デジタル経済化で企業が取り組むべきトランスフォーメーションの実現と新たな価値創造に取り組んでいる株式会社シグマクシス。同社はDX(デジタル・トランスフォーメーション)、SX(サービス・トランスフォーメーション)、MX(マネジメント・トランスフォーメーション)で表現される3つの変革(3X)を切り口に、クライアント企業の変革を支援しており、そのプロフェッショナルが所属するチームが、3X(スリーエックス)シェルパです。
今回は、3XシェルパのDXチーム ディレクター 三俣紀之様より、同社に入社された経緯、3XシェルパやDXチームの概要、案件事例などについてお聞きしました。
ビジネスに深く関与できる点が決め手となり大手ファームよりジョイン
田口
これまでのご経歴を教えていただけますか。
三俣様
私は新卒で大手日系コンサルティングファームに入社し、主に基幹システム導入支援等の業務を中心にキャリアを築いてきました。その後、外資系コンサルティングファームへ転職し、主に自動車関連企業への支援に携わっていました。そして、2018年にシグマクシスからオファーを受けて転職し、現在に至ります。
田口
シグマクシスを選ばれた理由や背景についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
三俣様
シグマクシスを選ぶ決め手となったのは、従来の課題解決型のコンサルティングビジネスとは異なり、構想・計画だけでなく、実行フェーズに至るまでクライアントと伴走し、共に会社を立ち上げるなど、実際のビジネスに深く関与できる点でした。
実は、シグマクシスの事業を初めて聞いた時は、グローバルファームでもなければ、規模も小さいという印象で、転職に前向きではありませんでした。しかし、シグマクシスの役員やメンバーとの対話を通じて、シグマクシス独自の事業内容や取り組み方に魅力を感じるようになり、ここであれば私自身のキャリアの幅が広がりそうだと確信し、入社を決意しました。
田口
実際にシグマクシスに入社されて、グローバルファームとの規模感や仕事の仕方の違いをどのように感じられましたか。
三俣様
組織のカルチャーが想像以上に違うことに驚きましたね。私がこれまで経験してきたコンサルティングファームは、数千人単位の大きな組織で、縦割りの組織マネジメントが主流でした。また、評価基準においても、売上や稼働率など定量的な要素が重視されていました。
一方、シグマクシスでは、評価基準は定量面だけでなく、数字に表れにくい構想力や発信力、オファリング開発や人財育成をはじめとした組織貢献など、個人の市場価値に直結する定性的な要素も考慮されます。この定性的な要素は、評価者と被評価者の一対一のコミュニケーションを多く要するという特性を持ちます。 入社前から「グローバルファームとはカルチャーが異なる」という話は聞いていましたが、実際に入社してみてその違いを目の当たりにしました。現在、シグマクシスは約600名の組織規模であり、この規模ならではの、一対一のコミュニケーションを前提としたマネジメントスタイルに居心地の良さを感じています。
田口
三俣様がシグマクシスにご入社されてから、特に印象に残っている案件はありますか。
三俣様
航空会社のシフト作成をデジタル化するという案件です。この案件では、数理最適化モデルを活用して複雑なシフトの作成の自動化を試みました。特に、パイロットや客室乗務員のシフトは、法律で定められた研修やトレーニングの時間、勤務と休息のバランス、空港とホテル間の移動時間など、さまざまな要素を考慮しなければなりません。従来は熟練者が手計算でシフトの作成を行っていましたが、作業が属人的になっていたことが課題でした。
複雑な要件を満たすため、最先端のデジタル技術やAIを駆使し、さらには数理最適化モデルの専門家の協力も仰いで取り組みました。
田口
それはとても印象に残る案件ですね。その後、シフト作成のデジタル化は成功したのでしょうか。
三俣様
はい、最終的に熟練者が作成したシフトと同等レベルまでデジタル化をすることができました。多くの試行錯誤がありましたが、私たちの諦めない姿勢と、クライアントが私たちを信じて協力してくれたおかげで、成果を上げることができたのだと思います。
変革実現に向け、クライアント企業に寄り添う
田口
続いて、三俣様が所属される3Xシェルパの各チームがどのような役割を担っているのか教えていただけますでしょうか。
三俣様
シグマクシスでは、企業が取り組むべき3つの変革を3Xと定義しています。3Xシェルパの「3X」とは、MX、DX、SXを指します。それぞれ簡単に説明いたします。
1つ目のMX(マネジメント・トランスフォーメーション)では、大企業のCxOや事業リーダーの経営変革や事業・人財開発を通じて、イノベーションを生み出す自律型組織の構築をサポートします。また、ビジョンやパーパスの策定から始まる全社変革の支援を行います。
そして、1つの企業を超えたエコシステムの創出をシェルパ(共同伴走者)として担い、クライアントのビジョン・戦略・価値創造ストーリーの策定と実行をリードし、さらに組織開発や人財開発のハンズオン支援も行います。
2つ目のDX(デジタルトランスフォーメーション)では、クライアントのコアビジネスモデルを変革し、生産性向上により大幅な業務効率化を実現します。産業や企業のDXの構想から実現まで支援します。
3つ目のSX(サービストランスフォーメーション)では、クライアントの新たな成長エンジンとなる新規事業を開発します。戦略や企画にとどまらず、クライアントとワンチームとなって事業開発や事業運営に携わります。また、単に外部プロフェッショナルとしてコンサルティングをおこなうだけでなく、当事者の一員として事業に参画することも特徴です。
その中で、私が専門としているのがDXです。DXは、昨今どの組織でも取り組んでいますが、私たちのチームは、全てのクライアントに対して‟トランスフォーメーションドリブン”であることを目指しています。つまり、デジタルテクノロジーの導入を支援するのではなく、クライアントが変革を遂げているか、自分たちの業務がクライアントの変革にどのように貢献しているかに重点を置いています。
田口
なるほど。クライアントの事業成果を重視しているということですね。
では次に、DXチームでは、クライアントの事業にどのような関わり方をするのでしょうか?
