営陣や現場の社員の方をどんどん巻き込んで、幅広く支援しました。現在はPwCコンサルティングの他のチームへプロジェクトを引き継ぎ、具体的な実行支援を提供しています。
鈴木様
私はデジタル会社のプロジェクトでデジタルソリューションの営業戦略策定と、受注後のPMOを担当しています。 伴走プロジェクトには、マラソンのような長距離走のイメージがあったのですが、実際は、社長や統括本部長と現場で密にコミュニケーションをとり、まるでシャトルランのように、毎日スピード感を持って仕事をしています。
前職では業務上ITやデジタルに強みを置き、そのシステムをどう使うかというHowの部分に寄って仕事をしていましたが、PwCコンサルティングの伴走プロジェクトは、Why、なぜそれをやるべきなのかを考えた上で、具体的な営業の手法やアクションに落としていくので、考え方やアプローチの仕方に違いを感じています。
井内
集中しつつ幅広く多様な案件を経験できるのですね。
山口様
そうですね。PwCコンサルティングでは、Senior Associate以下は基本的にシングルアサインですので、一つのプロジェクトに集中でき、深くクライアントや仕事のことを学ぶことができます。
「アイデアの出し方」「ロジックの立て方」をサポートし、コラボレーションのハブとなる
井内
御社の特徴あるコラボレーションカルチャーについて、皆様の目線からお聞かせ下さい。
万様
PwCは他のチームとのつながりがうまく機能していますね。PwCコンサルティングには、プロジェクトを単独部門で推進するより、他部門とコラボレーションした方が評価される仕組みがあり、これによって他の部門やチームとコラボレーションするモチベーションも上がっているのだと感じています。
山口様
制度ももちろんですが、組織を超えてお客様に価値を提供しようという社風なので、クライアントや知見を自分1人で抱え込むことが推奨されない雰囲気があります。転職してきて、このような雰囲気に驚く職員もいます。
井内
そういった雰囲気は、組織のリーダーであるパートナー陣の影響も大きいように思いますが、いかがでしょうか。
亀井様
パートナー自らが「あの人は、どこどこの部署のパートナーで、カジュアルな人だよ。気軽に話してごらん」などと、気軽に紹介してくれるので、パートナー、マネージャー、スタッフとのつながりが生まれやすい環境が作られていると感じています。
オープンな人が本当に多いです。「やさしい、コンサル」というのが、体現されていと思います。もちろん、仕事の品質に関しては厳しいですが、知見の共有や価値を高めることに関しては、本当に協力的です。壁を感じたことは、PwCコンサルティングに入社してから1度もありません。
井内
実際にコラボレーションした案件についてもお聞かせいただけますか。
鈴木様
私のコラボレーション案件の例を出しますと、システムのロールアウト支援をTechnology Digital Consulting部門と連携した経験があります。また、先ほどお話したデジタル会社の支援を、Strategy&、X-VT部門¹などとコラボレーションして行っています。
万様
私も先ほどお話したサービス業のクライアントのプロジェクトを、X-VTのメンバーと連携して進行していました。実行支援のフェーズに入った現在は、カスタマートランスフォーメーション部門²、ピープルトランスフォーメーション部門³などと連携しています。
私たちとクライアントの分科会の中に、早い段階から他の部門も専門家として出席し意見を出してもらい、クライアントの信頼を築いておくことで、案件の継続も上手くいくように努めています。
山口様
もちろん、TSのメンバーのみで行うプロジェクトもあります。私たちには、さまざまなバックグラウンドを持ったメンバーがいるので、さまざまな案件に対応ができます。
ゼネラリスト/エキスパートの両輪でキャリアを形成できる
井内
転職を検討される方にはITから戦略へキャリアチェンジをしたい方も多いですが、一方で不安を感じる方もいらっしゃいます。皆様はご入社後、どのように戦略領域をキャッチアップされたのでしょうか。
鈴木様
私が最初にアサインされたのは、戦略策定とシステムのロールアウトのプロジェクトでした。その中でシステムを軸にしつつ、どうやって事業として進めていくのか戦略策定の部分まで携われたのは、きっかけとして良かったと思っています。まず1つ、成功体験が積めました。また、戦略領域のバックグラウンドを持った方から吸収できる機会も非常に多かったです。
万様
TSには、上流の新規事業の立ち上げや、クライアントの中期の戦略策定、未来の事業構想など、面白いテーマの案件がたくさんあります。成果物の品質に対する要求も非常に高いので、その分成長もとても早いです。さらに、さまざまなテーマのプロジェクトに携わることができるので、個人の成長や、やりがいなどを日々感じることができています。
亀井様
TSでは多様な経験ができるので、スキル面でフィットする業務、希望する業務がはっきりしてくると思います。ゼネラリストとしてのキャリアも、エキスパートとしてのキャリアも満たせるのが、TSの魅力の1つです。
私の場合は、上流の未来創造といった抽象度の高い仕事の方が得意であり好きなので、そういうキャリアを歩みたいと思っています。パートナーはじめ、上司も理解してくれているので、そのようなキャリア形成のためのアサインが提供されますし、自分で自分のキャリアを組み立てられる社風には感謝しています。
井内
山口様は、メンバーのキャリア実現のために、マネジメントの立場から意識されていることはありますか。
山口様
