今回は、スカイライト コンサルティングの米国子会社であるSkylight AmericaのCEO 大山哲生様へのインタビュー。
Skylight Americaでは、日本企業の米国進出コンサルに加え、日本と米国の架け橋になるべく、現地の有力スタートアップへのインキュベーション事業なども手掛けています。今回は同社を率いる大山哲生様に、ご経歴や設立の経緯、Skylight Americaのミッションや実際の案件事例、また、スカイライト コンサルティングの魅力についてお聞きしました。
Skylight America CEO 大山哲生様のご経歴
安形
まずは、大山様のご経歴からお伺いできればと思います。
大山様
東京外国語大学大学院を卒業後、新卒で入社した大手の旅行会社を経て、2007年にスカイライト コンサルティングに入社しました。
スカイライトでは参加可能なプロジェクトが公開されていて、アサインメントはすべて立候補制になります。私の場合、とくに「製造業がやりたい」「ITをやりたい」という明確な希望が当時はあまりなかったため、小さなプロジェクトから大規模プロジェクト、海外プロジェクトまで、多種多様なプロジェクトを経験してきました。
入社3年目で参画したインドのプロジェクトで海外プロジェクトに興味を持ちました。
スカイライトにとっても、インドのクライアントも現地出張もプロジェクトとして初めてだったため、上司やクライアント、協力会社も含めいろいろな人たちと現地で試行錯誤しながら進めていく経験は、私にとってすごく大きな財産になったと思います。本プロジェクトが大きな転換期となり、海外案件への興味が強くなりました。
多くの海外案件に携わる中で、あるクライアントのアメリカ進出支援を行うプロジェクトがきっかけで、2017年から継続的に渡米するようになりました。
それを機に、海外プロジェクトをもっと本格的にやりたいという私の思いと、当時スカイライト コンサルティングが掲げていた海外進出という方向性とが相まって、2019年に米国子会社を設立し代表に就任しました。以降、アメリカを中心に活動をしています。
アメリカのスタートアップ・ベンチャーの日本進出支援やインキュベートなども手掛ける
安形
大山様がSkylight Americaを立ち上げるきっかけや設立背景についてお聞かせください。
大山様
クライアントである日本の大手IT企業が、研究開発(R&D)組織をシリコンバレーに立ち上げるというプロジェクトを担当し、組織の立ち上げと仕組みづくりを1年半掛けてご支援したのがきっかけです。
プロジェクト期間中は日本からの出張ベースで行っていたため、お客様に不都合を掛けてしまったり、長くやればやるほど、なんで現地の人に頼まないで日本から出張で来ている人に頼ってやるのか、というクライアントとの温度感が出てきた中で、現地にしっかり拠点を置きたいと考えました。
また、これからアメリカに進出したり、既に進出している会社がもっとビジネスを拡げたいと考えた際に、拠点やネットワーク、知見がない中で、コンサルティングサービスを提供することに限界を感じました。我々らしい価値を提供するためにも、アメリカと日本に拠点があり、両国で”入り込んだ”支援をすることで、スカイライトにしか出せない価値を提供できるのではと考えたのが、設立の背景となります。
安形
日本企業のアメリカ進出だけでなく、現地のクライアントにコミットしていく、バリューを出していくこともミッションになっているのですね。
大山様
はい。日系企業を中心にアメリカ進出をシームレスなネットワークでサポートしたいと考えている一方、日本進出に興味のあるアメリカのスタートアップ企業を日本とつなぎ、日本サイドのコンサルメンバーがアメリカ企業の日本進出をサポートしていく、そういった動きも徐々に始めています。今後は、日本法人のネットワークを活かした事業にも力を入れていきたいです。
安形
現在、Skylight Americaではどのようなプロジェクトを扱っているのでしょうか。
大山様
具体例を挙げると、既に米国に現地法人を持つ日系医療機器製造業のお客様で、アメリカでの販売拡大のセールス&マーケティング領域を支援しています。医療機器サプライヤーを探している米国のクライアントを見つけ、日本のセールスサイドと連携して獲得し、米国事業を拡大していく社長直轄の案件です。
他の例では、アメリカのプロスポーツチーム向けにSaaS型ソリューションを提供しているIT会社を支援しております。米国法人に常駐人材を置いていないため、アメリカサイドの製品の保守などを中心に、コミュニケーション窓口を担い、問題が起きた場合に意見を取りまとめて改善を依頼したり、日本で調整したものをプロスポーツチームに返したり、そういった仲介のようなサポートをしています。
安形
海外の案件はどのような経路で依頼されることが多いのですか。
大山様
既存のお客様からのリピートオーダーやご紹介が多いですね。例えば、ある企業の1つの事業部をお手伝いさせていただいたあとに、その評判を聞いて別の事業部から依頼をされるケースなどがあります。
安形
普段のプロジェクトにおいても、日本法人との連携は頻繁に行われているのですか。
大山様
頻繁に行われていますね。クライアントの案件でアメリカに関連する内容が出てきて対応に困ったら、大山に声をかけてみようという感じです。逆に私が製造業やITなど、国にあまり依存しない汎用的な専門知識などで困ったら、日本のこの人に聞いてみようなど、法人という仕切りを抜きにしてメンバー同士で連携を取っています。
