「DXの最前線で未来を変える、変革を創る。」をミッションに、クライアントのデジタル戦略・ビジネスモデルの立案から実装までを支援するRidgelinez株式会社。
今回は、データ活用戦略立案や、データ分析/業務モデリングなど、最先端のテクノロジーを駆使して経営課題の解決を行うBS Practiceのソリューション・組織について迫るインタビュー。
※BS Practiceのキャリア・求める人物像については下記記事もご参考ください。
Ridgelinez株式会社 BS(Business Science) Practice インタビュー/「データサイエンティストのスキルを持ち、データ活用のTo Beモデル構想から実装までできるコンサルタント」を輩出するBS Practice
「データ分析を活用して自ら問題・課題を設定し、お客様と共に解決していくことこそ我々のミッション」
髙村
まずは野村様から、ご経歴をお聞かせいただけますでしょうか。
野村様
私はシンクタンク系のファームで産業流通業界のコンサルタントを長くしていました。
そこでは、流通業、食品メーカーの戦略から業界全体の構造改革などを手掛けたのち、富士通の経営戦略室にて経営戦略立案や事業部門売却などに携わりました。その後Ridgelinezに参画しました。
Toshiki T.様
私は、大手外資ファームでのデータ活用コンサルタントが一番長いキャリアになります。途中、事業会社のデジタルマーケティング部門でマネジメントをやっていたこともあります。直近では、外資系スタートアップの日本法人代表を3年半ほど務め、その後Ridgelinezに参画しました。
Shoichi E.様
私はもともとIT大手企業に入社し、プログラマとしてJavaやC言語でパッケージ開発をしていました。その後SE、PMとしてキャリアを積む中で、アメリカ事業部門への異動によりニューヨーク駐在となり、金融業界の勘定系システム更新などのPMを経験してきました。帰国後、海外で得た経験や気づきを生かしたいと考えるようになり、2021年8月からRidgelinezにジョインしました。
Kota M.様
私も2021年11月からRidgelinezにジョインしています。2020年からIT大手企業に入社し、SE・ITコンサルタントとして金融系のプロジェクトに携わってきました。クライアント企業に出向してシステム開発を担ったり、新規事業系のコンサルティング等のプロジェクトを担当しておりました。
髙村
BS Practiceのミッションについてお教えください。
野村様
BS PracticeはRidgelinezの中でもデータサイエンティストのスキルを持ったメンバーが在籍しているコンサルタント集団という位置付けです。データサイエンティストと一口に言っても、ただデータ分析ができるだけではなく、戦略課題を捉え、問いを設定できる、すなわち戦略から実装までを担えるコンサルタントであることを目指しています。
そのため、人材もバラエティ豊かで、戦略系から業務定義までを主業としているメンバーや、問題設定からアルゴリズム構築までを主業としているメンバー、さらに実装、チェンジマネジメントを担っているメンバーと多種多様なメンバーで構成されています。変革のコアエンジンを提供することが私たちのミッションです。
髙村
昨今のマーケットの変化や競合との差別化についてはどのように捉えていらっしゃいますか。
野村様
DXが注目を集めている昨今において、従来のやり方を根本的に変えていこう、新しい技術ややり方を取り入れていこうという機運は相当高いと感じています。単なるデータ活用(可視化)から、予測や最適化を使って積極的に意思決定を支援していく、判断プロセスそのものを自動化していくといった取り組みへの支援要請が多数寄せられています。テクノロジーは手段でしかないのですが、テクノロジーを起点に変革を創造する取り組みはますますニーズが高まっていくと思います。そうした中で大切なのは、戦略からアルゴリズム、そして実装、チェンジマネジメントを一体として提供することでより具体的、確実に変革を成し遂げられる、スキル、体制が準備出来るかとなります。我々はコンサルタントでありながら、データサイエンティストです。ワンストップで戦略とテクノロジーを提供できる組織は差別化要因になりえると思います。
また、先端技術を気軽に使える富士通をバックボーンとした弊社のポジショニングはテクノロジー側面でアドバンテージだと思います。
髙村
差別化に関して、御社が提供する価値の違いをどこに感じていますか。
Toshiki T.様
15年ほど前までは、データサイエンスは金融やマーケティングなど一部の領域に特化していました。しかし、近年はあらゆる領域でデータ活用が進み、データドリブンマネジメントへの期待が非常に高まってきています。
