代表的な戦略コンサルティング
ファーム
戦略系コンサルティングとは
企業の経営課題を発見し、その解決のためのプランを立て、そのプラン遂行の役割を担うファームです。企業戦略、事業戦略、組織改革、業務改革などにおけるクライアントの意思決定と決定事項の組織への落とし込みのサポートなどをおこなっています。
特に、企業戦略や事業戦略のコンサルティングは、戦略系ファームの最も得意とする分野です。企業全体の経営に関わる課題を依頼されるため、経営者層とのやり取りがほとんどとなります。仕事のスタイルとしては、3~5名程度の少数精鋭のコンサルタントがプロジェクトを組み、経営課題に取り組んでいます。
外資系ファームが強い領域
これらのファームの多くは、外資系が中心であり、グローバルに展開し、世界に何十ものオフィスを持っています。しかし、戦略系のグローバルファームの数は非常に少なく、1社あたりのコンサルタントの人数も少ないため、少数精鋭のプロフェッショナル集団であると言えます。
コンサルティングフィーについては、他のファームと比べても高額なため、日本では、大手企業を支援することがほとんどです。
高額な給与とUp or Out
コンサルティングフィーが高い分、戦略コンサルティングファームに勤めるコンサルタントは、他ファームと比較して年収も高額です。その分労働環境もより厳しく、コンサルタントにかかるプレッシャーは大きいため、肉体的にタフでないと務まりません。
また、コンサルティング業界の代名詞であった「Up or Out(昇進するか辞めるかの二択)」は、総合コンサルティングファームだけでなく、戦略コンサルティングファームにおいても弱まりつつあります。少人数のチームで短期的に課題を発見し、解決まで導く必要があるため、特に状況分析や情報収集、プレゼン準備をおこなうアナリストや若手コンサルタントにかかる負担は大きいですが、離職率を下げるためにも外資系戦略ファームでは未経験の方を8時までには退社させる、少なくとも2年半は様子を見るといった対応を行っているケースもあるようです。
総合コンサルティングファームとの棲み分け
総合系と戦略系のファームの違いやイメージが湧かないという質問をいただくケースが多いですが、所謂「総合系」言われるコンサルティングファームとの違いは、総合系が戦略から実行支援まで、つまり川上から川下までをすべてカバーするのに対して、戦略コンサルティングファームは最上流工程に特化したサービスを提供する点でしょうか。
ただし近年、双方の棲み分けは少しずつ曖昧になってきています。総合系ファームは戦略系ファームを買収するといった方法で、戦略部門の拡大に力を注いでいます。また戦略コンサルティングファームは、クライアントから実行支援まで求められる等の理由により、デリバリーの領域を少しずつ拡大し、「絵に描いた餅」ではなく、より実行可能な支援を行うようになりました。総合系ファームと戦略系ファームが同じコンペに参加するケースも増えてきたようです。
実際に、マッキンゼー・アンド・カンパニーが、2015年にデザイン会社「LUNAR(ルナ)」を買収。またボストンコンサルティンググループも「BCG Digital Ventures」という子会社を設けたりと、各戦略ファームで実行支援まで手掛けるための動きが活発化しています。
採用の傾向(新卒・第二新卒)
戦略コンサルティングファームの場合、新卒・第二新卒では何よりも地頭のよさを重視します。これは学業優秀ということではなく(学歴がいいのは当たり前)、考える癖をどれだけ持っているかという点を評価します。
特定分野における専門知識を使うというよりも、問題解決能力が求められる職場であるため、「常にゼロから考えられる力」を非常に重視します。特に若手の内はロジカルな資料作りやデータ分析にかける時間も多く、「左脳的に思考し、整理する力・スキルを身に付ける必要がある」という声をいただくことが多い印象です。
また外資系の戦略ファームは高い英語力が必須です。採用面接を英語でおこなうファームもあります。
採用の傾向(中途)
中途で転職される場合も新卒と同様、地頭のよさを求める点は変わりませんが、加えて他業界で活躍しているビジネスリーダーを採用する傾向があります。戦略コンサルタントの場合、クライアントは大企業のトップ層に限られるため、豊かなビジネスネットワーキングを持つ人間は高く評価されるのです。
また海外トップ大学のMBA取得者が戦略コンサルティングファームで活躍するケースも多くあります。
ただし、近年は求人の内容も数年前とは変わり、戦略コンサルティングファームも新しい領域に乗り出してきているため、大手の戦略系ファームでは学歴や英語力といったかつて重視していた要素よりも、より専門に特化した人材を採用することが増えてきています。たとえばボストンコンサルティンググループでは、ITをTechnology Advantageと位置づけ、SEなどIT素養のある人材の獲得に力を入れています。
キャリア
著名な戦略コンサルティングファームに勤務していたというブランドは極めて高く評価されます。たとえ新卒入社数年で退職したとしても、展望は非常に明るいと言えます。
キャリアとしては、そのまま戦略ファームに在籍し続けるというのは稀で、投資銀行など金融系やPEまたはVCといったファンド系の事業会社に転じる(最近では大手ベンチャー経営企画のマネジメントポジションへの転職も増えております)、総合系ファームに移籍する、企業、独立するなど様々です。学問や政治・政策の道に進む人間が多いのも、戦略ファーム出身者の特徴です。
主な戦略コンサルティング
ファーム出身者
マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の大前研一氏、勝間和代氏、ボストンコンサルティンググループ出身の堀紘一氏、樋口康行氏、冨山 和彦氏(後に日系の戦略ファームである株式会社経営共創基盤を設立)が挙げられます。戦略系ファームを経て、経営者となる方も多く、幅広い業界で活躍されている方が多数います。
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