もちろんクライアントあっての仕事ですので、自身の希望に沿わないプロジェクトにアサインされたと感じるようなこともあるかもしれません。ただ、それはメンバーの望むキャリア実現に有用な経験だと判断した上でのアサインですし、特にAssociate、Senior Associateの職員に対しては、多様な経験が積めるような仕組み、仕掛けを用意しています。
プロジェクトへアサインされる前に、アサイン面談にて、プロジェクトマネージャーからプロジェクトの説明や期待役割の説明が行われる機会が設けられます。
期間の長いプロジェクトの場合は、最大1年でローテーションを行うなどの工夫もしています。
井内
メンバーからアサインメント上の悩みや相談を受けるメンターやコーチのような存在がいらっしゃるのですね。
山口様
はい。PwCでは、コーチ制度を導入しています。私も3名のコーチを担当しています。メンバーの相談を受けて、パートナーと相談しながらアサインを考えることもあります。
井内
先程、ゼネラリストとしてのキャリアもエキスパートとしてのキャリアも満たせるとのお話が出ましたが、その先のイメージというものについてもお聞かせください。
山口様
候補者様の中には、スーパーゼネラリストではこの先仕事を続けていけないのではないかと、不安に思っている方がいるかもしれません。
私自身は、DXの専門性があれば、この先10年はコンサルタントして仕事ができるだろうという想いでTSを選びました。実際に入社してみると、インダストリーもテーマも幅広いですし、専門性があってもそれを陳腐化させないために常に磨く必要があると感じました。大切なのは、コンサルタントとしてバランスよくタッチしていくことです。ゼネラリストでありエキスパートであれば、今後どんな場所でも通用します。このようなキャリアを積めるのがTSの魅力だと思います。
個人の提案を歓迎する懐の深さがある
井内
あらためて、TSチームのカルチャーについてお聞きできますでしょうか。
山口様
70人ぐらいの組織なので、お互いの顔がよく分かっていて、ベンチャーっぽい雰囲気があると思います。お互いの意見が尊重されるような、そういう文化がそもそもあります。
仕事の品質については、厳格にマネジメントされますが、在宅勤務や育児休暇の取得などの面でも、うまく働き方のバランスが取れている組織だと思います。
亀井様
特徴的だと思うのは、提案を歓迎するカルチャーがあることです。例えば、「中途入社の職員が困っているから研修会を開催します」と提案したところ、パートナーが賛成してくれて、いつの間にかTS公式の研修会になったこともありました。パートナーに対して意見を言うことも歓迎されています。
さらに、やはり連携の強さを感じています。ポジションに関わらず助け合いができるので、とても働きやすいです。自分で全部抱え込まず、困ったら助けてもらえるので、プロジェクトに集中して価値を出すことができています。
鈴木様
亀井さんがハブになっていますよね。相談すると、「あの人に聞いてみたらいいよ」とつないでくれたりします。
山口様
コミュニケーションを促進してくれるような方が、ちゃんといる組織だと思います。
鈴木様
私は、Work hard, Play hard的なカルチャーをすごく感じています。仕事に一生懸命な一方でニッチな趣味があったり、あとは食事に連れていってくれる先輩もいたりします。そこが上手く作用している組織なのかなと感じています。
万様
以前、TSにはどのような職員が所属しているかを紹介する機会がありました。皆さんのバックグラウンドが多種多様で本当に面白かったです。私は、外国籍で女性ですが、TSでは実力主義で活躍ができていますし、妥当な評価をいただいていると感じるので、ぜひダイバーシティ重視の方に来ていただきたいなと思います。
井内
最後に、どのような方と一緒に働きたいかお聞かせください。
万様
私の場合、視野が広くてチャレンジが好きな方と一緒に働きたいです。生成AIに代表されるように、AIの進化などによって、定型業務による価値提供の機会は減っていくように思います。そういう意味でクリエイティブな方、クライアントにより付加価値を提供できる視野を持っている方に来ていただきたいなと思っています。
鈴木様
TSには多様なバックグラウンドや価値観を持っている職員がいるので、それぞれの価値観を受け入れられる度量のある素直な方と一緒に仕事がしたいです。
亀井様
一つ目は、価値を出すことに一生懸命になれる方。二つ目は、自分の得意不得意をコラボして埋めていくにあたって、オープンなコミュニケーションができる方。言いにくいから言わないとか、できなかったから隠すということがなく、何でもざっくばらんに話せる方を求めています。
山口様
コンサルタントは資格のない仕事なので、プロフェッショナルであることをちゃんと意識できる方でしょうか。先ほどの亀井の話はまさにその通りで、クライアントの課題解決のために、オープンマインドでのコラボレーションも含めて、価値提供に対してプロ意識を持った方と働きたいと思っています。
1.X-Value & Transformation(X-VT):主にM&Aやアライアンスなどのインオーガニックグロース領域を中心とする戦略コンサルティングサービスを展開する部門
2.Customer Transformation:マーケティング、セールス、カスタマーサービスの領域の戦略立案、業務改革、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)のシステム導入などを支援する部門
3.People Transformation:主にCEO、CHRO、人事部門をクライアントとし、企業戦略の中枢となる人的資本の競争優位性を最大化させるべく、人事戦略の策定、人事制度の設計、組織・カルチャーの設計、人事機能の変革、HRテクノロジーの導入、HRデューデリジェンス、PMIといった幅広いテーマに対して、包括的なコンサルティングサービスを提供する部門