データを活用して新たな示唆を与える、予測していくというコンポーネントを経営戦略や事業戦略に落とし込み、今までよりも広い領域でデータサイエンスを実行する。その領域はまだ他社が実現できていない領域だと思います。
髙村
データサイエンスを実行するだけでなく、それによって経営戦略を変えていくことを目的としているところが、他ファームと比べても大きな違いなのですね。
Toshiki T.様
はい。今はどこのファームでもコンサルとデータサイエンスでやっていこうとしていますけど、我々には、自ら問題を設定できる本当のデータサイエンティストがいます。バックボーンに富士通があることで、高度かつ最新技術を適用した新たなモデルの適用が可能であり、かつ実装まで一体化することも可能です。必要に応じて研究所にある基礎技術を持ち出すことも可能であり、日本発の企業ならでは先端的な技術を活用したダイナミックなイノベーションを目指したプロジェクトも手掛けることができます。
髙村
現在のチーム規模を教えてください。
野村様
プライマリー所属で33名。セカンダリーを入れると45名ぐらいです。(※取材日時点) (※Ridgelinezでは、Practice制度を導入し、最大2つの組織に参加することができます。これにより主体的かつ業界×コンピテンシーなどの「π字型キャリア」を形成することが可能です。)
いくつかのドメインがあり、経営・マネジメント変革を担うデータドリブンマネジメントドメインと、主にサプライチェーン最適化担うインテリジェントサプライチェーンのドメイン、そのほかに製薬や化学、金融などの分野におけるデータサイエンスを担うドメインがあります。経営領域のアナリティクスからバイオインフォマティクスやマテリアルインフォマティクス、ゲノム解析やたんぱく質の構造解析等など幅広く取り組んでいます。
富士通グループの高い技術力ゆえに、最先端テクノロジーを使ったチャレンジングな取組みができる
髙村
富士通の技術力の高さも差別化に繋がっているのでしょうか。
野村様
仰るとおり、我々は他のファームにはないテクノロジーアドバンテージを持っています。富士通がバックボーンにありますから、例えば量子コンピュータ等の最新テクノロジーのドメイン適用(応用技術開発)にも取り組む機会があります。メタデータやオントロジーといった知識処理も10年前から取り組んでおり、ナレッジ等の知識処理も多くのプロジェクトの経験があります。最先端のテクノロジーを使って今までは処理しきれないチャレンジングな課題に取り組めることも、この会社ならではの特徴だと思います。
髙村
そうした特徴がクライアントへ提供できる価値に繋がっていくのですね。
野村様
ビジネスモデル、プロセスモデル、アルゴリズムモデルのプログラムが一体化して提供できるファームは少ないと思います。かつRidgelinezは中にTechチームもありますし、富士通のバックボーンも使えますから、我々は変革のコアとなる領域に注力することができることも弊社の特徴の一つだと思います。
Shoichi E.様
多様な人材でTeamingできるところ、最終的な大規模システム構築を見据えて構想を検討できるところが、富士通がバックボーンである事のメリットだと考えます。
豊富な案件から自分の「やりたい」が見つかる
髙村
富士通がバックボーンにあることは、どのような利点に繋がっているのでしょうか。
野村様
富士通チャネルを活用してビジネス開発出来ることができます。案件は多種多様にあります。また弊社から話を持ち込むこともできます。さらに富士通と一緒になって大きな案件を担うこともできます。
Toshiki T.様
私は、全国津々浦々の営業組織が利点だと感じています。やはり、コンサルティングビジネスで重要なポイントの一つはパイプラインをどれだけ持っているか、打ち手がどれだけあるかなので、そこの総量が圧倒的に勝っていると思います。
髙村
そういった案件は、どういう形でBS Practiceに話が来るのでしょうか。
Toshiki T.様
もともと富士通が構築したシステムが各社に入っているので、新しい構想を練る段階で富士通に声がかかって、我々が構想策定を任されるといったところですね。
Kota M.様
ヘルスケアに関して言うと、電子カルテのシステムは富士通が日本の大病院の中でかなりのシェアを占めています。その強みを活用しながら事業を作っていくのはかなり広がりがあると思います。
髙村
実際にご経験した案件やそこでのご自身の役割などについて、Shoichi E.様、Kota M.様からお聞かせいただけますか。
Shoichi E.様
1年半で様々な案件に携わらせて頂きました。例えば、専門商社の2050年カーボンニュートラルに向けたありたい姿構想プロジェクト、官公庁の業務分析プロジェクトやデータオープン化構想プロジェクト、製薬会社のデータ利活用に向けたデータマネジメントプロジェクトや建設会社のナレッジマネジメント構想からシステム構築など、業種業態問わず取り組んできました。
