シンプレクスグループが2021年に創設した、「戦略/DXコンサルティングファーム」Xspear Consulting株式会社。DXに取り組むあらゆる業界・業種に対して、戦略策定、組織改革、人材育成、業務改善、実行支援などのサービスを提供しています。
今回は、Big4などの大手ファームを経験し、同社に入社されているディレクター松本修平様、マネージャー菊川航様、アソシエイトマネージャー岡沙由理様より、ご経歴、前職のファームとの違いを踏まえた上でのやりがい、実際の案件内容などについてお聞きしました。
2021年にシンプレクスグループが立上げた戦略/DXコンサルティングファーム Xspear Consulting
髙村
まずは、Xspear Consultingの概要や企業フェーズについてお聞かせください。
松本様
Xspear Consulting株式会社(以下、クロスピア)は、シンプレクス・ホールディングスのグループ会社であり、2021年4月に設立されました。Xspearという名前は多様な専門性を掛け合わせ、企業や産業の変革を支援する意味をこめた“X”と、槍・尖兵を意味する“spear”を繋げたもので、「顧客がビジネスの成功に向けて未知なる領域にチャレンジする際の戦略的パートナーとして、その先陣を切る槍・尖兵のような存在でありたい」という想いが込められています。
シンプレクスが強みを持っている金融領域だけでなく、当グループとしてこれまで関わりの少なかった非金融領域の双方を対象として、戦略策定、組織改革、人材育成、業務改善、実行支援など様々なコンサルティングサービスを提供しています。
シンプレクス自体は、金融領域のお客様から既に大きな評価をいただいていますが、我々クロスピアとして新たに切り開いた金融領域以外のクライアントに対し、その実力をどのように見せていくのかが1つのチャレンジです。これに対する明確な答えは、日々のデリバリーの中で見出している最中であり、立ち上げの醍醐味がまだまだ残っている環境とも言えます。
髙村
松本様は、どういったご経歴を経て現職にお就きになったのでしょうか。転職を決意された理由なども含めて、お教えいただけますか。
松本様
私は新卒で外資コンサルティングファームに就職し、Big4系での経験含め、10年程度のコンサルティング経験をしたのち、2020年11月にクロスピア立ち上げメンバーとして入社しました。
私がクロスピアに転職を決意した理由は、前職において「組織の規模感」という越えられない壁を感じていたことにあります。大手ファームにおいては、その規模がゆえに自身が役員層のお客様に対し直接提案することができないなど、大きな組織特有の動きにくさを感じていました。大手ファームでは限られたレイヤーないしメンバーしかSales活動に携われなかったり、組織体系の制約でクライアントの業界や支援領域が限定されたりする等、自社内で横断的な動きがとりにくい側面を感じていました。クロスピアでは自分がやりたいことを社内で発信して、仲間を見つけて一緒に提案活動を推進していくことや、複数業界に跨ってプロジェクト推進していくことができるなど、クロスピアに転職をしたことでできることの幅が広がったと感じています。
髙村
それでは、菊川様、お願いいたします。
菊川様
私は新卒で大手IT系ベンダーに入社し、AIを使った事業予測サービスの立ち上げ等、実際にものをつくるという経験をしてきました。その後、ビジネス目線での知見を身につけるために、Big4系コンサルティングファームに転職し、IT戦略の策定やPMOの管理などを経験しました。こうした中で、どうしても組織として役割が縦に割られてしまい、自身の経験の幅に広がりが感じられなくなっていました。加えて、現場から遠ざかっていく感覚があり、再び転職を決意しました。
クロスピアではマネージャーとして、戦略の策定や、実行メンバーの選出をはじめ、自身もそのメンバーとディスカッションしながらデリバリーをおこなうなど、前職では叶えられなかったワンストップ・サービスを経験できています。
髙村
続いて、岡様にもお伺いできますか。
岡様
私は新卒でBig4系コンサルティングファームに入社し、主にRPA関連のプロジェクトや、業務改善プロジェクトを経験してきました。その後、Big4系FASに転職し、M&Aに携わる中で、自分自身が実ビジネスを知らないままクライアントに助言することに対し、これは本当にクライアントのための提案なのか疑問をもつようになりました。そのタイミングでクロスピアと出会い、事業の立ち上げを経験することで実ビジネスに近い環境に身を置くことができること、業界・領域にとらわれることなく自由に動けることなどに惹かれ、転職を決めました。