三俣様
構想策定だけでなく、構想後の開発・運用、プロジェクトマネジメントの支援も私たちが行っています。出資や出向なども含め、当事者の一員として事業に参画することも特徴です。
田口
他社と比較した際のDXチームの競争優位性について教えていただけますか。
三俣様
少数精鋭による圧倒的な機動力を持っていることが強みだと思います。特にDXチームは、マネージャー層が充実しており、案件によって柔軟にチームを編成することができます。何か新しい案件が持ち上がるとすぐにチームを組成して提案し、迅速にデリバリーを開始できることが私たちの強みです。
もしプロジェクトリーダーやマネージャー以上のメンバーが不足していると、「この案件は誰がどう取り組むのか?」「誰がプロジェクトリーダーになるのか?」といった点で、チーム編成に時間がかかる傾向にあると思います。
しかし、私たちは前述の通りマネージャー陣の層が厚く、また、それぞれのマネージャーが1つの案件に100%アサインをしないことで余裕を持たせています。つまり、並行して複数の案件に入ることに慣れているメンバーが多く、新しい案件があればすぐに手を挙げてチーム編成ができる環境を整えています。
さらに、ITの構築系や新規事業系、法制度関連など、さまざまな分野に強みのある多様なメンバーがいるため、いろいろな案件を担えるという点も私たちチームの強みですね。
田口
御社の掲げている“シェルパ”というコンセプトについても詳しく教えていただけますか。
三俣様
“シェルパ”というのはヒマラヤの山岳ガイドです。登山家が山を登る際に、道具や地図をわたすだけではなく、一緒に山を登って降りてくる。場合によっては危ないところは自ら先にいったり、勇気がいるところで背中を押したりして、最後まで寄り添い続け成功に導くプロフェッショナル。企業の変革や成長発展を「登山」に例えると、私たちはその伴走者としてシェルパの役割を担っています。単に課題を解決するだけでなく、それを常用運用化することも含めて、クライアントの事業を「自分ごと」として捉えて取り組みます。
クライアントにとって最初に頼りにする相手として私たちが存在したいという想いを、弊社では“シェルパ”と表現しています。
田口
シェルパというスタイルで具体的にどのようにコンサルティングを行っていくのでしょうか。
三俣様
私たちは、プロジェクトの責任者であるクライアント側のプロジェクトリーダー(役員や事業部長レベル)と横並びになり、協力してプロジェクトを推進したり、また経営陣へ報告する際も側で支援をしたりといったスタイルが求められることが多いです。
小売から金融まで、DXチームの変革事例
田口
クライアントからの引き合いが強くなっている業界やテーマはありますか。
三俣様
特に偏りはなく、全業界、全業種からの引き合いが強いですね。私は現在、銀行と小売業を担当しているのですが、本来、クライアント側の社員でプロジェクトを推進したいと思いながらもプロジェクトをリードできる人財が不足しているんですね。そのため信頼できる人に頼みたいということで、これまでのデリバリーの品質が評価されて、ご指名いただく形で私たちに依頼が来ることが最近は多いです。
田口
リピーターが多いということですね。直近で特に印象的なプロジェクトはありますか。
三俣様
大きく2つあります。1つは大手百貨店の案件です。10年後の生活や消費の動向を地域の視点から分析して、どのような消費が求められ、どの程度の消費サイズが見込めるのか、どのようなビジネスが必要なのかを考察し、必要なサービスについて検討する案件に取り組んでいます。当プロジェクトは、クライアントの経営企画部の部長をリーダーとするチームを組み、誰も欠席する事なくチーム全員で何度も討議を重ねた上で、週次でCFOとの討議を行っています。このプロジェクトは、チーム全員が「クライアントの未来を議論し創造する」という認識を強く持つプロジェクトという事でとても印象的です。
そしてもう1つは、信託銀行の案件です。信託銀行が作るコミュニティの成長をスタートアップ企業の参加によって促進させるべく、サーベイや企業診断などのサービスを提供しています。私たちは当サービスに、銀行業界を担当する他チームのメンバーも加えてプロジェクトチームを組み、直接支援を行っています。組織の枠を越えて他チームと連携することは多いのですが、これはその象徴的な案件ですね。また、これまでのクライアントの戦略策定や業務改善などのコンサルティングサービスとは異なり、クライアントのクライアント(スタートアップ企業)の成長を支援する事で、クライアント(信託銀行)を支援しており、コンサルティングサービスの可能性が広がったことを実感した印象深いプロジェクトです。
