コンサルティング事業に加え、社員が自社の組織づくりや新規事業開発に関わる「コンサルティング+1」制度を敷く株式会社Regrit Partners。 今回は、同社にて執行役員/Directorとして、採用を管掌している袴田智博様に、現在までのご経歴、「コンサルティング+1」の事例、求める人物像などについてお聞きしました。
Regrit Partners 執行役員/ディレクター 袴田智博様のご経歴
安形
まずは、袴田様のキャリアについて教えてください。
袴田様
私はIT畑のコンサルタントです。名古屋工業大学大学院の博士前期課程を修了しており、情報工学、人口知能を学び、研究室では音声認識の高精度化に取り組んでいました。
新卒でフューチャーアーキテクト株式会社に入社し、大手企業の基幹システム刷新プロジェクトに従事していました。フューチャーは技術力が高く、非常に優秀な先輩も多く、社会人としての基礎体力を身に付けられた時期でした。
しかし、私が技術系スペシャリストのコースに進んでいたことも理由ではあるのですが、自社オフィスの中でひたすらシステム開発に取り組む一方、社外の方との接点がほとんどありませんでした。次第に、「エンジニアとしての能力は磨いていけるかもしれないが、このままではビジネスパーソンとしてはつぶしが利かなくなるのではないか?」という漠然とした危機感を覚えるようになり、総合系コンサルティングファームであるベイカレント・コンサルティングに転職しました。
ベイカレント・コンサルティングでは、大規模な基幹システムの刷新プロジェクトに携わり、ユーザー側のPMOとして進捗管理や課題管理などのリスクマネジメント、ステークホルダーのマネジメントなどを経験しました。
超大規模なプロジェクトマネジメントにおいては、ソースコードの修正だけで解決できないようなトラブルが日々発生し、大変な日々ではありました。しかし、着実に成果を上げていく中で、クライアントからバイネームで仕事を依頼されるようになっていきました。コンサルタントとしてこれ以上にない幸せを感じるのと同時に、「個人でしっかりと関係性を築くことができれば会社の看板がなくても仕事ができる」という確信を持つようになりました。
折しも2017~18年頃はフリーランスとして独立するコンサルタントが増え、その流れに乗って私も独立を考えていました。そういったことを考えていた矢先に、Regrit Partnersの立ち上げメンバーの1人から声をかけてもらい、最初は驚いたものの、「どうせやるなら、1人よりも仲間とビジネスを拡大していくチャレンジの方が面白そうだ」と考え、2019年4月にRegrit Partnersに参画しました。
安形
御社に入社を決意した理由について教えていただけますか。
袴田様
同時期に創業されているベンチャーファームの多くは、実態としては人材派遣・SES型を取っているように認識しています。つまり営業が「枠」を確保し、解決策として「人」を提供していくモデルです。
一方、Regrit Partnersではクライアントの課題やテーマに対し、人を提案するのではなく、プロジェクトを提案し、デリバリーをしていきます。当社ではコンサルティングファームとして、意思をもってビジネスを構築していくことができると確信し、入社を決意しました。
安形
袴田様の現在の役割を教えてください。
袴田様
現在、ディレクターとしてコンサルティングのプロジェクトに取り組みながら、自社の採用責任者も兼務しています。
安形
採用責任者の担当を兼務されたきっかけを教えてください。
袴田様
入社2日目に代表取締役の山木から「きっと袴田に向いているだろうから、チャレンジしてみてほしい」と声をかけられたのがきっかけです。
これまでのキャリアでは、採用はおろか人事全般の経験がなかったため大変驚きました。まずは「採用とは何か」を一から学ぶことから始め、目標達成に向けてこの2年間トライ&エラーをしながら日々ベストを尽くしています。
コンサルティング+1で「自分の能力やキャリアに厚みを持たせられる」
安形
実際に働かれている中で感じる「Regrit Partnersならではの強み・面白さ」があれば教えてください。
袴田様
Regrit Partnersでは「コンサルティング+1」という制度を採用しています。コンサルティングをしながら実務・事業経験が積めるため、厚みを持った能力・キャリア形成が可能です。
私自身のエピソードを挙げると、自分自身は人間よりもコンピュータの方が好きなタイプでした。そんな私が、社員数25名の組織を100名まで拡大する過程で経験し、学んできたことは、コンサルティングの中でも活かすことができています。
安形
具体的に、+1の経験を活かせたエピソードについて教えてください。
袴田様
例えば昨今は、DX推進を行う部門を立ち上げる事業会社も増えてきました。しかし、特殊な要件の人材を社内外から集め、活躍してもらうための仕組みを作って運営していくことは、そう簡単ではありません。そういったお客様に対して、ペルソナの設定方法や採用チャネルの選び方、エージェントの活用方法、既存の給与体系の見直しなど、私自身の経験も踏まえたご支援をすることがありました。
もちろんコンサルタントであれば、論理的に考えてペルソナやプロセスの設計をしていくことは可能でしょう。しかし、ロジック通りに物事が運ばない苦難を経験し、仲間にしたい人を本気になって口説いた経験を持っているコンサルタントは、マーケットにどれほど存在するのでしょうか?