クロスピアでアソシエイトマネージャーを務める中で、金融・非金融の両業界におけるプロジェクトに携わり、経営レベルでの課題に対する真の課題の探求や解決のための取組みを経験しており、コンサルタントとしての自身の幅も大きく広がっていると感じています。
大手では味わえない、ゼロから切り拓いていく面白さ
髙村
皆様、大手ファームでの違和感を機に転職を決意されていますが、貴社のビジネス面について、大手ファームとの違いをどのように感じていらっしゃいますか。
岡様
私は、クロスピアと大手ファームではビジネスチャンスを生み出し、拡大していくことへの意識の強さが異なると思っています。大手ファームでは既存のリレーションからビジネスチャンスが生まれることが多い中、クロスピアはシンプレクスグループが持つ金融業界に対するリレーションだけでなく、非金融業界へビジネスを新規開拓していくことにも力を入れています。
もちろん、新規開拓には難しさもあり、クライアントの真の課題をゼロから探求していくことにはそれなりの時間や調査が必要です。とても難しいことですが、真の課題を見つけクライアントと解決に向けて取り組むことにはとてもやりがいを感じています。
解決方法において、我々にはシンプレクスグループとして蓄積された技術力があります。特にDXといった面では「提供できないソリューションは無い」という自信を持つこともできます。そのため、机上の空論にならず、実行フェーズになってもきちんとデリバリーをすることができ、お客様にとって本当に必要なものを届けることができるのではないかと考えています。
髙村
ゼロから開拓していくことの大変さというのは、やはり感じていらっしゃるのですね。
松本様
新規開拓の大変さは、大手ファームでは経験できないことの1つですね。私の例ですが、前職では、自身が主体的に動かなくても、ただ待っていれば案件にアサインされる環境でした。これに対してクロスピアは、やりたい人が自分でビジネスを切り拓いていくというスタイルなので、メンバーはどのタイトルであっても強い意志を持って行動していますし、提案活動に対しては非常に積極的です。当社では、全メンバーが、提案中の案件から受注済みの案件まで全てのプロジェクトリストを見ることができるため、会社としての方向性の確認や、自身が関わってみたいプロジェクトを具体的に探すこともできます。また、タイトルを問わず、メンバーが意思を持って提案した案件が実際にプロジェクトとして動いていることも多いです。一般的にはこうした提案活動はごく限られたところでしか行われていませんし、閉じた形で不透明になっていることもありますから、とても風通しの良い中で仕事ができる環境だと思っています。
髙村
新規開拓の大変さ、やりがいについて菊川様はいかがですか。
菊川様
前職では既存のクライアントに対しての継続提案を主として経験しました。継続提案の場合、クライアントの抱える課題が支援の中で明確になっているため、提案に向けての準備に苦労することはあまりありませんでした。クロスピアで実際に新規の提案をおこなう際には、クライアントが属している業界の状況を深く把握することで課題感を想定し、クライアントの共感を得られる提案を作り上げることの難しさを実感することができました。前職で働いていた当時は人数が非常に多かったこともあり、社内の有識者を探し出せばよかったことも、今は自分で一から調べ、傾向を探してまとめ上げないといけないので、その分理解度は格段に深まりますし、個人で案件を開拓していく楽しさ、やりがいを感じることもできます。
個人の「やりたい」という気持ちが役割を作る
髙村
先ほどは新規開拓といったビジネス面でのやりがいをお聞きしましたが、個人としての役割やそこに感じるやりがいなどもお聞かせください。
松本様
私はクロスピアという社名も決まっていない立ち上げ準備段階から関わっていますが、その時から一貫して自らのやりたいことを主張し続けています。実際、決められたものが上位タイトル層から降ってきたことは一度もありません。 前職ではどうしても、やれと言われたことの中から無理やり意義を見出していくことしかできなかったのですが、幸いなことにクロスピアでは、自ら主体的に案件を開拓することができ、それぞれのプロジェクトの中で自己研鑽を重ねることで、他の誰とも被らない自分なりのキャリアを歩んでいる実感があります。「自分の役割は自分で考えて作る」ということを楽しめる人にとっては大きなやりがいを感じることができる職場だと思います。