役割について、どの案件もプロジェクトマネージャーという立場で従事し、お客様と共に課題と施策を整理しながら、ありたい姿やTo Be像を打ち出し、全体構想策定や必要に応じてシステム構成の検討や実装まで行いました。
髙村
プロジェクトに対するアサインは、ご自身のご希望とチームとしての要望とをすり合わせた上で決まっていくのでしょうか。
Shoichi E.様
そうですね。あとは富士通の営業から直接連絡を頂くケースもあるので、それをチーム内で共有し、必要なメンバーを募る事もあります。また、自身で追いかけているプロジェクトはお客様にアプローチしながら継続案件として自身で契約を取ってくるケースもあります。
髙村
続いて、Kota M.様お伺いしてもよろしいでしょうか。
Kota M.様
私は製薬企業やヘルスケア企業を中心に担当してきました。製薬業界では、データサイエンティストが慢性的に不足している中で、どこの企業もAIの専門人材を十分に採用できていない状況です。そこでRidgelinezのBSチームが協力させて頂き、必要に応じて富士通の既存の技術を適用しながら、製薬企業と一緒に新薬開発につながる新しい技術を行っています。
Ridgelinezの「Hub」として
髙村
BS Practiceでは本当に幅広い種類の案件を取り扱っていらっしゃるのですね。
野村様
はい。RidgelinezのなかでもBSが一番幅広い案件に触れられると思います。まさにRidgelinezのHubを自任しています。
髙村
面白いですね。他のPracticeとのコラボレーションもあるのでしょうか。
野村様
ありますね。チームの垣根無く協力できるところは、スモールファームの良さだと思います。
髙村
他のインダストリーやPracticeとのコラボレーションについて、皆様どのようなご経験をされてきたのでしょうか。
Shoichi E.様
私は先ほど申し上げたところで言うと、カーボンニュートラルに向けた構想プロジェクトでCPDR(小売・流通業界向け)という別Practiceの方々とご一緒しました。
Kota M.様
私もCPDRチームと一緒にプロジェクトに取り組んだことがあります。CPDRにはヘルスケアの観点で業務改革や新しい事業の構想を行政と一緒に進めているコンサルタントが在籍しており、データやAIを使った新規事業の構想など、様々なテーマでの連携を行っています。
Toshiki T.様
Ridgelinezは2022年12月にスタートアップ企業とクライアント企業を結ぶスタートアップ支援プログラムに関する発表をしました。その主体はSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)というチームなのですが、私もスタートアップ業界で数年やってきていて、いろいろご縁もあるので、一緒にやっていこうという話になっています。2023年度は、こうした今までとは違う観点でコンサルティングビジネスを大きくしていく取り組みにチャレンジしたいと考えています。
髙村
今お話しいただいたスタートアップ支援プログラムは、業務提携や資本提携という形態で行われるのでしょうか。
Toshiki T.様
スタートアップと協業したい、出資したい、という大企業は多くあります。しかし大企業とスタートアップの文化や目的の違いから上手くいかないケースも非常に多い。だからこそ、我々のような専門家がDXを中心に両方の視点を持って融合させていく必要があります。大企業のやりたいことを実現させ、スタートアップにとってもその企業と組むメリットをきちんと与えていく。この領域のコンサルティングニーズは潜在的に大きいのですが、まだ誰も手掛けていない。Ridgelinezが新しい一つの領域として立ち上げていけると面白いなと思っています。
髙村
それはBS Practiceとしてのケイパビリティになっていくのでしょうか。
Toshiki T.様
大きな視点で言えば、これはRidgelinezとしてのケイパビリティを底上げし、他社との差別化要素を増やしていく取り組みだと思います。その中でBSはあらゆるところに絡んでいますから、我々がHubとなって適材適所で様々なオポチュニティをつくっていけたらと思っています。
Ridgelinezの規模だからこそ、やりたいことや新しい領域の立ち上げが実現できるので、本当にすごくいい環境だと思いますね。
野村様
コンサルティング業界は、企業によって多少スタンスの違いはありますが、人が中心となって提供する仕事であることは変わりません。そのため個人の持っている知見や経験、スキルセットがとても重要です。個々人が自らの知識や経験を磨いていくことが求められるし、我々もそれをバックアップすることでともに成長していきたいと思っています。