田口
DXチームで働くメリットややりがいについてお聞かせいただけますか。
三俣様
私が担当している案件はクライアントの変革に直結している内容が多いため、クライアントの経営層と直接コミュニケーションが取れます。クライアントのCxOとのリアルなコミュニケーションや交流が図れる点に大きなやりがいを感じています。
また、企業のトランスフォーメーションによる変化を実感できることも魅力ですね。それにより従業員の働き方や考え方にポジティブな変化が生まれるなど、クライアントの成長を目の当たりにすることができた瞬間は「自分たちの支援が役立った」という気持ちが湧いてきます。
企業、業界、社会…「変革したい」という志のある人を求めている
田口
続いて、DXチームに所属されている皆さんのバックグラウンドや雰囲気などを教えていただけますか。
三俣様
コンサルティングファーム、SI企業、金融機関、事業会社等、出身業界や出身企業は多様です。経験者採用のみならず、新卒入社のメンバーを加えた多様なバックグラウンドを持つメンバーが、それぞれのナレッジを共有しながら、期待値を超えた成果を出すために連携しています。
田口
DXチームではどういった方を求めていますか。
三俣様
心構えとしては、私たちはDXチームなので「変革を起こしたい」という意志のある方です。 “変革”を志向する人でなければ、チームの風土とは合わないかもしれません。DXチームは自身が担当するクライアントやその業界において、変革の機会、可能性に対して、常にアンテナを立てているようなメンバーの集団です。
田口
少し細かい話になりますが、DXチームでは変革への思いの規模感においてはどのようにお考えでしょうか?日本や世界、特定の業界、あるいは個別の企業や課題の解決などさまざまなレベルがあるかと思いますが。
三俣様
DXチームでは、変革への思いの規模感はどのレベルでも構いません。何より具体性を重視しています。例えば、漠然と銀行業界を変えたいというより、業務のレベルでも良いので「個人営業の特定業務において、デジタルツールを活用し顧客サービスの大幅な向上を創出したい」という目標はとても具体的ですよね。そうした明確な変革のビジョンや思いがある人は、入社してからも活躍の機会が多いと思います。
幅広い業界の案件に携わることで、チームのケイパビリティを広げたい
田口
では、最後にDXチームの育成体制や組織の展望について伺っていきたいと思います。まず、DXチームの育成体制についてお聞かせください。
三俣様
シグマクシスとしての育成制度は非常に充実しています。加えて前述の通り、DXチームはマネージャー陣の層が厚いため、チームメンバーへのフォローがしやすい環境になっています。
田口
働き方においては、リモートワークを活用する機会も多いのでしょうか。
三俣様
DXチームは基本的にはクライアント先での常駐をベースに、場合によってリモートワークを取り入れるという働き方です。例えば銀行の案件では、業務の特性上、現場への訪問が必要ですし、大阪の案件ではメンバーが大阪に常駐し、私は週2日程度大阪へ足を運んでいます。
田口
DXチームでは、並行して複数の案件に取り組んでいる方もいらっしゃるようですが、チーム間の横の繫がりについても教えていただけますか。
三俣様
DXチームでは、定期的に全員が参加するチームミーティングを開催しています。また、私は今、マネージャー以上のメンバーと共に採用活動等の社内活動を行っており、彼らと積極的にコミュニケーションを取るようにしています。DXチームでは、マネージャーの直下にメンバーがいるので、マネージャーとメンバーが直接コミュニケーションを取り、メンバーが何をしているのかを把握できる体制になっています。また、業務以外でもチーム間の繫がりはとても良好です。
田口
チームメンバーの距離感が近いという関係性があるのですね。今後、DXチームではどのように拡大されたいとお考えですか。
三俣様
携わる業種の幅をさらに広げていきたいと考えています。コンサルタントとして業務知識を広げる上でも、業界を広げてケイパビリティを身に付けていく方が組織開発にも繫がるからです。今後は全業種に対して変革を提供していきたいと考えています。
田口
では最後に御社へ興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。
三俣様
はじめは企業の変革でも構いません。私たちは企業、業界、そして社会に対して変革をもたらしたいと本気で考えている方を求めています。そうした志のある方と一緒に変革を起こし、成長していけたらと思います。