今後は、組織として目指すものに対して自分に何ができるのかを考え、突き詰めていくことが、私のやるべきことだと考えています。組織の方針に対して自分をアジャストしていくことをポジティブに捉えられる環境だからこそ、私自身も成長しながら、組織を更に強くしていきたいと考えています。
菊川様
私も、自分自身がやりたいことを具体化することで、組織における役割を生み出していくことが重要だと考えています。
前職では、何か新しいことをやろうとしても他メンバーを巻き込むには様々な調整が必要なため、リードタイムを要しましたが、クロスピアはやりたいことをスピード感をもって実行に移せる環境です。こうした協働の体制を更にうまく回していくための環境づくりは、個人的にも積極的に取り組んでいきたいところです。
また、これまで全く違う仕事をしてきた方が中途で入社をされた際に、スキルセットの構築のために何をすればよいのかというステップを提示していくことは、マネージャーとして自身がやっていかなければならない役割だと思っています。
岡様
私は、特に若手の時は議事録や資料作成の品質面において求められるものは他ファームと大きな差はないと思っています。
だからこそ意識していることとしては、若手だからとしり込みせず、例えば制度面で整っていない部分についてはアイデアを出す、評価方法検討においても自身の意見をしっかりと発信するなど、会社の方針検討に関わるようにしています。
また、クロスピアは社歴が浅い分、中途入者の方や、コンサル未経験で入社する方にとって不安もあると思います。そういった方達とのコミュニケーションを積極的に行い、カルチャー形成をしていくことも、私の大きな役割の一つだと考えています。
バイネームで仕事をすることの充実感
髙村
やはり貴社に対して金融といったイメージを強く持っている方もいると思うのですが、実際はどのような案件を取り扱っていらっしゃるのでしょうか。
松本様
クロスピアはあらゆる業界を対象にしたサービスの提供を目指していますから、金融の案件はもちろん、非金融の案件も多くあります。
クロスピアのメンバーは個性が豊かでそれぞれに得意領域があり、それを活かすことで案件を取ることができています。大手では特に、個人ではなく会社のラベルで見られてしまいがちですし、私の経験においては、クライアントからバイネームで案件を依頼されるような環境には滅多に出会うことがありませんでした。
クロスピアでは、会社のネームバリューに頼らなくても、自分の力で価値を提供できるメンバーが何人も活躍していて、これは候補者の皆様にもアピールしたい会社の強みです。
岡様
私は非金融業界に対するプロジェクトに携わっていますが、これは当社のマネージングディレクターがバイネームで依頼を受けたものです。某メーカー様からこれまでのマネージングディレクターの働きに信頼を置いていただき、ITガバナンスの強化に取り組みたいとのご依頼を受けることができました。IT戦略・方針検討、コスト管理、プロジェクト管理、データ活用、人材管理などといったテーマについての現状課題を洗い出し、そこに対する施策を提案していくといった内容です。
現在は、前フェーズで施策を提案したテーマについて、解決に向けた取り組みをクライアントと伴走しながら推し進めています。クライアントからファームとしてではなく、個人として信頼を獲得しビジネスにつなげていく姿を間近に見ることができ、毎日が濃く、勉強になっています。
髙村
では、金融に関する案件についてもお伺いできますでしょうか。
菊川様
金融機関様のクラウド環境の構築や、データ分析のためのアーキテクチャを設計するなどといった、「シンプレクスがこれまで対応してきた領域を更に広げる活動」と、組織変革に伴う離職率を減少させるためのKPI設計や、インセンティブ設計について各CIOや役員クラスの方と話し合いつつ方針を策定するといった、「シンプレクスが今まで対応できなかった領域に対して切り込む活動」の2軸の案件を取り扱っております。
松本様
シンプレクスが金融業界で得てきた信頼に加えて、クロスピアが如何に+αの価値を提供していけるのか。こういった点は今後も訴求していきたいと思っています。
髙村
今後の企業の方向性と、個人の目標についてもお聞かせください。
松本様
我々は3年目の終了時に売り上げ30億円達成を目標に掲げています。そのために、金融案件を更に広げること、新たな領域を切り拓いていくことの両輪を同時に強く推進しています。
また、個人としては、クロスピアの特色とは何なのか、どういう見せ方をすれば企業としての価値を最大化できるのか?という点についても明確な答えが出せるように組織を作っていきたいと考えています。
