プロダクト三層モデル

「プロダクト三層モデル」とは製品の価値を「中核」、「実体」、「付随機能」の三層に分けて捉える考え方で、フィリップ・コトラ―によって考案されました。このモデルは製品企画や、競合他社の製品特性を分析する際などに有用で、是非押さえておきたい考え方であるといえます。

それぞれの層について具体的に見ていくと、以下のようになります。

<製品の中核(コア)=第一層>

製品の価値の本質、コンセプトにあたるのがこの層です。
消費者が求める製品のベネフィット、価値、サービスなどを含みます。

<製品の実体=第二層>

この層は、実際目に見える、売られている製品そのものを指します。
製品のパッケージ、デザイン、品質、性能等の基本特性がこの層に含まれます。

<製品の付随機能=第三層>

⇒顧客にとって、製品の価値を高める要素がこの層に分類されます。
製品やサービスに付随する、配達、設置、保障、アフターサービスなどが含まれます。

例えば、これを「スマートフォン」という具体的な例に当てはめると、以下のようになります。

<製品の中核>

電話機能、メール機能、インターネット機能等

<製品の実体>

デザイン、電波の入りやすさ、回線速度等

<製品の付随機能>

紛失時サポート、独自の割引、電池パック無料保障等

また、本用語集でも取り上げている、「製品ライフサイクル」の段階によって製品を差別化する際にも、プロダクト三層モデルは有効に活用できます。

<導入期>

差別化要素:製品の中核(コア)
→製品が市場に出始めたころは知名度が低いため、消費者に提供する本質的な価値で差別化することが必要です。

<成長期>

差別化要素:製品の実体
→参入企業が増え価格競争も起きるため、競合製品との違いを具体的に特徴付けている実体の部分での差別化が必要です。

<成熟期・衰退期>

差別化要素:付随機能・製品
→製品やサービスが普及し、その製品・サービスの機能・価値を誰でもよく知っているため、顧客にとっての価値が高まる要素で差別化をする必要があります。

製品は目に見える特徴だけでなく、様々な価値の集合体として開発し、それを顧客に訴求していくことが必要です。だからこそ、製品戦略は製品の中核や実体のみならず、付随機能・製品についても立てる必要があります。

皆様も自社や他社製品を分析してみると、新たな差別化点が見つかるかもしれません。

マーケティング用語集

  1. マーケティングプロセス(RSTP)
  2. マーケティングミックス(4P戦略)
  3. 3C分析
  4. セグメンテーション
  5. ターゲティング
  6. 価格の弾力性
  7. 規模の経済
  8. 採用者カテゴリー
  9. 製品ライフサイクル
  10. 経験曲線効果
  11. 競争地位
  12. ブランディング
  13. 購買意思決定プロセス
  14. ニーズ・ウォンツ・デマンド
  15. ポジショニング
  16. DMU(Decision Making Unit)
  17. プロダクト三層モデル

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