スカイライト コンサルティング全体で海外拠点を活かし、新たなビジネスを創造する仕組みづくりが今後の課題
安形
今後のSkylight Americaのビジョンや方向性についてどのようにお考えですか。
大山様
1つは、事業を拡大していくことです。今はまだ日本本社と比べて売上が少ないため、まずは規模を大きくして、アメリカにいる日本企業に対して更に価値提供をしていきたいです。従業員数をただ増やすだけでなく、現地でパートナーシップを結んでいる企業やフリーランスの方たちとのつながりなどを活かして、事業を広げていきたいと思います。
もう1つは、スカイライト全体で海外拠点を活用していくことです。今、アジアやアフリカの拠点でも同じように現地の日系企業やローカル企業を支援しています。しかし、スカイライト全体ではまだ海外拠点を活かしきれているとは言えません。日本のコンサルタントメンバーが海外拠点を活かして、クライアントに新たな価値やビジネスを提供していくことができれば、スカイライトが海外の拠点を持つ意味も大きくなると思います。
安形
日本のポジションで就職された方が、アメリカを含む海外の法人に駐在できるチャンスはありますか。
大山様
スカイライトは本人の意思をどんどん後押しする風土で、やりたいと手を挙げたメンバーを積極的に起用して拡大してきた会社です。例えば仙台にある東北支店は、もともと個人的な事情で仙台に移住しなければならなかったメンバーが、経営陣に掛け合い、東北に支店を作る意義が認められて実現しました。スカイライトでは、本人の「やりたい」という意志表明をきっかけに新たな取り組みが進むことが多く、意志表明をした本人を中心に進めていくことが基本になっています。
スカイライト コンサルティングの強みはハンズオン型の課題解決とキャリア形成の自由度
安形
あらためてスカイライト コンサルティングにおけるコンサルティング業務の面白さや魅力を教えてください。
大山様
例えば戦略系コンサルティングファームでは、企業の経営戦略にあたって数字や市場データを中心に論理的に戦略を立て、企業のあるべき姿を提示し実行していくというアプローチを取ると思います。
一方、弊社は経営課題を解決するためにクライアントと一体となり、数字やデータ以外にも企業風土や文化、社員の個性などを含め企業を内部から理解します。そして業務構造や意思決定の流れをつかみ、そこから解決策をアプローチしていく会社です。
どちらのアプローチが正しいということではありません。しかし我々は、クライアントがどういう会社なのか、従業員に近い感覚から温度感を持って語ることができます。クライアントの全貌を理解した上で成功のために全力を尽くすことができるのが強みであり、魅力だと思います。
安形
プロジェクトとしてはハンズオン型の印象を受けます。
大山様
そうですね。若手のうちは客先に常駐するプロジェクトが多いです。クライアント企業の意思決定の流れも含めて理解していきますので、例えばお客様が本当にやりたいことを進めるためには、上層部の意思決定の傾向を把握した上で、一緒に稟議を作成することもあります。クライアント先でお客様になりきって同じ机で仕事をしているため、傍から見ればその企業の従業員だと思われることもよくありますね。
安形
他にも特徴や魅力だと思われているところはありますか。
大山様
若手でもアサインされるプロジェクトを自分で選んで手を挙げられるというのは、1つの特徴だと思います。どの業界をやりたいかというのは入社してから変わっていくと思います。業界自体もスピーディーに変化する中、例えば10年前の自動車業界と今の自動車業界では全然違いますよね。その中で、インダストリーやソリューションカットの会社で所属を変更することはかなりハードルが高いと聞いています。
一方、弊社ではプロジェクトベースで選べるため、1回経験して自分に合わないなと気づいたときには変更できます。もちろん初めての業界に携わる際は大変さもありますが、いろいろな業界を経験して知っているというのは強みにもなります。進むべきキャリアや業界を100%自分で選べるのがすごくいい特徴だと思いますね。
安形
プロジェクト以外でコンサルティングのスキルや業界の知見について学べる環境はありますか。
大山様
仕組みとしては、基本的にプロジェクトの成果物や中間の資料にアクセスできるようになっています。とくに大きなプロジェクトや長くプロジェクトに携わっていると有意義な知見が貯まっていくため、各プロジェクトが案件完了後に主に若手向けに勉強会を自主的に開催しています。例えばITシステム導入、ERPパッケージ、会計、製造業についてなど、コンサルティングのベースとなるスキルを高めていますね。もちろん、最先端な知見が得られるような勉強会も開催されています。
安形
ありがとうございます。最後に候補者の方へメッセージをお願いします。
大山様
スカイライト コンサルティングは、コンサルティング会社の中でも成長過程にある会社です。コンサルティングとして「こうするべき」という像を会社が規定するわけではなく、社員一人ひとりのスタイルが会社の方向性を作っていきます。また、コンサルティングスキルを活かしながらコンサルティング以外の領域にもチャレンジをしています。
新しいことに挑戦したい、クライアントの成長を導きたい、会社の成長に寄与したい等のお考えをお持ちの方とご一緒したいと思います。