安形
「コンサルティング+1」の事例について、袴田様の他にも事例があれば教えてください。
袴田様
私がリードしている中途採用チームの中では、例えばシニアコンサルタントのメンバーが、採用媒体を使ったスカウトの企画・運営をしています。自らも手を動かしつつ、他のメンバーのオペレーション管理や、RPAを活用した自動化などに日々トライしています。
さらに、当社の認知を高めるためのブランディング/マーケティング/PRも、様々なメンバーが手分けをして企画・実行をしています。
2021年11月の中旬にリブランディングを兼ねたホームページのリニューアルを行ったのですが、20代の若手メンバー中心に、文字通りGritしてもらいました。
「2層型の1on1」で中長期的なキャリアをサポート
安形
「コンサルティング+1」におけるコンサルティング業務以外の部分、つまり自社の組織づくりや新規事業開発等に参画をする際、どういった基準や方法でアサイメントを決めているのでしょうか。
袴田様
基本的には本人の意思で、やりたい活動に手を挙げるスタンスです。
会社の規模も大きくなり、各 +1 領域の活動も拡大しているため、各領域の活動状況などは可能な限り公開・開示するようにしています。
安形
キャリア支援に関わる制度があれば教えていただけますか。
袴田様
直近では「カウンセリング制度」を立ち上げました。具体的にはシニアマネージャー以上がマネージャーやシニアコンサルタントのケアを、マネージャーがシニアコンサルタント以下をケアするという2層型で1on1のカウンセリングを行い、同じメンバーが中長期的にサポートできるようにしています。
以前、実施していた1on1制度では、意図的に四半期単位で組み合わせを変更していました。目的が様々な人とコミュニケーションを取ることだったため、組み合わせの変更は合理的ではあった一方で、中長期的なキャリアに関する継続的な相談がしづらいという声が挙がっていました。
そこで、組み合わせを固定した2層型のカウンセリング制度への発展的な変更を行いました。
安形
「コンサルティング+1」など、キャリアを形成するにあたって魅力的な制度が数多くありますが、御社では具体的にどのようなキャリアパスを歩めるのでしょうか。
袴田様
大きく3通りのキャリアパスがあります。
1つ目は、コンサルティング事業の運営で、管理職や役員を目指すパターン。
2つ目は、子会社のCEOや投資先会社の事業責任者を目指すパターン。
3つ目は、コンサルタントとしての高みを目指していくパターン。
さらに当社では、コンサルタントはマネジメント型とエキスパート型に分けています。音楽で例えるならばマネジメント型コンサルタントは指揮者、エキスパート型コンサルタントは圧倒的プレイヤー、あるいはソリストのようなイメージです。
マネジメント型は、社内のエキスパートや社外のパートナーの力を結集し、価値提供をしていくマネジメント能力が求められます。一方、エキスパート型は、自身の専門性で、キラーソリューションを提供する役回りを期待されています。
また、本人のやる気や能力次第では、他のポジションへの異動や兼務も可能です。
安形
御社は「CxO Firm」として「1000人のCxOを輩出する企業となる」というビジョンを掲げていらっしゃいますが、実際に御社を卒業した方はどのようなキャリアを歩まれていますか。
袴田様
事例としてはこれからですが、新規事業の子会社化や投資先企業の役員への流れを作りたいと思っています。
また「Regrit Partnersのこのランクの人はこういうことができる」という話が広まって、社員にバイネームでスカウトが来るくらいの認知を獲得したいですね。また、魅力的なスカウトに負けないような働きがいは追求し続けたいと考えています。
会社のためではなく「自分のためになる経験を積みたい」という人を求めている
安形
採用責任者として、どのような人に来ていただきたいと考えていますか。
袴田様
「この環境を使って何かを成し遂げたい」「事業を立ち上げたい」「CxOになりたい」などの明確な意志を持っている人です。
会社のために貢献しようと考える必要はありません。それよりも、Regrit Partnersという環境を最大限に活用し、お客様や仲間に価値を提供しながら、自分のためになる経験を積みたい、スキルを高めたいという人が良いですね。
加えて当社では、バリューフィットと思考力という2つの要素を重要視しています。当社のバリュー(価値観)に共感しつつ、共にカルチャーを創り上げていけるような方を迎えていきたいです。
安形
御社のバリューフィットとは具体的にどういったものですか。
袴田様
Regrit Partnersのコアバリューは、Be Strong(個の能力を徹底的に磨け)、Co-create(共創)、Grit(やり抜く)の3つです。
Be Strongとは、身の回りの仲間やお客様を助けるために、自らを高め続け、周りにも刺激を与えられる人。Gritとは、目標・目的を果たすために、周りを巻き込みながら熱をもってやり遂げることができる人。こういった価値観を行動として体現し、周りにも影響を与えられる人とともに、熱狂を生み出していきたいです。
安形
CEOとメンバーが同じフロアで働き、メンバー同士自然にコミュニケーションを取られているような印象を受けます。改めて社風についても教えてください。
袴田様
当社オフィスは、社長や役員の部屋はおろか机・椅子もなく、仕切りもありません。全員が同じフロアで分け隔てなくコミュニケーションができるというのは、特に大手のファームとは大きく違うように思います。実際に他のコンサルティングファームで働く方からは、「経営層が何を考えているのかがわからない」という声も多く聞きます。この先規模が大きくなっても、経営層とメンバーで壁を作らないことにはこだわっていきたいです。ただし、表層的な仲良し集団ではなく、プロフェッショナルの集団であり続けたいですね。
安形
ありがとうございます。それでは最後に、候補者へのメッセージをお願いします。
袴様
Regrit Partnersという環境を使って自己実現を果たしてやろう!という強い意志がある方をお待ちしております。