岡様
私個人としては、「コンサルタントとして個人で評価される人間になれるか」が、重要な課題だと思っています。会社のネームバリューに頼るのではなく、個人としてクライアントの信頼を勝ち取れるよう、そしてそれゆえに会社にも貢献していけるように各プロジェクトに全力で取り組んでいきたいです。
また、これまで様々な業界のコンサルを経験しましたが、一見似たような課題であってもやはりクライアントによってボトルネックや解決方法は異なるため、業界やソリューションに依らず今後も成長し続けるために必要な課題分析力、洞察力や、ロジカルシンキングの強化は続けていきたいと考えています。
菊川様
私は前職では製薬業界をメインにしてきたので、入社するまで金融業界には触れたことがありませんでした。ですが、製薬と金融では情報の機密性で求められる観点が少し似ていると考えているので、これまでの知見を活かしつつ金融業界でのデリバリーを行っていきたいですし、そこで身につけたコンサルティングスキルを武器に、製薬業界の新規開拓にもチャレンジしていきたいです。
また、シンプレクスの既存クライアントに対し、これまでシンプレクス単体で取り組んでいたクラウド活用やデータ分析といったサービスを、クロスピアが別の角度から携わることで支援し、シンプレクスのクライアントの中でも我々の存在価値を広げていきたいと思っています。
髙村
それでは、最後に御社に興味を持たれている方に向けてメッセージをお願いします。
松本様
大手ファームにいた頃は、例えばAWSの構成や機能・非機能要件などの検討が必要な場面で、他製品との機能比較やインフラ構成図を中心としたご説明でした。ただクロスピアでは、シンプレクスのエンジニアに都度必要な場面で教えてもらいながら、運用保守を見据えた観点や移行のしやすさを含めた実現可能性の観点など、複合的な視点でご提案をしていくことができています。加えて、エンジニアが物理的にも近くにいて、実機で動きを見せてもらいながら理解できる環境のため、自分自身としても新たな知見を楽しく吸収できています。それと同時に、今まで自分がお客様に説明していたことが、いかに上辺だけの知識だったのかにも気付かされました。
また、サービスを売る上でクロスピアとしてどんな価値を提供できるのかを考えた時、デリバリーの品質やシンプレクスの高い技術力を武器にしながら戦えるという面白さも感じています。今までは、無意識に会社のネームバリューに頼っている部分が多分にあったことを身に染みて感じています。
自分の知見をより深め、会社の名前に頼らずに個人として成長することを楽しいと思える方は、クロスピアでは生き生きと仕事をしています。現職にどこか物足りなさを感じている候補者の方には、きっと面白味を感じていただける職場ですし、活躍していただけると思います。
菊川様
候補者の方の中にはクロスピアを検討する際、Big4と比較される方もいらっしゃると思います。そこで、Big4にいた時の私の経験をお話しさせていただくと、両社の大きな違いは身に付くスキルではなく、経験するフェーズにあると思います。大手での仕事を振り返った時、戦略策定までが主なミッションとなることが多く、自分が立てた戦略が現場レベルでうまく機能していたのかどうかを実感することが出来ませんでした。
ですが、クロスピアでは戦略策定後に実働部隊であるシンプレクスのエンジニアと協働して実行フェーズの提案ができる体制が整っています。実際に自分が立てた戦略がどんな成果を上げたのか、もしダメだった場合にはそこからどう改善するかを検討することができ、自分の仕事に手触り感を持って取り組むことができます。
また、ITや金融の経験がない方も、新規開拓など様々なアプローチで活躍していただけますし、個人の「やりたい」という気持ちを汲んでくれる環境なので、コンサルタントとしての経験の有無を問わず安心してご入社いただければと思います。
岡様
ITに苦手意識を持っている候補者の方はやはり多いと思います。私自身も以前はITというとかなり専門性の高い分野であり、自分がIT領域で活躍できるイメージを持っていませんでした。しかし実際ビジネスからITを切り離して考えることができなくなっている世の中において、漠然と「ITは難しい」といったイメージで終わらせるのではなく、クライアントの解決に必要なソリューションがITに関わることであれば実現したいと思っています。候補者の方も、ご自身がどんなことを実現されたいのか考えてみた際に、クロスピアがお役に立てる環境だと思っていただけたら非常に嬉しく思います。