「セグメンテーション」とは、同じような傾向を持つ顧客のグループに市場を分けることで、「市場細分化」ともいわれます。この際、切り分けた顧客のグループのことを「セグメント」といい、切り分ける際に用いたセグメンテーションの視点のことを、「変数」といいます。
セグメンテーションを行うことで、ある特定の消費者のニーズに狙って訴求することができ、製品やサービスを購入してもらえる可能性が高くなります。
変数の例としては、年齢、性別、購買者のニーズなどが挙げられ、これらを複数組み合わせると、より効果的に市場を切り分けることができます。
消費者のニーズが複雑化、多様化する市場で、セグメンテーションはマーケティング上不可欠な要素であるといえます。
セグメンテーションを行う際の変数について詳しく見ていきますと、下部の表のようになります。
その中でも、変数の考え方の基本となる消費財市場の変数について、ここでは更に詳しく見ていきます。
地域、都市規模、人口密度、気候など。
製品用途が気候や地域によって異なる場合に有効な変数です。
年齢、性別、世帯規模、世帯構成、所得、職業、教育、ライフステージ、人種、社会階層など。
生産財市場の場合は企業規模、社員数、業界などになります。
消費財のニーズと密接な関係があり、具体的に数値として把握できることが特徴の変数です。
ライフスタイル、パーソナリティ(心理面や性格の特徴)、価値観など。
生活環境や体験、所属する集団などで決まる要因を表す変数です。
購買状況、使用状況、使用頻度、購買プロセス、使用者のタイプ、求めるベネフィット等。
最も効果的なセグメンテーション変数と考えられています。
最近では消費者ニーズが多様化・個別化しており、それに対応するために社会心理的変数や
行動変数が重視されるようになっています。
セグメンテーションは、単に市場を細かく分ければいい、というものではありません。
●細分化した市場には、十分な売上高や利益を確保できる規模があるか
●細分化したセグメントの顧客に、自社は実際にアプローチでき、製品やサービスを提供できるのか
などについて検討する必要があります。
セグメンテーションがビジネス上意味のあるものとなるよう、適切な変数を用いることが重要です。